プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2012/03/19 (Mon)
詩
毎朝なのかもしれない
ぼくの指は豆腐に刺さって
抜こうとすればするほど
意味との距離が遠ざかっていく
交番に住むアマガエルに
おはようを言うきみの顔が
今日もきれいだから
もう懐かしいことしか
思い出せない
外は雨の日のように静か
雨の日と間違えた人が
傘を差して歩く
ぼくのついた嘘が
細々ときみに伝わる
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2012/03/18 (Sun)
詩
熱気球が関東地方の上空を
ゆっくりと飛ぶ
放課後のように
見損ねた夢のように
今日は世界のいたる所
一面の朝でしょう
と、ラジオの人が朗らかに言う
きみは台所で何か千切ってる
ぼくはコンクリートに
何か叩きつけてる
体操の音楽が流れ始めて
ぼくらはまだ
騙されなければならないのか
自分の国に産まれて
2012/03/16 (Fri)
詩
信号待ちをしている間
わたしたちは話をしました
空は曇っていました
とても長い信号でした
三十メートルくらいはありました
話も長くなりました
けれどわたしたちの身体と言葉では
五メートルくらいが精一杯でした
結論の出る話ではありませんでしたが
信号が変わったので終わりにしました
鳥が飛び立ちました
そのことについて話をしました
よく見る形と大きさでした
間違えるといけないので
鳥の名前については
二人とも黙っていました
2012/03/14 (Wed)
詩
山本さんが一人でぽつんと
落ちていた
落ちちゃったの?と聞くと
落ちちゃったよ、と山本さんは笑った
重力には勝てないよ、と笑った
いつか勝てるといいね、と僕も笑った
秋の空は晴れていた
何も無ければ地平線まで見えるくらいに
いつまでも晴れていた
こんな日は山本さんではない人とも
会いたいと思う
2012/03/12 (Mon)
詩
空の重さを支えるように
家という家には屋根がある
その上をきらきらと
小魚の群れが通り過ぎて行く
人は言葉だけで幸せになれるのに
ご飯を食べないと生きていけない
今日の行事は家庭訪問
先生がカバン等を持って
町内を歩いている
2012/03/11 (Sun)
詩
犬が僕の名前を呼ぶ
僕が返事をする
また犬が僕の名前を呼ぶ
また僕が返事をする
そんなやり取りが愉快で
何度も繰り返す
そうしているうちに
犬も僕もすっかり年を取った
今、僕はひとりで静かに
フェリーを待ってる
2012/03/10 (Sat)
詩
アルミニウムの陰で
子守歌を歌う
眠っている人は
おしゃべりだから
わたしも話せることは
すべて話したくなる
秋雨前線が北上して
他に何もないこの辺りにも
やがて雨が降るだろう
残っていた夏草の匂いで
わたしは指を切った
2012/03/09 (Fri)
詩
頭からキノコが生えている
抜いて良いものかどうか
水や肥料をやるべきかどうか
などと迷っているうちに
毎日少しずつ
キノコは大きくなっていく
キノコ生えてるよ
と心配していた妻も娘も
今ではすっかり慣れて
時々、退屈なことのように
触ったりする
キノコが大きくなる一方で
自分は少しずつ小さくなっていく
このままどこに行ってしまうのか
でもそれはそれで
許された、ということなのかもしれない
いつの日か朝の光のなか
家族を見守るように食卓に着いている
そんなキノコの姿を思い浮かべて
胞子をまいたりしてみる
2012/03/08 (Thu)
詩
犬小屋を作る
犬がいないので
代わりに自分が中に入る
隣の家から拙いピアノが聞こえる
丸くなりうずくまっていると
昔からずっとこうしていた気がしてくる
前を通る人が
中を覗き込んで口から何か音を出す
あれが言葉というものなのだろう
ピアノはさっき間違えたところを
滑らかに弾いて先に進む
自分の体温で
自分の内側が少しずつ温かくなる
一番近くに自分がいる
そのことに安心して
眠くなってくる
2012/03/07 (Wed)
詩
図書館の海に
沈んでいく
『決定版 小林カツ代の毎日おかず』
(今日から使えるシリーズ)
外では間の狭い男が
雨のように泣いている
耳の穴から
半透明の小エビが出てきて
コスモスの近くを飛ぶ
十七歳の飛行機を眺めている
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