プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2005/07/23 (Sat)
たくさんのきみに
君がぽかんと口を開けているのは
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いことを探しに行く
旅の始まりに過ぎない
子供よ
未だ信ずるべき未来を持たぬ者よ
同じ風が今でも
私の口の中で吹いている
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いことを探しに行く
旅の始まりに過ぎない
子供よ
未だ信ずるべき未来を持たぬ者よ
同じ風が今でも
私の口の中で吹いている
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2005/07/22 (Fri)
たくさんのきみに
君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
君を追いかけて飛び込み
自分自身の奥底に沈んでいくと
やがて安心して眠る
君は明け方の街を歩く
もはや何とも見分けがつかない
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
君を追いかけて飛び込み
自分自身の奥底に沈んでいくと
やがて安心して眠る
君は明け方の街を歩く
もはや何とも見分けがつかない
2005/07/22 (Fri)
たくさんのきみに
君が握ると
同じ力で握り返してくるものがある
君はその力をさざ波に変え
身体の最果てまでゆっくり送り届けることで
自分の輪郭を形作っていく
君が握っているのは
君自身に他ならない
ざわめく声の中
君の掌は
少しすっぱい匂いがする
同じ力で握り返してくるものがある
君はその力をさざ波に変え
身体の最果てまでゆっくり送り届けることで
自分の輪郭を形作っていく
君が握っているのは
君自身に他ならない
ざわめく声の中
君の掌は
少しすっぱい匂いがする
2005/07/19 (Tue)
たくさんのきみに
君には訓練が必要だ
高らかな産声で自らの生を宣誓し
誰にも教わることなく
呼吸し始めたように簡単にはいかない
今、君の身体は音楽に満ち
穴という穴から溢れ出そうとしている
それらを十本の指からこの世に解き放つ術を
未だ知らない
けれど忘れてはいけない
君よ、そのように直立しているのは
訓練の賜物ではなかったのか
鍵盤を一つ鳴らしばつが悪そうに立ち去った
その歩行も
高らかな産声で自らの生を宣誓し
誰にも教わることなく
呼吸し始めたように簡単にはいかない
今、君の身体は音楽に満ち
穴という穴から溢れ出そうとしている
それらを十本の指からこの世に解き放つ術を
未だ知らない
けれど忘れてはいけない
君よ、そのように直立しているのは
訓練の賜物ではなかったのか
鍵盤を一つ鳴らしばつが悪そうに立ち去った
その歩行も
2005/07/19 (Tue)
たくさんのきみに
気がつけばいつも
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていったものたちを
君は待つ
そして待つことこそが
君の旅路の行程なのだ
時が来れば
君はすべてを受け止めなければならない
しかも無条件で
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていったものたちを
君は待つ
そして待つことこそが
君の旅路の行程なのだ
時が来れば
君はすべてを受け止めなければならない
しかも無条件で
2005/07/19 (Tue)
たくさんのきみに
時として君は守り
時として君は攻める
けれどどんなに敵陣深く切り込んだとしても
君は君以外のものに成ることはできない
時として捕虜となった君は
先程までつかえていた君主に刃をむける
そして参りました、という言葉で
一つの王国があっけなく世界から放棄されるのだ
誰も傷つくこともなく終わったその戦いの意味を
君は問うてはいけない
時として君は攻める
けれどどんなに敵陣深く切り込んだとしても
君は君以外のものに成ることはできない
時として捕虜となった君は
先程までつかえていた君主に刃をむける
そして参りました、という言葉で
一つの王国があっけなく世界から放棄されるのだ
誰も傷つくこともなく終わったその戦いの意味を
君は問うてはいけない
2005/07/17 (Sun)
たくさんのきみに
君のだみ声は大海原のうねり
君のいらっしゃいは忘却の号令
ねじり鉢巻
生の残酷さと尊さを知りながらも
君の口は頑なに語ることを拒み続ける
いま目の前には
かつて自由に泳ぎまわっていたものたちの
死体が無数並べられている
君はその屍を踏み越え
今日も生きていく
君のいらっしゃいは忘却の号令
ねじり鉢巻
生の残酷さと尊さを知りながらも
君の口は頑なに語ることを拒み続ける
いま目の前には
かつて自由に泳ぎまわっていたものたちの
死体が無数並べられている
君はその屍を踏み越え
今日も生きていく
2005/07/16 (Sat)
たくさんのきみに
君の背中にある八番は
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタンドにいる観客たちがそうであるように
君も愛に飢えていることに変わりはない
それでも追いつくことが出来ないまま
君は歓声にかき消され
やがて姿を失っていく
無人のフィールドでは白球だけが転がる
それは決して君の身代わりではないのだ
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタンドにいる観客たちがそうであるように
君も愛に飢えていることに変わりはない
それでも追いつくことが出来ないまま
君は歓声にかき消され
やがて姿を失っていく
無人のフィールドでは白球だけが転がる
それは決して君の身代わりではないのだ