こっそりと詩を書く男の人
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HN:
たもつ
年齢:
44
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2012/01/29 (Sun)
 
 
朝の涼しい職員室で
担任の先生が亡くなっていた
若い女の先生だった
青白い横顔が見えた
海のように
とてもきれいだった
話は変わって
雲には感情がないと思う
感情があったら
空になど浮いてないと思う
翌日の天気も関係ないと思う
話は何も変わってない気がする
  
  
 
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2012/01/27 (Fri)
 
 
群れからはぐれたのだろうか
一頭のキリンが
丸の内のオフィス街を歩いていた
時々街路樹の葉を食べながら
それでもなるべく目立たないように
歩道の端の方を歩いていた
郵便ポストを見つけると
長い首と手足を畳んで
投函口から中に入った
遅くてもクリスマスまでには
故郷の草原に届くことだろう
 
 
 
2012/01/25 (Wed)
 
 
水槽をおよぐ絵本に
住宅街のパンフレット
駐輪場は閉鎖された
ネクタイがまぶしい
夏の最後の午後に

アスファルトは坂道になり
知らない街へと続く
土のことなら、昨日
すべて語りつくしてしまった

真新しい公園のベンチ
お互い年を取ったね、と
年を取った人が
誰かに独り言ちている
 
 
2012/01/24 (Tue)
 
 
浮遊する
言葉の粒子
その隙間に建ち並ぶ
高層の建築物
形づくられた
時間のない怒りは
未整理のまま
風が吹くのを
待ち続けている
空き地に咲く草花を
斥候が手土産に摘む
やがて
撃ち抜かれるまで
  
 
2012/01/23 (Mon)
 
 
窓に眠る
結晶、
その韻律
雪は記憶
線のない記憶
傷ついた草花は
物陰で葉を休め
官吏は雲に刻む
自らの
不完全な名を
  
 
 
2012/01/09 (Mon)
 
 
投げたボールの
破片が鈍く錆びて
木々の梢に優しい
アゲハ、あれは
産卵に来た
そしてもう
帰れないだろう
(だから誰かが鳥になる)
(そっと鳥になる)
タイヤの無いバスが
公道を走る
何となく空は高く
僕は端末の近くで
少し吐きたくなる
 
  
 
2012/01/06 (Fri)

低いベッド 
壊れた水平線を 
修復する 
年老いた水夫 
子どもたちは 
遊びまわる 
紐状のもので 
いたるところで 
フェンスの中に 
迷い込んだ 
夏の蟻が 
出口を探し
一歩ずつ 
干からびていく 
低いベッド 
不定、唯一 
座るところ



2011/12/25 (Sun)
 
 
空の化石を
定規で測る
本棚に
古い指紋
人がいた
人はいた
肩幅の広さに
干されたままの
下着類
飲み物のない
簡単な食事を
フォークで
唇に運ぶ
言葉への失望と
引き換えた
足音
そして
足跡
 
 
2011/12/23 (Fri)
 
 
熱帯植物園の温室に
雪が降り積もる
さっきまで君と話をしていた
多分、話をしていた
メリーゴーランドの馬たちが
干し草を食む
クジラが次のバス停を目指して
暗い海を航行する
さっき、とはいつのことだろう
話したいことは
たくさんあったはずなのに
右手にも左手にも
空白のページしか見つからない
 
 
 
2011/12/22 (Thu)
 
レジの長い列に並ぶ
列は進んでいるのに
なかなか順番は回ってこない
季節はいつしかすっかり秋となり
半袖のTシャツでは
肌寒く感じるようになった
小腹も空いた
トイレにも行きたい
買い物籠の中のものは
水気を失ったり
腐り始めたりしている
周りの人を見ると
みんな少しずつ年を取ってるいるのがわかる
外にはすっきりと澄んだ
秋の空が見える
すべてを捨ててどこかに行きたいな
などと思うけれど
すべて、と呼ぶにはお粗末なものしかない
また少し列が進む
その様子を見て
客席の人が手を叩いて笑う
 


 
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