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こっそりと詩を書く男の人
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HN:
たもつ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2017/12/15 (Fri)
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2005/01/14 (Fri)
定期入れから定期券が消えた
そんな話をかつて書いた
どんな些細なことにも顛末というものがある
発端は結果を生み結果はまた何かの発端となり
僕らの日常は限りなくその繰り返しだ
例えば僕らの誕生の顛末は必ず死であり
それはすべての生命に与えられた平等といえる
死をもってその生命の所有する世界は閉じられるが
依然として他者の世界は閉じられることなく
死によってもたらされるいくつかの成り行きは
他の世界へと引き継がれていく
君と僕とは長い間一緒にいすぎたのかもしれない
長い間というのがどのような基準をもって計られるのか
それは定かではないそれでも
既に君は僕の一部であり僕は君の一部であり
僕らの世界はそのように成り立っている
幾千のセミの声が鳴り響く境内
僕らは思い出や思い出に似たものについて語り合った
誰かによって拾われた定期券は失効していたそうだが
僕はそのことについて何の確認もすることはなかった
やがてすべてのことを話し終えると
手を繋いだ僕らは石段の一つ一つを丁寧に降りて
振り返ることも無く
そのままどこかに行ってしまった
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2005/01/12 (Wed)
料理を注文する君の声が
空気の振動のような透明さで店内に響く
放っておくと月明かりしか入ってきませんから
と、ウェイターがカーテンを閉めていく
中央のテーブルでは座高の高い男が
大声でメニューを朗読している
嘘っぱちめ
ひし形のアブラムシとか鋭利な綿毛とか
実際にメニューにはないものばかりだ
運ばれて来た料理はとろみがかり光っている
とろみのあるものを食べながら
何か他の話をすることが僕らは好きだ
話が佳境に入ると
僕の右足はいつも変な角度でひきつってしまう
こぶらがえりね
こむらがえりだろ
座高の高い男は朗読を終えてマスターと談笑している
やはり嘘っぱちだ
マスターもまたメニューなどには載っていない
裏切り者!
後ろで誰かが叫ぶ
そちらを見た人々は
裏切ったことのある人たちだろうか
それとも裏切られたことのある人たちだろうか
振り返った僕はどちらなのだろう
店を出て死んだ列車に乗って帰る
生きた肉体を持つ僕らが少し透けている

2005/01/12 (Wed)
待ち合わせの時間まで
僕は地下街の書店で時間を潰すことにした
詩集のコーナーで数少ない詩集を二、三冊めくってみたが
どれもこれもピンとこなくて他のコーナーにある書籍も
黙りこくったまま何も僕に語りかけようとはしない
仕方なく三軒先の玩具屋で手品の小道具を千五百円出して買った
スタバの一番奥の席で早速箱を開けてみる
鍵がコインを貫通するそのトリックは実に巧妙にできていて
しかも仕掛けはいたってシンプルだ
一見複雑そうな世の中の仕組み等は所詮この程度なのかもしれない
数回練習するとコツをつかみ待ち合わせの改札口で
後からやって来た君に披露すると君は千五百円なりの驚き方をし
話題はすぐに昼食をどうするかということになった
君にこの手品を見せることはもう二度とないだろうし
他に見せる相手がいるわけでもない
それはそれとして子供の頃
僕の身体には自然と左右のどちらかに傾く癖があって
その度に両腕を水平に広げバランスをとらなけらばならなかった
今でも時々人ごみでそうしてしまう
ふと気づけば君も両腕を水平に広げている
空なんか飛べなくたってかまわない
ただ同じような君がいつも隣にいてくれてよかった
2005/01/04 (Tue)
右耳の穴から垂れ出した
一筋のサンショウウオが
ゆっくりと着地し
長い尾をぞろびかせながら
田のある方へと歩いていく
一方僕といえば
家の前に横たわる幸福な犬の死体を片付け
町内会で配られた門松の絵を飾ったりしている
買いそびれたものを買って
君が帰ってくる
2004/12/24 (Fri)
今日も君にお付き合いして「ドザえもん」というアニメを見た
ひ弱な少年が未来からやってきた溺死体型ロボット
「ドザえもん」の秘密道具を使って
自分より屈強な者や裕福なものに立ち向かい
勝利しもしくは返り討ちにあうというあれだ
その話のほとんどが教訓を含んでいるのだが
必ずと言ってよいほどそれは「因果応報」である
ドザえもんの体があんなに青くかつ膨れ上がっているのは
よほど水温の低い所に長い間放置されていたからに違いない
さてそれではそのアニメの中で一番の悪者は誰かという点においては
時として権力者側のいじめや暴力を看過し
時としてひ弱な主人公をたきつける稀代の悪女シズカである
ということで僕と君の見解は激しく一致している
2004/12/23 (Thu)
物を収集するという行為は
生存競争という過酷な環境に無い者にこそ許される
嗜好性の強さはその個体の死を意味すると言っても過言ではないだろう
生きていくためには他にすべきことが山ほどあるのだから
コレクション、と言っても僕のそれは
ほとんどが父から受け継いだものだ
良いものか悪いものかもわからない
試しにすべて売り払ってみると
幾ばくのお金にはなった
そのお金で僕は詩集を作ろうと思うのだけど
君は詩なんて嫌い
バカタレ!世の中金で買えないものなどないのだ!
僕は高らかに言い放ち
それからしばらく口を利いていただいてない
2004/12/22 (Wed)
君が夕食の支度をしている間
僕は前衛を守る
前の打者が歩かされ
憤怒した僕が強烈なシュートを
右から三つ目に叩き込むと
僅かばかりの利息が加算される
ご飯よお
僕のいなくなったグラウンド
部員たちの何か悲しげな様子が
遠くから見えた
2004/12/22 (Wed)
定期券が消えた
ある日こつ然と定期入れから消えた
懐かしい色の子供たちが
僕の知らない歌を歌いながら
道の一箇所に立っている
煙草を吸う
定期券が消えた
煙草を吸う
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* ILLUSTRATION BY nyao *