プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2006/06/19 (Mon)
昨日のこと
薄く陽光がさしている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので何か話している
話したくないことも話さなければならないし
沈黙もまたやがて覚えるというのに
一生分話してもまだ足りないのだ
僕は隅っこで停留所を作っている
来年の春、バスに乗った
二人の幸せな姿を思い描いている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので何か話している
話したくないことも話さなければならないし
沈黙もまたやがて覚えるというのに
一生分話してもまだ足りないのだ
僕は隅っこで停留所を作っている
来年の春、バスに乗った
二人の幸せな姿を思い描いている
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2006/06/18 (Sun)
昨日のこと
父は歩き続けた
角を曲がったところで左腕を失い
コンビニの前で右腕を失い
市営住宅の駐車場で両足を失った
やがてすべてを失い
最後は昨年まで歯科医院があった空地で
一輪の花になった
雑草のように白く小さく咲いた
花のことを何も知らない父らしかった
角を曲がったところで左腕を失い
コンビニの前で右腕を失い
市営住宅の駐車場で両足を失った
やがてすべてを失い
最後は昨年まで歯科医院があった空地で
一輪の花になった
雑草のように白く小さく咲いた
花のことを何も知らない父らしかった
2006/06/17 (Sat)
昨日のこと
笑っていれば良かった
好きなものに
好きなだけ名前を書いて良かった
右手に持てないものは
左手に持って
それでも持てなければ
空に放して
それから、かえる
透きとおった卵の日のことや
昨日見た鳥のことをわたしに
話して
好きなものに
好きなだけ名前を書いて良かった
右手に持てないものは
左手に持って
それでも持てなければ
空に放して
それから、かえる
透きとおった卵の日のことや
昨日見た鳥のことをわたしに
話して
2006/06/16 (Fri)
昨日のこと
たくさんの人が眠っている
重力に抗うこともできずに
背から腹までのわずかな高さの
影をつくって
僕らの毎日は孤独な戦いだ
星の中心へ向かおうとする力との
今日もまた爆音が響き
崩れていくものがある
落ちそうになる涙をこらえる目
それもまた戦いなのだ
重力に抗うこともできずに
背から腹までのわずかな高さの
影をつくって
僕らの毎日は孤独な戦いだ
星の中心へ向かおうとする力との
今日もまた爆音が響き
崩れていくものがある
落ちそうになる涙をこらえる目
それもまた戦いなのだ
2006/06/15 (Thu)
昨日のこと
うなぎ、きらい
うな、ぎ、きら、い
骨がささるから
ささ、ささ、ささ、
たくさん食べると
たくさん、ささ、
るから
ぬる、ぬる、して、
きら、きら、し、て、
基礎体温計を口にいれたま、ま、
僕の恋人はどこ、
かに行ってしま、った
うな、う、うな
うなじがきれい、だっ、た
あの日から
抜けない、の
のどから体温計が
ささ、
って
うな、ぎ、きら、い
骨がささるから
ささ、ささ、ささ、
たくさん食べると
たくさん、ささ、
るから
ぬる、ぬる、して、
きら、きら、し、て、
基礎体温計を口にいれたま、ま、
僕の恋人はどこ、
かに行ってしま、った
うな、う、うな
うなじがきれい、だっ、た
あの日から
抜けない、の
のどから体温計が
ささ、
って
2006/06/14 (Wed)
昨日のこと
たくさんの固形物が
群立するビルの谷間に
在るものが在るものを
こえようとする瞬間
世界中の言語は黙秘した
こだまする
吐息と靴音
家に忘れた裁縫箱を取りに
少女は走った
群立するビルの谷間に
在るものが在るものを
こえようとする瞬間
世界中の言語は黙秘した
こだまする
吐息と靴音
家に忘れた裁縫箱を取りに
少女は走った
2006/06/13 (Tue)
昨日のこと
犬の耳がわたしを駄目にする
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族に小さな菓子を買った
今日はかけっこで一等になった
娘は得意げに話してくれたが
何メートル走か聞くと
わからない
と首を振った
わたしと桃との境目で
妻は犬に餌をあげている
寒くないか声をかけた
わからない
と首を振った
駄目になったわたしは
大きな桃になって歩く
途中遠回りして
家族に小さな菓子を買った
今日はかけっこで一等になった
娘は得意げに話してくれたが
何メートル走か聞くと
わからない
と首を振った
わたしと桃との境目で
妻は犬に餌をあげている
寒くないか声をかけた
わからない
と首を振った
2006/06/11 (Sun)
昨日のこと
晴れわたっていた
ページをめくるたびに
空はその青みをまして
澄んだ悲しみのように
雲ひとつ見つからない
その向こう側から
誰かが僕の名を呼んでいる
今朝旅立つことは
すでに決めていた気がする
ページをめくるたびに
空はその青みをまして
澄んだ悲しみのように
雲ひとつ見つからない
その向こう側から
誰かが僕の名を呼んでいる
今朝旅立つことは
すでに決めていた気がする