忍者ブログ
こっそりと詩を書く男の人
  プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
  ブログ内検索
  月間アーカイブ

  最新記事
(04/10)
(03/29)
(03/27)
(03/22)
(03/20)
  最新コメント
[09/10 GOKU]
[11/09 つねさん]
[09/20 sechanco]
[06/07 たもつ]
[06/07 宮尾節子]
  最新トラックバック
  投票所
     
クリックで投票
 ↓ ↓ ↓
人気blogランキング
    
  バーコード
  カウンター
[105] [106] [107] [108] [109] [110] [111] [112] [113] [114] [115]
2025/06/19 (Thu)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2005/07/22 (Fri)
君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
君を追いかけて飛び込み
自分自身の奥底に沈んでいくと
やがて安心して眠る
君は明け方の街を歩く
もはや何とも見分けがつかない
PR
2005/07/22 (Fri)
君が握ると
同じ力で握り返してくるものがある
君はその力をさざ波に変え
身体の最果てまでゆっくり送り届けることで
自分の輪郭を形作っていく
君が握っているのは
君自身に他ならない
ざわめく声の中
君の掌は
少しすっぱい匂いがする

2005/07/19 (Tue)
君には訓練が必要だ
高らかな産声で自らの生を宣誓し
誰にも教わることなく
呼吸し始めたように簡単にはいかない
今、君の身体は音楽に満ち
穴という穴から溢れ出そうとしている
それらを十本の指からこの世に解き放つ術を
未だ知らない
けれど忘れてはいけない
君よ、そのように直立しているのは
訓練の賜物ではなかったのか
鍵盤を一つ鳴らしばつが悪そうに立ち去った
その歩行も
2005/07/19 (Tue)
気がつけばいつも
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていったものたちを
君は待つ
そして待つことこそが
君の旅路の行程なのだ
時が来れば
君はすべてを受け止めなければならない
しかも無条件で

2005/07/19 (Tue)
時として君は守り
時として君は攻める
けれどどんなに敵陣深く切り込んだとしても
君は君以外のものに成ることはできない
時として捕虜となった君は
先程までつかえていた君主に刃をむける
そして参りました、という言葉で
一つの王国があっけなく世界から放棄されるのだ
誰も傷つくこともなく終わったその戦いの意味を
君は問うてはいけない

2005/07/17 (Sun)
君のだみ声は大海原のうねり
君のいらっしゃいは忘却の号令
ねじり鉢巻
生の残酷さと尊さを知りながらも
君の口は頑なに語ることを拒み続ける
いま目の前には
かつて自由に泳ぎまわっていたものたちの
死体が無数並べられている
君はその屍を踏み越え
今日も生きていく
2005/07/16 (Sat)
君の背中にある八番は
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタンドにいる観客たちがそうであるように
君も愛に飢えていることに変わりはない
それでも追いつくことが出来ないまま
君は歓声にかき消され
やがて姿を失っていく
無人のフィールドでは白球だけが転がる
それは決して君の身代わりではないのだ
2005/07/15 (Fri)
背中の上を
トロッコがはしる

肩甲骨で二人乗って
お尻のあたりで三人降りて

それっきり

耳を澄ますと
庭でうるさい
海賊船が
ドンパチを始めて

お見込みのとおり
わたしにもかつて
二十三歳の時があった
2005/07/15 (Fri)
おまえが
七夕のように
光る
綺麗
そして
落ちてこない
棚からのぼた餅
さめざめとおまえ
送られるものは
いつも綺麗だ
そして送るものは
いつも救いを求めようとする
ポケットは
探らない方が良いだろう
その穴は
何も与えないのだから
さよならが
ぼやけたまま
数年来の朝焼けのように
嘘をついてる

2005/07/14 (Thu)
腕から生える腕
腕から生え他の腕に潜る腕
すべて腕
てのひらの無い腕
てのひらだらけの腕
今日の天気は腕ときどき腕
ところによりにわか腕
という天気図を指し示す腕
腕そば一丁、腕大盛で
の腕
すべて腕
袖がつまってるね
それはすべて腕だったね
金を勘定する腕
金に勘定される腕
腕から腕へと帰っていく腕
腕を忘れようとする腕
腕に忘れ去られた腕
すべて腕
爆弾を抱きしめる腕
爆弾によって失われた腕を抱きしめる腕
これでも俺も昔は腕だったんだぜ
と言うまだ腕の状態の腕
俺が腕だったら良かったのに
おまえをもっと愛せたのに
おまえに触れようとする
俺の腕
毛むくじゃらで


忍者ブログ [PR]

* ILLUSTRATION BY nyao *