プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
君を追いかけて飛び込み
自分自身の奥底に沈んでいくと
やがて安心して眠る
君は明け方の街を歩く
もはや何とも見分けがつかない
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
君を追いかけて飛び込み
自分自身の奥底に沈んでいくと
やがて安心して眠る
君は明け方の街を歩く
もはや何とも見分けがつかない
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君が握ると
同じ力で握り返してくるものがある
君はその力をさざ波に変え
身体の最果てまでゆっくり送り届けることで
自分の輪郭を形作っていく
君が握っているのは
君自身に他ならない
ざわめく声の中
君の掌は
少しすっぱい匂いがする
同じ力で握り返してくるものがある
君はその力をさざ波に変え
身体の最果てまでゆっくり送り届けることで
自分の輪郭を形作っていく
君が握っているのは
君自身に他ならない
ざわめく声の中
君の掌は
少しすっぱい匂いがする


君には訓練が必要だ
高らかな産声で自らの生を宣誓し
誰にも教わることなく
呼吸し始めたように簡単にはいかない
今、君の身体は音楽に満ち
穴という穴から溢れ出そうとしている
それらを十本の指からこの世に解き放つ術を
未だ知らない
けれど忘れてはいけない
君よ、そのように直立しているのは
訓練の賜物ではなかったのか
鍵盤を一つ鳴らしばつが悪そうに立ち去った
その歩行も
高らかな産声で自らの生を宣誓し
誰にも教わることなく
呼吸し始めたように簡単にはいかない
今、君の身体は音楽に満ち
穴という穴から溢れ出そうとしている
それらを十本の指からこの世に解き放つ術を
未だ知らない
けれど忘れてはいけない
君よ、そのように直立しているのは
訓練の賜物ではなかったのか
鍵盤を一つ鳴らしばつが悪そうに立ち去った
その歩行も


気がつけばいつも
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていったものたちを
君は待つ
そして待つことこそが
君の旅路の行程なのだ
時が来れば
君はすべてを受け止めなければならない
しかも無条件で
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていったものたちを
君は待つ
そして待つことこそが
君の旅路の行程なのだ
時が来れば
君はすべてを受け止めなければならない
しかも無条件で


時として君は守り
時として君は攻める
けれどどんなに敵陣深く切り込んだとしても
君は君以外のものに成ることはできない
時として捕虜となった君は
先程までつかえていた君主に刃をむける
そして参りました、という言葉で
一つの王国があっけなく世界から放棄されるのだ
誰も傷つくこともなく終わったその戦いの意味を
君は問うてはいけない
時として君は攻める
けれどどんなに敵陣深く切り込んだとしても
君は君以外のものに成ることはできない
時として捕虜となった君は
先程までつかえていた君主に刃をむける
そして参りました、という言葉で
一つの王国があっけなく世界から放棄されるのだ
誰も傷つくこともなく終わったその戦いの意味を
君は問うてはいけない


君のだみ声は大海原のうねり
君のいらっしゃいは忘却の号令
ねじり鉢巻
生の残酷さと尊さを知りながらも
君の口は頑なに語ることを拒み続ける
いま目の前には
かつて自由に泳ぎまわっていたものたちの
死体が無数並べられている
君はその屍を踏み越え
今日も生きていく
君のいらっしゃいは忘却の号令
ねじり鉢巻
生の残酷さと尊さを知りながらも
君の口は頑なに語ることを拒み続ける
いま目の前には
かつて自由に泳ぎまわっていたものたちの
死体が無数並べられている
君はその屍を踏み越え
今日も生きていく


君の背中にある八番は
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタンドにいる観客たちがそうであるように
君も愛に飢えていることに変わりはない
それでも追いつくことが出来ないまま
君は歓声にかき消され
やがて姿を失っていく
無人のフィールドでは白球だけが転がる
それは決して君の身代わりではないのだ
誰がつけたというのか
躍動する大腿筋
身体から溢れ出していく汗
すべては君そのものだというのに
ただセンターとだけ呼ばれ
どこまでも白球を追いかけてく
スタンドにいる観客たちがそうであるように
君も愛に飢えていることに変わりはない
それでも追いつくことが出来ないまま
君は歓声にかき消され
やがて姿を失っていく
無人のフィールドでは白球だけが転がる
それは決して君の身代わりではないのだ


背中の上を
トロッコがはしる
肩甲骨で二人乗って
お尻のあたりで三人降りて
それっきり
耳を澄ますと
庭でうるさい
海賊船が
ドンパチを始めて
お見込みのとおり
わたしにもかつて
二十三歳の時があった
トロッコがはしる
肩甲骨で二人乗って
お尻のあたりで三人降りて
それっきり
耳を澄ますと
庭でうるさい
海賊船が
ドンパチを始めて
お見込みのとおり
わたしにもかつて
二十三歳の時があった


おまえが
七夕のように
光る
綺麗
そして
落ちてこない
棚からのぼた餅
さめざめとおまえ
送られるものは
いつも綺麗だ
そして送るものは
いつも救いを求めようとする
ポケットは
探らない方が良いだろう
その穴は
何も与えないのだから
さよならが
ぼやけたまま
数年来の朝焼けのように
嘘をついてる
七夕のように
光る
綺麗
そして
落ちてこない
棚からのぼた餅
さめざめとおまえ
送られるものは
いつも綺麗だ
そして送るものは
いつも救いを求めようとする
ポケットは
探らない方が良いだろう
その穴は
何も与えないのだから
さよならが
ぼやけたまま
数年来の朝焼けのように
嘘をついてる


腕から生える腕
腕から生え他の腕に潜る腕
すべて腕
てのひらの無い腕
てのひらだらけの腕
今日の天気は腕ときどき腕
ところによりにわか腕
という天気図を指し示す腕
腕そば一丁、腕大盛で
の腕
すべて腕
袖がつまってるね
それはすべて腕だったね
金を勘定する腕
金に勘定される腕
腕から腕へと帰っていく腕
腕を忘れようとする腕
腕に忘れ去られた腕
すべて腕
爆弾を抱きしめる腕
爆弾によって失われた腕を抱きしめる腕
これでも俺も昔は腕だったんだぜ
と言うまだ腕の状態の腕
俺が腕だったら良かったのに
おまえをもっと愛せたのに
おまえに触れようとする
俺の腕
毛むくじゃらで
腕から生え他の腕に潜る腕
すべて腕
てのひらの無い腕
てのひらだらけの腕
今日の天気は腕ときどき腕
ところによりにわか腕
という天気図を指し示す腕
腕そば一丁、腕大盛で
の腕
すべて腕
袖がつまってるね
それはすべて腕だったね
金を勘定する腕
金に勘定される腕
腕から腕へと帰っていく腕
腕を忘れようとする腕
腕に忘れ去られた腕
すべて腕
爆弾を抱きしめる腕
爆弾によって失われた腕を抱きしめる腕
これでも俺も昔は腕だったんだぜ
と言うまだ腕の状態の腕
俺が腕だったら良かったのに
おまえをもっと愛せたのに
おまえに触れようとする
俺の腕
毛むくじゃらで