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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2025/06/19 (Thu)
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2005/01/28 (Fri)
今、入門書が熱い!
という情報を聞きつけ
俺は師走の街をかっ飛び
かっとーび
許されるならすべてを散財し
強弱も忘れずに
強も弱も
俺の大切な兄たちたちが教えてくれたよ
引き連れて
強も弱も沢山
ひきつれーって
ブックストアーへ
広大な空間!ブックストアーへ
まっしぐらなのは猫ばかりじゃないぜ
と腕まくり
することも忘れ
でも強も弱も忘れずに
入門書が熱い!
うわあ、うようよいるよ
熱いからうようよいるよ
悔しいときは唇を噛んで血小板を数えるよ
全部兄たちから教わったよ
書棚に並ぶ入門書を次から次へとめくり
めくるめく快感の嵐
メキシコかよ
メキシコ入門かよ
ビバ!メヒコ!
でも俺は知らねえよ
メキシコ語知らねえよ
兄たちも知らねえよ
それでも俺が生きていることを
俺が生きていることのすべてを
ぶつけ
ぶっつーけ
俺は語る
メキシコのメキ
俺は放つ
メキシコのシコ
何度めくっても一頁目しかない入門書をめくり
ごめんなさい、ごめんなさい
とひたすら謝り続ける
優しい目をした兄たちは
あとがきのあたりで
知らんぷり


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2005/01/27 (Thu)
ホッチキスの針よ
俺の兵隊となれ
兵隊となり武器を持て
突撃
そして発射
せよレトロ光線
七十年代のビビビ
人間万事バンジージャンプ
ロープをつけずに
ジャンプした俺の恋人
ばっかみたい
が口癖だった
まつげが長くて
ばっかみたいな話が
好きな人だった
2005/01/26 (Wed)
脳みそが痒いな
朝から痒いな
のこぎりでギリギリと開けて
痒いところを掻きたいな
掻いたら脳みそぐちゃぐちゃになっちゃうかな
ぐちゃぐちゃになった脳みそは味噌汁になるのかな
具は何にしようかな
痒いところは前頭葉かな
図鑑がないからわからないな
図鑑はとっくに捨ててしまったな
本屋にでも行こうかな
近所の本屋はつぶれてしまったな
つぶれた後は空地になったな
空地には綺麗な花が咲いていたな
花の名前は知らなかったな
図鑑がないからわからないな
図鑑はとっくに捨ててしまったな
捨てられた図鑑はどこに行くのかな
図鑑捨て場に行くのかな
それより脳みそが痒いな
痒という字はやまいだれに羊と書くのだな
病気の羊はかわいそうだな
かわいそうな羊は売られていくのだろうな
ドナドナ
それは仔牛だったかな
図鑑がないからわからないな
図鑑はとっくに捨ててしまったな
何故捨ててしまったのかな
綺麗だったな
いろいろな色があったな
形もいろいろあったな
たくさんの耳や爪や花弁とか
いろいろな部位があったな
知りたいことが山ほどあったのにな
知りたくないことはもっとあったかもしれないな
今となってはわからないな
図鑑がないからわからないな
脳みそが痒くなかったからかもしれないな
もうとっくに捨ててわからないな

2005/01/26 (Wed)
いつからだろうマフラーがすっかり
魚だ
巻くと冷たい鱗がささり
しかも時々鋭い歯でかみつく
工場からの帰り
俺の手は油と煤だらけだが
首のあたりからは
腐った泥の臭いしかしない
明かりの無い夜道で
名前の一部のようなものを落とした
はたしてそれは大切なものであったか
カタログ雑誌を眺めても
買えないものばかり並んでいて
いつも困る
2005/01/24 (Mon)
道路の端っこに弟が寝ていた
こんなに寒いのに
と思いながらも弟らしい寝姿に
つい笑ってしまった
半身を起こし後ろから両脇を抱え
ズルズル引きずる
小さい頃はよくおぶったものだ
気づかないうちに随分重たくなった
そういえばさっきは久しぶりに弟の靴底を見た気がする
わが国の繊維業界は冬の時代をむかえています
と今朝ニュースでやっていたが
とりあえず俺にも弟にも関係なさそうで良かった
大通りに出ると
市街地の中心部にむかって既に渋滞が始まっている
信号のボタンを押し
横断歩道をズルズル渡る
2005/01/22 (Sat)
僕のエレベーターが機能しないのですが
機能というからには昨日からなのですが
頭の毛が抜け始めたのはもっと前からなんですが
床にだらしなく広がる乳液
それは僕の止まらないサーカス
細胞を一つなくしました
とても小さな細胞でした
かつてそのゴルジ体に腰かけ
恋を語らいもしたのですが
ここが最前線かよお
最前線なのかよお
しっ!皆様お静かに!
確かにそうでした

2005/01/22 (Sat)
てのひらにドアを取り付けた
白くてとても素敵なドアなので
一度遊びに来てください
と、旧い知り合い数人に手紙を出した
一通が宛先不明で戻り
それより早く金を返せ、という返事が来た以外は
いつまでたっても誰も来ない
壊れた蝶番を直し
ペンキも二回塗り替えた
ドアの向こうが何であるのか
覚えてはいるけど忘れている時の方が
きっと多い
もうみんな生きてないのかもしれない

2005/01/19 (Wed)
心臓は崖へとつながっている
推定二百メートル
くらいでしょうか
そこから下を覗きこむのも可ですが
寧ろ僕は
ヤッホー
の魅力にとりつかれいつまでも
ヤッホー
ヤッホー
と繰り返すのです
僕が僕の中で転落するとき
音がします
いつも決まって同じ音です

2005/01/18 (Tue)
僕の口から悲しみが語られると
その唇の端から
巨大な戦艦がゆっくりと進みだす
奏でよ!軍艦マーチ!
それは「エリーゼのために」だ!
数日後街は廃墟となり
道路のようなところに残された卵を
僕は一つ茹でて食べた
2005/01/18 (Tue)
通勤カバンの中身が
巨大なネコの昼寝だらけ
暴発、し、俺!走り!抜ける!
山形屋とトヨタの間の路地を
あらぬ方へよからぬ方へ
俺の影を位牌にしてくれ
俺の位牌をKIOSKで売ってくれ
ひとつたりとも残さず売ってくれ
「嫌です」
俺の悲しみなど知ったことか
と投げつけたのは
それはそれはカラフルな静物
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* ILLUSTRATION BY nyao *