プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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定価は三百円
消費税をあわせれば三百十五円
それはそれとして
僕らは花見に行く
花を見に行く
定価三百円のものを持っていく
午後の春は放っておくと
鉄の酸化する音ばかり聞こえる
だから君は
そんなに泣いてはいけない


ねえ、どうしたの、
食べてよ
好きだったでしょう
魚雷ライスよ、魚雷ライス
魚雷ライス
ねえ、魚雷ライスよ
魚雷ライス
魚雷ライスよ
食べてよ、魚雷ライス
好きだったでしょう
魚雷ライスよ
魚雷を避けないで
魚雷ライスなんだから
魚雷ライスよ
魚雷もいっしょに
ねえ、魚雷もいっしょよ
好きだったでしょう
初めてのデートで
美味しかったわ、魚雷ライス
そう、あのこ洒落たお店
魚雷ライスよ
魚雷ライス
ねえ、魚雷ライス
隣の橋本さんにもお裾分けしようかしら
だって魚雷ライスですもの
魚雷ライスですものね
魚雷ライスよ
あなたも大好きな
魚雷ライスよ
僕は君の白くて細い指ばかり見ていた


つるがとべない
つるがとべないつるが
つつつつつるが
がるつるが
とべないがつると
ととべない
とべとべつる
がつる
るるる
るるるるとべない
つるがとべない
どんなに言葉を重ねても
空を見失って


ちぢんでいく
ちぢんでいくよ
君もそして僕も
まるで雨上がりのアスファルトにある
まだ見たことの無い物質のように
すべてのものは急ぎの用で満たされ
沈黙の波紋に追いついていく
どんなに微細な粒子になっても
つないだ手を離しはしないと
すでに決めていた


やったあ!やったあ!
風呂だ!風呂だ!
やったあ!風呂だ!
風呂だ!やったあ!
ふろふろふろふろふろふろふろふろふ
こすれ!こすれ!こすれ!
こおおおすうううれえええ
あかあかあかあかあ・か・だ・ぜ
だし!だし!だし!
俺のだし
だしの俺
みからでただし
でたらみな俺!おれ!おれ!おれ!
違う、それはギョーザだ!
違う、それはチャーシューだ!
違う、それはザーサイだ!
すまん、メンマよ!ナルトよ!納豆よ!
飲む飲む飲む飲む!飲む!
来い!おおなみ!
さわげ!こなみ!
お湯!
風呂だ!風呂だ!
やったあ!風呂だ!
風呂だ!やったあ!
ふろふろふろふろふろふろふろふろふ
こすれ!こすれ!こすれ!
こおおおすうううれえええ
あかあかあかあかあ・か・だ・ぜ
だし!だし!だし!
俺のだし
だしの俺
みからでただし
でたらみな俺!おれ!おれ!おれ!
違う、それはギョーザだ!
違う、それはチャーシューだ!
違う、それはザーサイだ!
すまん、メンマよ!ナルトよ!納豆よ!
飲む飲む飲む飲む!飲む!
来い!おおなみ!
さわげ!こなみ!
お湯!


ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの
憧れていたんだ、ワイパーのある生活に
誰かが忘れていった骨みたいのが
カッチッカッチって
勤勉に規則正しく動くだろう
滑稽だよ、素敵だよ
でも勘違いしちゃいけない
憧れていたのはワイパーのある生活で
ワイパーそのものじゃないんだから
たしかにワイパーをつけたところで
雨を防ぐことはできやしない
眼鏡だって雨にさらされるから
景色はすぐに滲んでしまう
交差点
信号が赤から青になって
色とりどりに傘の波が動き出して
ぼやけた輪郭はつながって
自分だけ秒単位で遮断される
それでも時々、雲ひとつない夜空を見上げていると
ワイパーがプロペラみたいにブルンブルン回転し始めて
あの星とあの星の間を飛んでいけるんじゃないかって
スイッチをいれてみたりするんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの
憧れていたんだ、ワイパーのある生活に
誰かが忘れていった骨みたいのが
カッチッカッチって
勤勉に規則正しく動くだろう
滑稽だよ、素敵だよ
でも勘違いしちゃいけない
憧れていたのはワイパーのある生活で
ワイパーそのものじゃないんだから
たしかにワイパーをつけたところで
雨を防ぐことはできやしない
眼鏡だって雨にさらされるから
景色はすぐに滲んでしまう
交差点
信号が赤から青になって
色とりどりに傘の波が動き出して
ぼやけた輪郭はつながって
自分だけ秒単位で遮断される
それでも時々、雲ひとつない夜空を見上げていると
ワイパーがプロペラみたいにブルンブルン回転し始めて
あの星とあの星の間を飛んでいけるんじゃないかって
スイッチをいれてみたりするんだよ


とある八月、庭にアリクイが迷い込んだ
首輪をしていないところをみると
たぶん、野良アリクイだったのだろう
アリクイは庭で蟻を食べ続けた
長い口先から長い舌を蟻の巣めがけて伸ばし
舌に小石や砂がついても気にすること無く
アリクイはただ蟻を食べ続けた
やがて夏も終わり
蟻が庭からいなくなると
食べるものがなくなったアリクイは
片隅の陶器の置物の側に丸くうずくまり
その定位置から動くことはなかった
時々、長い口先でくしゃみのような
あくびのような
あるいはため息のような
音をたてるくらいで
冬のある朝
アリクイは庭から姿を消した
帰るべき所に帰ったのか
帰るべきではない所に帰ったのか
いつもうずくまっていた片隅の陶器の置物の側には
くぼみが出来ていたけれど
春になりまた次の夏がくると
あやふやになって
くぼみだか何だかわからなくなった


こんな感じかな
左のてのひらにコースを描いてみる
この親指のつけねあたりがオー・ルージュね
君が人差し指でそれをなぞる
僕たちは今までに何度も
行ったことの無い場所をてのひらに描いた
時にそれは
巨大な砂丘だったり
人々の靴音が響くダウンタウンだったり
あるいは、でたらめな迷路だったり
そして僕たちを旅人と呼ぶには
いつも荷物が多すぎるのだ
左のてのひらにコースを描いてみる
この親指のつけねあたりがオー・ルージュね
君が人差し指でそれをなぞる
僕たちは今までに何度も
行ったことの無い場所をてのひらに描いた
時にそれは
巨大な砂丘だったり
人々の靴音が響くダウンタウンだったり
あるいは、でたらめな迷路だったり
そして僕たちを旅人と呼ぶには
いつも荷物が多すぎるのだ