プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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カウンター


窓の外に桜が咲く頃
また会いに来ますという約束も
果たせぬまま
あなたは煙になりました
季節の移ろいとともに
桜は散るというのに
あの日の約束は散ることもせず
僕は嘘つきとして
生きています
また会いに来ますという約束も
果たせぬまま
あなたは煙になりました
季節の移ろいとともに
桜は散るというのに
あの日の約束は散ることもせず
僕は嘘つきとして
生きています
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「ふ」を付けただけで
不幸せになるのなら
最初から幸せなんていらない
「む」を付けただけで
秩序を失ってしまうような世界は
多分まぼろし
「み」を付けただけで
来るのだろうか
未来は
僕の中に広がっている荒野
「こ」が「ぼ」になったら
冬の波止場で
抱きしめてあげる
不幸せになるのなら
最初から幸せなんていらない
「む」を付けただけで
秩序を失ってしまうような世界は
多分まぼろし
「み」を付けただけで
来るのだろうか
未来は
僕の中に広がっている荒野
「こ」が「ぼ」になったら
冬の波止場で
抱きしめてあげる


通勤電車の吊革につかまりながら
毎日午前3時に起床し
競馬の予想をしている
父のことを思う
書類を書く手をふと止めて
バイクで転倒し
右腕を骨折した
母のことを思う
遅い昼飯をとりながら
製薬会社の研究室で
しかめっ面をしている兄と
34で初めて身篭った
兄嫁のことを思う
故郷を思う時に浮かぶのはいつも
雨上がりの
濡れたアスファルト
毎日午前3時に起床し
競馬の予想をしている
父のことを思う
書類を書く手をふと止めて
バイクで転倒し
右腕を骨折した
母のことを思う
遅い昼飯をとりながら
製薬会社の研究室で
しかめっ面をしている兄と
34で初めて身篭った
兄嫁のことを思う
故郷を思う時に浮かぶのはいつも
雨上がりの
濡れたアスファルト


長い階段を降りて
一番深いところにある
3番線のプラットホームに立って
今日も僕は
列車に乗ることをしなかった
さっきの列車が
アメリカ行きだったら乗っていたのに
乗っていたのになあ
一番深いところにある
3番線のプラットホームに立って
今日も僕は
列車に乗ることをしなかった
さっきの列車が
アメリカ行きだったら乗っていたのに
乗っていたのになあ


矛盾した水槽の住人は
矛盾した椅子に腰掛け
矛盾したテーブルにクロスをかけ
矛盾したグラスで
矛盾したワインを飲む
矛盾した水槽の住人は
毎日が矛盾しているから
その矛盾した世界の中で
何が矛盾しているのかわからない
矛盾した水槽の外では
雪が降る
雪が降る
雪が雪として降る
こんなに雪の降る夜は
僕は矛盾した水槽の住人に
この白さを見せてあげたい
見せてあげたいのさ
あっ
あっ
あー
水槽に水を入れないで
入れないでください
魚がみんな溺れてしまいます
矛盾した椅子に腰掛け
矛盾したテーブルにクロスをかけ
矛盾したグラスで
矛盾したワインを飲む
矛盾した水槽の住人は
毎日が矛盾しているから
その矛盾した世界の中で
何が矛盾しているのかわからない
矛盾した水槽の外では
雪が降る
雪が降る
雪が雪として降る
こんなに雪の降る夜は
僕は矛盾した水槽の住人に
この白さを見せてあげたい
見せてあげたいのさ
あっ
あっ
あー
水槽に水を入れないで
入れないでください
魚がみんな溺れてしまいます


「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し
「そら」
と書けば
どこもでも青く
「もり」
と書けば
木々が香り
「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり
「まち」
と書けば
ああ、いろんな人が歩いているね
「いえ」
と書けば
小さなあかりが灯り
家族の笑い声がし
「かなしい」
と書けば
涙が止まらず
「あい」
と書けば
君がいつも側にいる
そんな魔法の「 」があったなら
僕はもう
詩なんて書かなくてすむのに
※
「 」は言葉を入れるところです
お風呂と間違えて裸で入ろうとしないでください
ゴミを捨てようとしないでください
カレーを作ろうとしないでください、鍋ではありませんよ
穴は決して空けないでくださいね
言葉が全部流れ出してしまいますから
※
ある日、泥棒がこっそりお金持ちの金庫から
「 」を盗み出しました
どんな財宝が入っているのか
わくわくしながら覗いたのですが
中に入っていたのは
「○▲*◎◇」
腰を抜かして動けないところを
警察に捕まっちゃったそうです
ちゃんちゃら可笑しいや
※
「よる」
が来て
空には大きな
「つき」
と煌く
「ほし」
あなたはどんな夢が見たいですか
「 」に入れてみましょう
僕は
「かいぞくせんにすみつくねずみになりたい」
と書けば
白い波が寄せて返し
「そら」
と書けば
どこもでも青く
「もり」
と書けば
木々が香り
「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり
「まち」
と書けば
ああ、いろんな人が歩いているね
「いえ」
と書けば
小さなあかりが灯り
家族の笑い声がし
「かなしい」
と書けば
涙が止まらず
「あい」
と書けば
君がいつも側にいる
そんな魔法の「 」があったなら
僕はもう
詩なんて書かなくてすむのに
※
「 」は言葉を入れるところです
お風呂と間違えて裸で入ろうとしないでください
ゴミを捨てようとしないでください
カレーを作ろうとしないでください、鍋ではありませんよ
穴は決して空けないでくださいね
言葉が全部流れ出してしまいますから
※
ある日、泥棒がこっそりお金持ちの金庫から
「 」を盗み出しました
どんな財宝が入っているのか
わくわくしながら覗いたのですが
中に入っていたのは
「○▲*◎◇」
腰を抜かして動けないところを
警察に捕まっちゃったそうです
ちゃんちゃら可笑しいや
※
「よる」
が来て
空には大きな
「つき」
と煌く
「ほし」
あなたはどんな夢が見たいですか
「 」に入れてみましょう
僕は
「かいぞくせんにすみつくねずみになりたい」


ビールを初めて飲んだのは
12の夏のことでした
親父と行ったナイターで
初めてビールを飲んだのです
さてさて、9回裏ツーアウト走者2、3塁
当たっている3番打者を敬遠だ
迎えるは最近不審気味の4番打者
僕が食べてたせんべいを
ひょいと取り上げバリバリと
代わりにビールをこの僕に
飲めと渡してくれたのです
さあ、プライドを傷つけられたバッターは
キッと投手を睨み付けます
押さえの切り札はマウンド上で仁王立ち
どうしていいのかわからずに
しばらく黙っていたけれど
親父が飲めと言ったので
ちょぴっと舐めてみたのです
おっと、ボール
9回裏ツーアウト満塁
ツーストライク スリーボール
いよいよゲームも大詰めです
初めて舐めたその味は
とっても苦いものでした
苦い苦いという僕に
親父は笑って言いました
「それが大人の味だ」
ピッチャー投げました
おおっと、これは
そして湧き上がる歓声とため息
あれから何年たっただろう
大人の苦さも少しはわかり
今日も生きてはいくけれど
ビールを飲むと思い出す
12の夏のあの夜を
今年の夏は休みをとって
もう一度行こうかナイターに
親父と二人で
ビールを飲みながら
12の夏のことでした
親父と行ったナイターで
初めてビールを飲んだのです
さてさて、9回裏ツーアウト走者2、3塁
当たっている3番打者を敬遠だ
迎えるは最近不審気味の4番打者
僕が食べてたせんべいを
ひょいと取り上げバリバリと
代わりにビールをこの僕に
飲めと渡してくれたのです
さあ、プライドを傷つけられたバッターは
キッと投手を睨み付けます
押さえの切り札はマウンド上で仁王立ち
どうしていいのかわからずに
しばらく黙っていたけれど
親父が飲めと言ったので
ちょぴっと舐めてみたのです
おっと、ボール
9回裏ツーアウト満塁
ツーストライク スリーボール
いよいよゲームも大詰めです
初めて舐めたその味は
とっても苦いものでした
苦い苦いという僕に
親父は笑って言いました
「それが大人の味だ」
ピッチャー投げました
おおっと、これは
そして湧き上がる歓声とため息
あれから何年たっただろう
大人の苦さも少しはわかり
今日も生きてはいくけれど
ビールを飲むと思い出す
12の夏のあの夜を
今年の夏は休みをとって
もう一度行こうかナイターに
親父と二人で
ビールを飲みながら


カウンターに腰掛けて
窓から差す夕日を
白いカップの中で転がしながら
紅茶を入れるのが得意な君は
僕の知らない紅茶の名前をつらつらと並べて
さあ、どれにする、なんて
そうだねダージリンがいいね
僕はいつもの一つ覚え
そうだわセイロンにしましょう
二人の他愛もない会話
白いカップのなかの夕日は
徐々に夜の色をまとい
ねえ、紅茶ができるまで少し寝かせてよ
そしてカウンターにうつぶせて
白いカップの中で
いつも後悔を転がす
君もおいしい紅茶も
失ってしまったんだ、と
窓から差す夕日を
白いカップの中で転がしながら
紅茶を入れるのが得意な君は
僕の知らない紅茶の名前をつらつらと並べて
さあ、どれにする、なんて
そうだねダージリンがいいね
僕はいつもの一つ覚え
そうだわセイロンにしましょう
二人の他愛もない会話
白いカップのなかの夕日は
徐々に夜の色をまとい
ねえ、紅茶ができるまで少し寝かせてよ
そしてカウンターにうつぶせて
白いカップの中で
いつも後悔を転がす
君もおいしい紅茶も
失ってしまったんだ、と