プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2010/10/05 (Tue)
詩
イヤホンの中に空が広がっている
入道雲にふと船が座礁した
そのような音が聞こえる
深夜、そして、私
途方にくれる船長のポケットの中から出てくる
いつの間にかなくしてしまった私のミニカー
記憶と同じところの塗装が剥げている
今まで大事にしていてくれてありがとう
隣の方は台所が果てしなく延々と続き
どこまにも終りや食材がない
代わりにサッカーボールが転がっている
ボールは蹴られたそうな雰囲気だけれど
蹴ることはできない
イヤホンが短すぎて
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2010/10/04 (Mon)
詩
椅子だけが敷き詰められた
簡素な地下鉄の空間を
カラスアゲハが飛ぶ
必然にも良く似たその羽で
運転席のピッチャーは
キャッチャーのサインに首を振り続ける
投げられないのだ
とっくに肩を壊してしまったから
網棚の上に古びた日記帳のようなもの
最初のページの一行目に記された
唯一の文字 - 空腹
地下鉄の薄暗がりで爪を切る
いつしか爪以外のところを切っている
間もなく都心に到着するらしい
2010/10/02 (Sat)
詩
髪に触れる、鮫
独白の跡
カレンダー通りに呼吸する
日々に疎いものだから
冷たい泡と泡の間に
ぼんやりとアスファルトの道路
小便の臭い
蚊のような肩幅
バス停に揃えて置かれた靴
裸足で乗った人の
身体は今頃どのあたりだろう
車椅子を押して歩く
あんなに嫌っていたのに
二人とも年をとった
2010/10/01 (Fri)
詩
バッタの匂い、そして夕暮れ
船籍を持たない貨物船が
狭小な港に停泊している
たくさんの名前を積んで
名前に奪われた名前がある
名前を奪った名前がある
誰も知らないところでひっそりと
捨てられ、生まれてくる名前がある
区別するための記号でしかないのに
意味や願いなどがある
それはとても恥ずかしくて、尊い
私が私の名前を呼ぶ
私が坂道を駆け下りていく
私ひとりを置いてけぼりにして
2010/09/30 (Thu)
詩
昨晩、言葉をひとつ忘れ
人との会話がおぼつかない
壊れてしまった
ジュークボックスのように
直射日光に溶けていく日傘や
くもの巣にかかった小さなプロペラ機
そんな類の話を
うまく伝えることができない
明方ふと目を覚まし
時々自分の両手を見る
その曖昧な形
やがて言葉が戻ってくる
押し出されて
私の部品がひとつ転がり落ちる
2010/09/29 (Wed)
詩
パンを一口かじる
柔らかくて美味しいので
生きた心地がしない
少年が救急車の真似をして
変電所の方へと走っていく
その距離と速度の先に
助けなければならない人がいるのだ
救急車に乗らなくても
人を助けることができる
そしてどんな手段を使っても
助けられない人がいる
いつか私も知ってしまった
パンの歯形がこのまま化石になっても
それは私の生きた証とは程遠い
うっかり足を滑らせて
パンの中へと落ちていく
2010/09/28 (Tue)
詩
土手に生い茂る草と草の間に
誰かの忘れて行った眼が
うずもれている
眼が見てきたものの記憶は
その中には残っていない
ただ、かつて前にいる人の涙を見て
自分も涙を流した気がする
もちろん、気がする、ということ自体
あり得ない、何かの勘違いなのだけれど
知らない、ということの悲しみと幸せとが
夜とともに街に人に降り積もる
草と草の間から星が見える
眼はそんな気がする
自分には感情すらあるのではないか、と思う
思う、なんてあり得ないのに
明日の朝になればこの大地のどこかから
新しい芽が出てくるだろう
街も人も知らない
どうでも良いことのように
2010/09/27 (Mon)
ファザー・グース
かみひこうき とんだ
ゾウをのせて とんだ
キリンのくびに ひっかかり
かきひこうき おっこちた
ゾウはキリンの つののうえ
ノッポのしいくいんも とどきやしない
+
おいしゃさん おいしゃさん どこいくの
かんごふさん かんごふさん どこいくの
これからふたりはデートだよ
からだのなかの ないぞうも
いっしょにたのしくデートだよ
+
ねむれないヒツジが
ヒツジのかずをかぞえてる
いっぴき、にひき、さんびき、よんひき
ひゃっぴき、せんびき、ごせんびき
どんどん どんどん ふえていく
でも めをあければ
いつものように ひとりぽっち
+
ぼくはむかし しょうじょだったのさ
おちんちんは あとからはえてきたのさ
それじゃあ さいしょは どうだったかって?
しょうじょをまもる へいたいが
がんじょうそうに たっていたのさ
+
さかなが さばくをおよぐ
さかなの さかなの だいぼうけん
あっついすなに みをこがし
しんぷさまの おいのり ききながら
たったひとつぶの すなになるまで
2010/09/26 (Sun)
詩
母は毎日サンドイッチに
海をはさんで食べていました
そうすればいつか船に乗って
父が帰ってくると信じているのです
花言葉は覚えていても
花の名前は忘れてしまう
そんな母でした
父はベッドという船に乗って
天井を見ながら
ここは俺の家ではない、と
今日も頑なに言い張ります
海の男でした
立派な船乗りでした
2010/09/25 (Sat)
詩
冷たくなった朝が
空から落ちてくる
何か理解できないものが
パジャマを着て街路を走り続ける
軒下で洗濯物が干からびている
風景になることも出来ずに
右手で覚えている痛みと
左手で覚えている痛みとが
異なるので
時々消えたくなるけれど
困るね、あなたの
ふくらはぎが大好きだからさ
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