プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2008/06/12 (Thu)
詩
指でなぞる
水の裏側
剥がれていく
記憶のような
古い駅舎
影踏み遊びをしながら
呼吸の合間に
母とひとつずつ
嘘をついた
砂漠に父は
キョウチクトウを
植栽し続け
一面きれいになると
アパートの二階から
落ちていった
あれは瞬き
裏側はどこまでも
瞼のまま
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2008/06/07 (Sat)
詩
停留所の影
鳴くヒグラシ
模写の中で
+
石の階段
落下していく
ランドセルへと
+
夏時間の早朝
別に区分される
地下茎と言葉と
+
鳥の死は
抜粋されたまま
仕様書から
+
藻場に集まる粒子
告白の長い
期間が始まる
+
耳の種類を
書き足してしまう
多弁すぎて
+
穴を掘る子ら
背中に残る
鉱物の痕
+
植物は深夜
あなたの名前を
うまくごまかす
+
誰もいない屋上で
フェンスをゆらす
しあわせは形
+
悲しみ続ける
わたしたちがまだ
ものであるかぎり
2008/06/04 (Wed)
短い詩
窓を見ていました
身体のどことも違うガラスの質感でしたが
手などの白いあとはかすかな
生きていたものたちでした
あの窓の向こう側に
はたして外はあったのでしょうか
ただ立ちつくすだけだった
わたしのように
2008/06/03 (Tue)
詩
台所で人形を洗っていると
まだ生きた人しか洗ったことがないのに
自分の死体を洗っている気がして
かわいそうな感じがしました
列車が到着したので
あまり混んではいなかったけれど
代わりに習ったばかりの
笹舟を浮かべておきました
すでにお義父さんは乗っていて
オルガンの前に座ってました
どうやって音を出すのかわからない
と悲しげな顔をしながら
鍵盤に触っているところでした
あの子をよろしく頼む
お義父さんは言うけれど
どの子があの子なのかわからないから
もしかしたらわたしの
本当のお父さんだったのかもしれません
どこか洗い難いところはあるか聞くので
脇の下
そう答えると
お義父さんは優しい手つきで
人形の腕をもいでくれました
2008/06/01 (Sun)
お知らせ
6月14日(土)立川市で
詩人・和合亮一さん
歌人・穂村弘さん
の対談が行われます。
興味のある方は是非。
(せっかく誘っていただきましたが、遠すぎて僕は行けそうにありません)
詳細はここをクリック
詩人・和合亮一さん
歌人・穂村弘さん
の対談が行われます。
興味のある方は是非。
(せっかく誘っていただきましたが、遠すぎて僕は行けそうにありません)
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2008/05/31 (Sat)
詩
言葉と
拙い花瓶の
間に
めり込んでいる
弾丸
ある日ふと、音もなく
内戦が始まった日
わたしは回転扉の外で
小指に満たない大きさの
硬い虫をいじっていた
失望し
憤怒し
持っていないからと
人を嘲り
人に嘲られ
それでもわたしは
ただひたすらに
薄っぺらな
祈りの姿勢をしていただろう
2008/05/25 (Sun)
詩
ベランダの浮輪に
バッタがつかまってる
夏、海水浴に
行きそびれて
書記官は窓を開ける
木々の梢の近く
監査請求書が何かの水分で
少し湿っている
白墨の匂いを残して
物理の授業中に
少女は遠くへ出かけた
校則が眠たいのは
すべてが言葉だから
間違えてあさっての新聞を
配達した青年が自転車を止めて
荷台の紐を直している
草野原の
平和な戦場で
2008/05/23 (Fri)
詩
遺影のある家に行くと
線香の良い匂いがして
羊羹を一口食べた
奥さんがずっと昔からのように
右手で左手を触っている
側では子どもたちがわたしの名前を知っているので
窓から外を見ると
表面の固い道路や他のものなどが
薄っすらとしていた
それらは懐かしい、というよりも
何か買ってあげたい気持ちに近いから
放っておけば溶けてなくなりそうな気がする
名前を覚えている人は必ずいつか死んでしまうし
覚えてない人も今頃はどこかで
生きてないかもしれない
奥さんが食べ残した羊羹を包んでくれている
また手を合わせて
降り始めた、多分あのにわか雨を
わたしは通って行くのだろう
2008/05/23 (Fri)
詩
男は椅子に座っている
頭の上には青空が広がっている
けれど屋根に支えられて
男は空に押しつぶされることはない
屋根は壁に支えられ、壁は男の
視線によって支えられている
目を瞑る、それはふさわしかったか
次々と崩れていく音が聞こえ
瞼は沈黙の
悲鳴をあげる
2008/05/23 (Fri)
詩
夏至、直射する日光の中
未熟な暴力によって踏み潰された草花と
心音だけのその小さな弔い
駐屯していた一個連隊は
原種農場を右に見て南へ進み始める
わたしは網膜に委任状を殴り書きする
そして不在の
瞼になる
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