プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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僕と同じ温度を保って
こぎ続けられた自転車が
雨を避けておさまってる
一匹の虫がサドルから落ちた
葉っぱしか食べられない虫
それ以外に見当がつかない
貼紙に書かれた
「駐輪場使用に当たっての注意事項」より
僕はきっと速く走ることができるはずだ
自転車なんか使わなくたって
冷蔵庫を買いに行った君が
そろそろ帰ってくる
迎えに来なくてもよい、というので
行かずに待ってる
こぎ続けられた自転車が
雨を避けておさまってる
一匹の虫がサドルから落ちた
葉っぱしか食べられない虫
それ以外に見当がつかない
貼紙に書かれた
「駐輪場使用に当たっての注意事項」より
僕はきっと速く走ることができるはずだ
自転車なんか使わなくたって
冷蔵庫を買いに行った君が
そろそろ帰ってくる
迎えに来なくてもよい、というので
行かずに待ってる
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一晩中齧り続けていたんだろう
プラスチックの値札にたくさんつけられた
君の歯型
僕は茹でたカニをリュックにつめながら
君に謝る言葉を考えてる
遠く列の先では
レジ係の人が自分の仕事に忙しい
煩雑な手続きが多すぎて
「切ない」までたどりつけない
プラスチックの値札にたくさんつけられた
君の歯型
僕は茹でたカニをリュックにつめながら
君に謝る言葉を考えてる
遠く列の先では
レジ係の人が自分の仕事に忙しい
煩雑な手続きが多すぎて
「切ない」までたどりつけない


改札口の向こうで
ピアノに蟻が集っている
きっと甘いんだろう
ハモニカを忘れてきた駅員が
時刻表に小さな落書をする
間もなく秋が来るのに
量が足りてないのだ
まだ君と僕とが出会う前の話
もしかしたらこれからも
出会わないかもしれない
ピアノに蟻が集っている
きっと甘いんだろう
ハモニカを忘れてきた駅員が
時刻表に小さな落書をする
間もなく秋が来るのに
量が足りてないのだ
まだ君と僕とが出会う前の話
もしかしたらこれからも
出会わないかもしれない


コンビニのレジから
僕らのタクシーがあふれ出すから
春はまた息苦しい
行き先も告げずに乗ると
君の家を通過して
犬小屋の屋根を壊してしまう
料金を体温で支払う
少しのおつりが返ってくる
手をつないだだけで伝わるなら
僕らは生まれてくる必要などなかった
僕らのタクシーがあふれ出すから
春はまた息苦しい
行き先も告げずに乗ると
君の家を通過して
犬小屋の屋根を壊してしまう
料金を体温で支払う
少しのおつりが返ってくる
手をつないだだけで伝わるなら
僕らは生まれてくる必要などなかった


弟がつり革になって
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だった
窓からは海に沿って工業地帯が見える
いい生徒さんでした
隣にいる担任の先生が教えてくれた
僕は何も教えたくはなかった
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だった
窓からは海に沿って工業地帯が見える
いい生徒さんでした
隣にいる担任の先生が教えてくれた
僕は何も教えたくはなかった


校庭で担任の先生が
カマボコを食べ続けている
僕らのささやかな幸せを願っている
その向こうの少し遠いところには生家があって
大きな窓から僕の可哀想なお父さんが
目を瞑っているのが見える
電気カミソリの音がうるさい
と言ったきりあまり動かなくなった
お母さんはスリッパの修理に没頭しすぎて
飛び出すのが遅くなってしまう
僕らはすべての持ち物に忘れそうな名前を書き
その間、誰の幸せも願わなくてよいので嬉しい
バナナはおやつですか
そんな人に優しい質問だけが
あたり一面の風となって
また一切れのカマボコになる
ハムスター死んじゃったね
埋めて行こうね
遠足が始まれば
こんな遠くまで来るんじゃなかったと
きっと誰か言うんだろう
カマボコを食べ続けている
僕らのささやかな幸せを願っている
その向こうの少し遠いところには生家があって
大きな窓から僕の可哀想なお父さんが
目を瞑っているのが見える
電気カミソリの音がうるさい
と言ったきりあまり動かなくなった
お母さんはスリッパの修理に没頭しすぎて
飛び出すのが遅くなってしまう
僕らはすべての持ち物に忘れそうな名前を書き
その間、誰の幸せも願わなくてよいので嬉しい
バナナはおやつですか
そんな人に優しい質問だけが
あたり一面の風となって
また一切れのカマボコになる
ハムスター死んじゃったね
埋めて行こうね
遠足が始まれば
こんな遠くまで来るんじゃなかったと
きっと誰か言うんだろう


信号機が故障したので
シマウマがやってきて
代わりの信号になった
白と黒しかない縞模様で
シマウマは精一杯頑張った
多少の混乱はあったものの
車も歩行者もそれに従った
強いものは弱いものをかばい
弱いものはさらに弱いものをかばい
そして誰もが
シマウマを見守り続けた
「優しさ」という言葉では
何も説明できない
そんな日がかつてあった
これからもある
あるはずだ
シマウマがやってきて
代わりの信号になった
白と黒しかない縞模様で
シマウマは精一杯頑張った
多少の混乱はあったものの
車も歩行者もそれに従った
強いものは弱いものをかばい
弱いものはさらに弱いものをかばい
そして誰もが
シマウマを見守り続けた
「優しさ」という言葉では
何も説明できない
そんな日がかつてあった
これからもある
あるはずだ


アスファルトの道路になりたい
たくさんの人の足や手に踏まれ
動物の糞尿に汚され
言葉を読むことも書くこともせず
さよならも言わない
それで何が許されるわけでもないけれど
なだらかにカーブしながら消えて
夏の陽射しに融けたりもする
でも本当になったとしたら
自分自身が一番悲しんでしまうんだろう
たくさんの人の足や手に踏まれ
動物の糞尿に汚され
言葉を読むことも書くこともせず
さよならも言わない
それで何が許されるわけでもないけれど
なだらかにカーブしながら消えて
夏の陽射しに融けたりもする
でも本当になったとしたら
自分自身が一番悲しんでしまうんだろう


波はもう台所まで押し寄せている
娘はバシャバシャ水を蹴りながら
学校の仕度に忙しい
妻は膝まで海水につかりながら
朝の牛乳を温めている
もしもの時のために集合場所を決めておこうか
と言うと
家族だから大丈夫よ、と答える
大丈夫かどうかはあるにしても
間違いなく僕らは家族だ
冷蔵庫に海鳥が一羽とまる
かもめ、そう言った時
妻も娘も他のところを見ていて
気づかなかった
娘はバシャバシャ水を蹴りながら
学校の仕度に忙しい
妻は膝まで海水につかりながら
朝の牛乳を温めている
もしもの時のために集合場所を決めておこうか
と言うと
家族だから大丈夫よ、と答える
大丈夫かどうかはあるにしても
間違いなく僕らは家族だ
冷蔵庫に海鳥が一羽とまる
かもめ、そう言った時
妻も娘も他のところを見ていて
気づかなかった


帰ります、とメールをしてきた君が向こうから全力疾走で
君の重さを受け止める。お姫様抱っこ?もう少し痩せてからね
人ごみに紛れこむとどうして私だけがここにいないんだろう
走るのが苦手だから校庭より広いものは空しか知らない
雨が上がったら傘なんか捨ててさ、虹の鳴き声を聞きに行こう
あなたの笑顔を見ていたいだけだよ生きている本当の理由は
むかし、あるところにあなたと僕がいました。幸せでした、おしまい。
君の重さを受け止める。お姫様抱っこ?もう少し痩せてからね
人ごみに紛れこむとどうして私だけがここにいないんだろう
走るのが苦手だから校庭より広いものは空しか知らない
雨が上がったら傘なんか捨ててさ、虹の鳴き声を聞きに行こう
あなたの笑顔を見ていたいだけだよ生きている本当の理由は
むかし、あるところにあなたと僕がいました。幸せでした、おしまい。