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こっそりと詩を書く男の人
  プロフィール
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たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2006/09/17 (Sun)
あめがやんだので
もう かさのはなしはおわった
それから
こいぬのなみだで
ちいさな こうちゃをいれた

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2006/09/16 (Sat)
「生き春巻」です
店員は言った
メニューを見直す
確かに「生き春巻」とある
生き春巻は時々皿の上でもぞもぞ動くが
その間も気持ちを見透かすかのように
目のようなものでこちらを睨み続けている
どうやって食べるのか尋ねると
私の親友なものですから
泣きそうな顔で店員が答える
言葉で出来た翼のようなものがあったので
鳥、と呼ぶと
生き春巻は開け放たれた窓から
外に飛んで行ってしまった
曇った空は
誰かの作り話のように美しかった


2006/09/15 (Fri)
はじめまして
しょっかくもどきです
むしのあたまにはないけれど
さんねんめになります
ネコをみるのがとくいです
どこまでつづいているのか
ときどきふしぎになります
こんなわたしですが
みなさん よいあきを
2006/09/14 (Thu)
脚を折りたたんだ正座で
あなたはラーメンを提出し
わたしがお品書きのとおりに
並べていく
合間合間に広がっていくものが
チャーシューの色や野菜に似ていて
わたしたちの中心なのだと気づく
それでわからないことのほとんどは
解決したのだけれど
傘の心配の話をすると
水より重いものなどないよ
そう言って
あなたは微笑んでくれた
あなたがわたしの名前を覚えてから
忘れるまで数年かかった
どうしても人だから
生きたまま寝違える日もある
そうしているうちにも
わたしはまた
細めんを頼んでしまう
2006/09/07 (Thu)
郵便配達員がポストと
駆け落ちをした
四畳半の小さな部屋だった
配達員は毎日
せっせと手紙を書いて投函した
春という字を書くと
いつも何だかくすぐったかった
集配時間には
ごめんね、と言って
ふたを開き
世界中の人に手紙を届けた
遠い国の争いごとには
無関心な世間の人も
ふたりのことは温かく見守った
2006/09/07 (Thu)
バスの停留所に
動物列車がやってきた
乗ろうとするけれど
人間はお断りです、と
動物の運転手に怒られてしまった
レールも無いのにどうして
そう思ってよく見ると
窓から次々と動物たちが降りて
列車の先でレール状に横たわっている
通った来たところはずっと遠くまで
大小様々な形の死骸が連なっている
この跡をたどって行けば
わたしもいつか乗れるのだろうか
世界、と呼べば
とてもきれいな気がする
この世界で

2006/08/31 (Thu)
犬の耳が
ちょうちょになって
飛んで行ってしまった
音が出なくて済むように
静かな玩具を買い与えた
名前を呼んでも
もう振り返らない
それでも涼しい場所は
誰よりも知っていて
風にほんの少し揺れる

2006/08/31 (Thu)
空を飛ぶ音速機のうしろを
分度器が追いかけていく
私たちの経験したいくつかは
戦いと何が違うというのか
今年もまた
美しくこすもすが咲いた
お兄ちゃん
いい歳をして
まだそんな呼び方を
してみたくなる

2006/08/30 (Wed)
キリンという名の
魚がいる
もちろん
首が長いのが特徴なのだけれど
サバンナの夕日を思い出すと
時々自分の鳴き声が
わからなくなって
溺れてしまう
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* ILLUSTRATION BY nyao *