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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2026/01/26 (Mon)
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2006/04/06 (Thu)
博士が遊びに来た
難しい話と
難しくない話を
わからない比率でしていった

翌日、
明日遊びに行きます
と届いた博士からの手紙には
二日前の消印が押されていた

お待ちしています
返事を書いたけれど
どこに出すこともなく
友だちの結婚式に行って
お祝いの言葉を述べた


*


博士と
手紙が
売っていた
安いほうの
博士を買った
買った博士を
ビンに入れて
海に流した
数日後
到着しました
と博士から
手紙があった
その手紙を
売りに行き
売ったお金で
この前買えなかった
手紙を買った
もって帰ろうとすると
それは手紙ではなく
三毛模様の猫だった
一こと鳴いて
行ってしまった
ひとり残されて
明日
衣替え


*


忍法!手紙の術!
それが博士の
お別れした人に手紙を書くときの
口癖です
人に聞かれると恥ずかしいので
なるべく小さなで言うのですが
耳の良い助手たちには筒抜けです
今日は近所の公園でお花見
一番たくさん花びらを拾った人が
今年の博士になれます

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2006/04/02 (Sun)
(夏)

波音の届きそうにない
部屋でただ
いき過ぎるのを待ってる
テレビにはめ込まれた
冷たいガラスの匂いだけが
わたしに似ている



(秋)

言葉になり損ねて
落ちた木の実
そのひとつを
生えたばかりの新しい足が
踏み
つけていく
まだ生えてない
これからの新しい手が
拾い上げると
音はまだ始まったばかり



(冬)

降るものと
降らないものとが
積もったり
積もらなかったり
の野原では
むかし逝った人の口癖を真似ながら
子供たちが雪のダルマを
作っているのが見える



(季節)

自分が自分になるための入口
が季節、ね
とあの人は
出口で言った
季節、まだかしら



(春)

やわらかい、光
やわらかい、わたし
輪郭から少しはみ出して
やわらかい、土に還す
それから
春に咲かない草木にも
たくさんの水を
あげた

2006/03/25 (Sat)
キッチンでは妻の脱皮が始まっていた
手伝われるのを拒むように
かつて僕が愛撫したことのある皮膚を
ゆっくりと丁寧に脱いでいく
新しい箇所は少し湿って
しわしわしているけれど
やがて時間がたてば綺麗に乾き
また人懐っこく笑ったりもするのだ
いつからだろう
具のわからない味噌汁が
鍋で沸騰している
2006/03/23 (Thu)
わたしの私語の中に
あなたはいた
白い百合の花が
畑のようにどこまでも続き
そのようにあなたは
私語の中で
匂っている
しーっ
誰かがわたしの唇に
指を立てる
少し湿った感触で
あなたは匂いとともに
消えてしまった
いつかした
間違い探しに似ていたけれど
目を瞑ると思い出すことは
何ひとつとして無かった
2006/03/21 (Tue)
父、抑留始まる
ゴミ箱にクローゼットをしまう
近親憎悪の目に晒されながらも
脱皮を繰り返し
それでもよくケラケラと笑い
スクスクと育ち
糸をほどく
糸は糸だらけになり
パジャマの背丈よりも高くなる
そのうちに外は夕暮れ
というわけでもないのだが
どこからか複数のワニの歩く音が聞こえ
みなが単一のアーガイル柄で
まだ矢印にもなれない
父、抑留には慣れましたか
僕の手紙は悲しい人の背中になり
化粧水のように粘度をました母の
セーターの網目から先細っていく
コンセントを探してドライヤーのプラグ
陽の当たる玄関でつまずいた拍子に
たくさんの名前を次々に吐き出してしまう
整然と並べていけば美しい家系図になるのに
僕の名前だけが春に咲く花になりたがってる
気がつけばワニの子が一匹
はぐれて路頭に迷い
けれど路頭はどこにもないので
矢印になるための衣替えを準備している
父、抑留はまだ終わらないでしょうか
僕はただ
守るべきものを守りたいだけです
2006/03/20 (Mon)
あなた、むかし、ひとがいました
ひとは足で歩いてました
あなた、でもそれは、あなたではない
足の、裏の、歩くの、速さの、
それらすべては、あなたではない
あなたはまだひとではないから

そらを飛ぶことは放棄された
うみを泳ぐことは放棄された
放棄することは放棄された
でも、あなた、ひとであることを放棄してはいけない
あなたはまだひとではないから

  いちご、取って、いちご、そう
   野菜室の、下の棚に、あるの
    取って、いちご

  ねえ、お母さん
   わたしもう、ひとを産める体になったのよ
    先生が言ってたのよ

  そうなの、取って、いちご
   野菜室の下の棚の、
    あなた、また逝くためにひとが産まれるのね

あなた、むかし、ひとがいました
手のやすらぎ
セーターの赤色
コンクリートの塩味
すべて、それらが、あなたではない
あなたはまだひとではないの
取って、そう、野菜室の、あなた、あなた
あなたをもう一度
産んであげたいと思いました


2006/03/17 (Fri)

村って
手伝うの

っこの僕
を渡り
きって
切りすぎると
手が痛くて
って
今朝は
ネクタイが
うまく
結べない

人がいて
人のように
背格好
があっ
てって
手伝うの
湖面は
橋っ
この僕を
渡り
きっ
照り
返しの
強い
銀杏の
木漏れ日から
空っぽに
育つ
つもり
の僕は
村の長に
細長い
ひげの
集合
って
手伝うの
裸足の

っこの

渡る
しるし
のない

この村


2006/03/17 (Fri)
飲むヨーグルトを飲んだ
飲まないヨーグルトは飲まなかった
食べるヨーグルトは食べた
食べないヨーグルトは
食べなかった

幸せなヨーグルトは
幸せに満ち溢れていた
虹のかかるヨーグルトには
美しい虹がかかっていた
名前のないヨーグルトは
それでもヨーグルトであることに
かわりはなかった

ヨーグルトを泳ぐ
たくさんのもの
たくさんのものを生むたくさんのもの
たくさんのものを奪う
たくさんのもの
たくさんのものに奪われた
たくさんのもの

形のあるヨーグルトには
形があった
形のないヨーグルトには
自分の形を少し
わけてあげたかった

朝、君の入れてくれた
飲むヨーグルトを飲んだ
小さな
二つの命で

2006/03/15 (Wed)
机の人がいた
脚がついてた
幽体離脱の
練習の真っ最中だった
汗をかいて
それでも手を振ってくれた
手があったのだ
2006/03/15 (Wed)
男は速度を
なくした
それは
止まる
ことだった
男は欲した
口に言葉
手に文字
そして
生きた
自治区
と呼ばれる
区域の
辺境の村で
男が再び速度を
手に入れたとき
その心臓は
動いてなかった
棺を担ぐ者たちの
もつれそうな
脚の速度
珍しい雨
毎日の
祈り
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* ILLUSTRATION BY nyao *