プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
ブログ内検索
カテゴリー
月間アーカイブ
最新コメント
[09/10 GOKU]
[11/09 つねさん]
[09/20 sechanco]
[06/07 たもつ]
[06/07 宮尾節子]
最新トラックバック
カウンター


メロンパンが破裂して
扉が開いた
向こう側には
名前の知らない海峡がひとつあって
多分自分もあっち側なんだと思う
それなのに僕は波音を聞きながら
こっち側でひたすらメロンパンの
破片を拾い集めている
分別のつく年頃になりました
備考欄にはその旨を書いておいたが
これから誰が何を考慮してくれるというのか
見つからない破片は
いつまでも見つからないまま
本日のデイゲームはお開きとなる
扉が開いた
向こう側には
名前の知らない海峡がひとつあって
多分自分もあっち側なんだと思う
それなのに僕は波音を聞きながら
こっち側でひたすらメロンパンの
破片を拾い集めている
分別のつく年頃になりました
備考欄にはその旨を書いておいたが
これから誰が何を考慮してくれるというのか
見つからない破片は
いつまでも見つからないまま
本日のデイゲームはお開きとなる
PR


フリマの一番隅の方で
いなくなったままの父が
お店を出していた
犬がいっしょにいた
名前をペロといった
父が好んでつけそうな名だった
お店には小さな靴が一足
子供のころ私が履いていたものだ
私が買ってあげた
父は小さく礼を言い
両手を広げると
秋の高い空へ飛んでいった
あんなに楽しそうにしている父を
私は初めて見た気がする
ペロも楽しそうに後を追った
いなくなったままの父が
お店を出していた
犬がいっしょにいた
名前をペロといった
父が好んでつけそうな名だった
お店には小さな靴が一足
子供のころ私が履いていたものだ
私が買ってあげた
父は小さく礼を言い
両手を広げると
秋の高い空へ飛んでいった
あんなに楽しそうにしている父を
私は初めて見た気がする
ペロも楽しそうに後を追った


見事に文字化けしていました
文字化けしてどうなったかというと
まだなってません
議場で私たちは深く愛し合い
お互いの身体のいたる所を弄り合い
底辺かける高さわる2
三角形の面積はどこにいても
正直に計算されていきます
先生、と呼ばれている人たちの
野次と怒号が飛び交うなか
恥ずかしくない、といえば
それは多少の嘘を含みますが
私たちは行為を繰り返し
小さな悲鳴のような声までもが
速記者によって記録され
故郷の小川に流されていきます
横たわる私たちの視界の隅では
文字化けしたものがついに
なっているように感じられるのに
焦点を合わせようとすると
瞼は深く閉じられてしまう
かくして
法案は可決されました
文字化けしてどうなったかというと
まだなってません
議場で私たちは深く愛し合い
お互いの身体のいたる所を弄り合い
底辺かける高さわる2
三角形の面積はどこにいても
正直に計算されていきます
先生、と呼ばれている人たちの
野次と怒号が飛び交うなか
恥ずかしくない、といえば
それは多少の嘘を含みますが
私たちは行為を繰り返し
小さな悲鳴のような声までもが
速記者によって記録され
故郷の小川に流されていきます
横たわる私たちの視界の隅では
文字化けしたものがついに
なっているように感じられるのに
焦点を合わせようとすると
瞼は深く閉じられてしまう
かくして
法案は可決されました


やがて光が空から降りそそぎ
何かの形になると
それはわずかばかりの質感をもって
わたしたちの背中を押す
わたしたちは少し慌てたように
最初の一歩を踏み出す
でも決して
慌てていたわけではないのだ
わたしの隣にあなたがいて
あなたの隣にわたしがいる
ただそれだけの
今日の祝い
何かの形になると
それはわずかばかりの質感をもって
わたしたちの背中を押す
わたしたちは少し慌てたように
最初の一歩を踏み出す
でも決して
慌てていたわけではないのだ
わたしの隣にあなたがいて
あなたの隣にわたしがいる
ただそれだけの
今日の祝い


俺の死体が落ちていた
パンツの中だった
パンツは汚れていた
パンツは洗われてなかった
おまえによって
おまえは植木のひとつひとつに
水をやり
それぞれに優しく声をかける
その姿は昔と変わってなかった
昔と変わることなく
俺のパンツは洗われてなかった
おまえによって
俺がおまえに愛を告げたのは
中野の暗く狭い路地だった
ポケットには千円札が一枚
それで二人はラーメンを食い
ビールを一本飲み
足りない分はおまえが出した
それから間違えることが無いよう
おまえは俺の身体の部位に
ルビを振った
それからだ、俺のパンツが
洗われなくなったのは
おまえによって
洗濯物を干すおまえの背中は
薄く、洗濯物のように綺麗だ
何故おまえは俺のパンツは洗わないのだ
その中に死体があるのだと
おまえは知っていたのか
気づいていたのか
目からパンツまでの
眩むばかりの高さの途中
俺は何度も気絶しそうになったんだぞ
そしてどうしたことか
俺の死体はさっきから
金玉と仲が良いのだ
パンツの中だった
パンツは汚れていた
パンツは洗われてなかった
おまえによって
おまえは植木のひとつひとつに
水をやり
それぞれに優しく声をかける
その姿は昔と変わってなかった
昔と変わることなく
俺のパンツは洗われてなかった
おまえによって
俺がおまえに愛を告げたのは
中野の暗く狭い路地だった
ポケットには千円札が一枚
それで二人はラーメンを食い
ビールを一本飲み
足りない分はおまえが出した
それから間違えることが無いよう
おまえは俺の身体の部位に
ルビを振った
それからだ、俺のパンツが
洗われなくなったのは
おまえによって
洗濯物を干すおまえの背中は
薄く、洗濯物のように綺麗だ
何故おまえは俺のパンツは洗わないのだ
その中に死体があるのだと
おまえは知っていたのか
気づいていたのか
目からパンツまでの
眩むばかりの高さの途中
俺は何度も気絶しそうになったんだぞ
そしてどうしたことか
俺の死体はさっきから
金玉と仲が良いのだ


手荷物、は戦いだった
毎夜欠かすことなく
網棚はやって来て
月はまるごと列車でよかった
主翼があれば飛行機でよかった
ぼくは懐疑的な目
愛についてを語る
農家の野菜売りのおばさんが
パンツスーツ姿で
黒い外車を乗り回している
のを見たことがある
皆どこか一箇所くらい
寂しいのだと思った
広げた地図帳に
ぼくの住む街の名があってよかった
戦いだった
手を突っ込めば
暖かいものと冷たいものが混じりあう
要所のようなところ
またひとつパッケージ
身体から離れていく、で、
よかった
毎夜欠かすことなく
網棚はやって来て
月はまるごと列車でよかった
主翼があれば飛行機でよかった
ぼくは懐疑的な目
愛についてを語る
農家の野菜売りのおばさんが
パンツスーツ姿で
黒い外車を乗り回している
のを見たことがある
皆どこか一箇所くらい
寂しいのだと思った
広げた地図帳に
ぼくの住む街の名があってよかった
戦いだった
手を突っ込めば
暖かいものと冷たいものが混じりあう
要所のようなところ
またひとつパッケージ
身体から離れていく、で、
よかった


話に尾ひれがついて
泳ぎだす速度で
泳ぎだす
身体にあたると少し痛く
自分の血はまだ赤い
眠たい目を擦りながら
恋人のだらしない口元にキスして
唇から溢れたものは
唇に戻るのだよ
と、聞いちゃいない
恋人は
たかし、たんとお上がり
母の声が聞こえる
母さん、僕はたんと頂いてます
それよりその言葉は
たかし、という子にかけてあげてください
何度言いたかったことか
窓を開けると
話は隣家の外壁との合間をぬって
景色の方へ泳いでいく
窓を閉めると
景色は
窓で終わる
泳ぎだす速度で
泳ぎだす
身体にあたると少し痛く
自分の血はまだ赤い
眠たい目を擦りながら
恋人のだらしない口元にキスして
唇から溢れたものは
唇に戻るのだよ
と、聞いちゃいない
恋人は
たかし、たんとお上がり
母の声が聞こえる
母さん、僕はたんと頂いてます
それよりその言葉は
たかし、という子にかけてあげてください
何度言いたかったことか
窓を開けると
話は隣家の外壁との合間をぬって
景色の方へ泳いでいく
窓を閉めると
景色は
窓で終わる


中村が集団となって土ぼこりをあげながら
ひなびた温泉街を走る
中村が健脚だとは聞いていたが
この地で生まれ育った番頭ですら
中村がどこに行こうとしているのか知らない
おい、とうろく、ちょいと見ておいで
丁稚奉公のとうろくは何処かに行く途中だったが
日ごろ目をかけてくれている番頭の言いつけならば仕方ない
草履をつっかけて中村の後を追いかけていく
いったい何里走ったことか
中村の脚は次第に鈍り始め
やがて何かの順番を待つかのように
すっかり動かなくなった
とうろくは伸びをしたり飛び跳ねたりしてみたが
自分より背丈のある中村が邪魔になって
先の中村がどうなっているのか様子がわからぬ
ならば、とそこは幼い頃を山の中で過ごしたとうろく、
大きな樫の木に登り
中村の頭、頭、頭、の連なりの先を見晴らしてみる
大きな川が流れていて中村が次々と入水しているのが見える
川を渡るのが目的ではなく、川を流れていくのが目的
であるかのように川に入った中村は
抵抗することもなく流されていく
水を飲みすぎ大きく腹を膨らませながら流れていく中村
大きな岩にぶつかりぱっくりと割れた頭の中村
その光景が大変なことなのか
それともどうでも良いことなのか
とうろくは皆目検討もつかない
とりあえず番頭に知らせなければ
と、来た道を走る
途中、そういえば厠に行くところだったのだと思い出し
道の端で立小便を始める
ああ、小難しいことを知らないというのは幸せなことかもしれない
小水が抜けていくと同時に頭が空っぽになっていく気がして
首を振ってみる
耳垢のこそばゆい音ばかりが聞こえる
ひなびた温泉街を走る
中村が健脚だとは聞いていたが
この地で生まれ育った番頭ですら
中村がどこに行こうとしているのか知らない
おい、とうろく、ちょいと見ておいで
丁稚奉公のとうろくは何処かに行く途中だったが
日ごろ目をかけてくれている番頭の言いつけならば仕方ない
草履をつっかけて中村の後を追いかけていく
いったい何里走ったことか
中村の脚は次第に鈍り始め
やがて何かの順番を待つかのように
すっかり動かなくなった
とうろくは伸びをしたり飛び跳ねたりしてみたが
自分より背丈のある中村が邪魔になって
先の中村がどうなっているのか様子がわからぬ
ならば、とそこは幼い頃を山の中で過ごしたとうろく、
大きな樫の木に登り
中村の頭、頭、頭、の連なりの先を見晴らしてみる
大きな川が流れていて中村が次々と入水しているのが見える
川を渡るのが目的ではなく、川を流れていくのが目的
であるかのように川に入った中村は
抵抗することもなく流されていく
水を飲みすぎ大きく腹を膨らませながら流れていく中村
大きな岩にぶつかりぱっくりと割れた頭の中村
その光景が大変なことなのか
それともどうでも良いことなのか
とうろくは皆目検討もつかない
とりあえず番頭に知らせなければ
と、来た道を走る
途中、そういえば厠に行くところだったのだと思い出し
道の端で立小便を始める
ああ、小難しいことを知らないというのは幸せなことかもしれない
小水が抜けていくと同時に頭が空っぽになっていく気がして
首を振ってみる
耳垢のこそばゆい音ばかりが聞こえる


女は唇から
思い出そうとする
感情的な林檎
その干からびた意味の飛沫を
けれど壁はどこまでも
地平線のように連なり
顔の凹凸は遡及して
闇といわれれば闇かもしれない
の中に失われていく
どれもこれも女にとっては
仕方の無いことだった
思い出そうとする
感情的な林檎
その干からびた意味の飛沫を
けれど壁はどこまでも
地平線のように連なり
顔の凹凸は遡及して
闇といわれれば闇かもしれない
の中に失われていく
どれもこれも女にとっては
仕方の無いことだった


部屋に突然インドがやって来て
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かってはみるものの
インドは冗談の通じるような顔つきではなく
どこが顔なのかもわからないまま
忽ちガンジス川までも氾濫させた
+
空から降りてきたつり革に
僕はつかまっている
どこか遠くの国では
つり革につかまりたくても
つかまれない人がたくさんいるのに
これはいったい何の手続きなんだろう
走馬灯のようによみがえるのは
雨戸の開け閉めとか
芯の取替えとか
そんなことばかりなので
まだつかまってる
+
穴の開いた公務員が
左手をその穴に通しながら
僕の書置きを右手で審査している
窓口、とは名ばかりの
窓の無い唇から溢れる言葉は
どれもこれも優しいが
何一つとして救いではないし
とどめでもなかった
手続きは粛々と進み
すべてが終わると
入口と書かれた扉から
僕は外に出されてしまう
+
手足が不自由になって
それから
リモコンも家出をした
隣の部屋では
協会長と事務局長が
言い争ってるのが聞こえる
窓辺ではいつまでも
ホースが絡みついている
+
気がつけば
鳥かごの中には鳥がいる
けれど気がつかないので
いつまでたっても鳥はいない
何故こんな仕打ちをしてきたのだろう
そろそろ気がついても
良いころかもしれない
そう思うと
鳥かごの中には自分がいる
+
朝から君の背中が
海になってる
掻いてあげると
さざ波が立って
指先が塩味の濡れ方をする
肩甲骨のあたりには
美しい砂浜が広がり
僕が僕の形をしたまま
打ち上げられているのがわかる
気持ちいい?
我ながら馬鹿なことを訊いたと思ったが
気持ちいい
と君は僕の知っている言葉で言った
+
人が書置きをしているとき
僕は眠っている
僕が書置きをし始めると
人はどこに行ってしまうのだろう
外に向かって
私は開かれた窓だが
空の答えをまだ知らない
+
この
が
呆気も無く
転がっていて
うなじのいやらしい
馬鹿と野郎が
!
は
備品なのか
消耗品なのか
さんざん問いただしている
うちに
すっかり
最初から何もないような
シネマを沢山見た後で
刺だらけのサボテンを
君はポケットにしまった
+
公共の宿だった
山間の道をバスで三時間
紅葉の坂道を上ってきたはずなのに
仲居さんの着物の裾は
海岸でセイウチを洗ったかのように濡れていた
もちろんそれはレトリックの話で
仲居さんが本当にセイウチを洗ったのか
僕は知らないし
多分仲居さんも知らない
夜、部屋の電気をすべて落とすと
他に瞑るものが無いので
眼だけを瞑って寝た
笑わないで欲しい
このまま死んじゃうのかもしれない
と思った僕の弱さを
+
もっと優しく
あなたを発音したい
あなたは僕の書置き
僕のすべてを記憶する
唯一の証人
あなたが夕食の支度をしている間
僕は風呂の掃除をする
誰もいないリビングのテレビから
刑事になりきった役者の
罵声が聞こえてくる
そのような優しさで
あなたをもっと発音したい
二人で今日も
たくさん生きてしまった
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かってはみるものの
インドは冗談の通じるような顔つきではなく
どこが顔なのかもわからないまま
忽ちガンジス川までも氾濫させた
+
空から降りてきたつり革に
僕はつかまっている
どこか遠くの国では
つり革につかまりたくても
つかまれない人がたくさんいるのに
これはいったい何の手続きなんだろう
走馬灯のようによみがえるのは
雨戸の開け閉めとか
芯の取替えとか
そんなことばかりなので
まだつかまってる
+
穴の開いた公務員が
左手をその穴に通しながら
僕の書置きを右手で審査している
窓口、とは名ばかりの
窓の無い唇から溢れる言葉は
どれもこれも優しいが
何一つとして救いではないし
とどめでもなかった
手続きは粛々と進み
すべてが終わると
入口と書かれた扉から
僕は外に出されてしまう
+
手足が不自由になって
それから
リモコンも家出をした
隣の部屋では
協会長と事務局長が
言い争ってるのが聞こえる
窓辺ではいつまでも
ホースが絡みついている
+
気がつけば
鳥かごの中には鳥がいる
けれど気がつかないので
いつまでたっても鳥はいない
何故こんな仕打ちをしてきたのだろう
そろそろ気がついても
良いころかもしれない
そう思うと
鳥かごの中には自分がいる
+
朝から君の背中が
海になってる
掻いてあげると
さざ波が立って
指先が塩味の濡れ方をする
肩甲骨のあたりには
美しい砂浜が広がり
僕が僕の形をしたまま
打ち上げられているのがわかる
気持ちいい?
我ながら馬鹿なことを訊いたと思ったが
気持ちいい
と君は僕の知っている言葉で言った
+
人が書置きをしているとき
僕は眠っている
僕が書置きをし始めると
人はどこに行ってしまうのだろう
外に向かって
私は開かれた窓だが
空の答えをまだ知らない
+
この
が
呆気も無く
転がっていて
うなじのいやらしい
馬鹿と野郎が
!
は
備品なのか
消耗品なのか
さんざん問いただしている
うちに
すっかり
最初から何もないような
シネマを沢山見た後で
刺だらけのサボテンを
君はポケットにしまった
+
公共の宿だった
山間の道をバスで三時間
紅葉の坂道を上ってきたはずなのに
仲居さんの着物の裾は
海岸でセイウチを洗ったかのように濡れていた
もちろんそれはレトリックの話で
仲居さんが本当にセイウチを洗ったのか
僕は知らないし
多分仲居さんも知らない
夜、部屋の電気をすべて落とすと
他に瞑るものが無いので
眼だけを瞑って寝た
笑わないで欲しい
このまま死んじゃうのかもしれない
と思った僕の弱さを
+
もっと優しく
あなたを発音したい
あなたは僕の書置き
僕のすべてを記憶する
唯一の証人
あなたが夕食の支度をしている間
僕は風呂の掃除をする
誰もいないリビングのテレビから
刑事になりきった役者の
罵声が聞こえてくる
そのような優しさで
あなたをもっと発音したい
二人で今日も
たくさん生きてしまった