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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
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58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2025/06/22 (Sun)
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2001/10/08 (Mon)
つかまえてきたおたまじゃくし
入れる水槽がなくって
台所からこっそり鍋を持ってきたんだ

当然のごとく母さんに見つかって
こっぴどく怒られて

じゃあ、水槽買ってくれよ
萩ちゃんだって、平野だって、貝瀬くんだって
みんな水槽持ってるよ

母さんはビンタを一発くらわせ
にらみつける
俺も涙目でにらみつける

でも次の日どこからか水槽を調達してきた母さん
買ってきたのか、もらってきたのか
最後まで教えてくれなかったけど

そういえば、母さん
俺なあ、言われたとおり
成長したカエル、もとの田んぼに帰してきんだよ

なんで今ごろこんなこと思い出すのか
自分でも笑っちまうよ

母さん、ありがとう
忘れないよ、母さん

いや、まだ20km先の実家で健在であるが
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2001/10/07 (Sun)
心に満月が煌々と輝くこんな夜は
言葉があまりに溢れ出してくるから
何も書かないで眠る

僕はきみたちの支配者じゃないかわりに
きみたちも僕を溺れさせるようなことは
しないでいただきたい

それは僕たちの
何より大切な約束ごと

「明日考えられることは明日」

だから、おやすみ

みなさん


2001/10/06 (Sat)
突然空が泣き出して、私は濡れる
そぼ降る雨に濡れる

なのに私はささない
傘をささない

傘をささずにうつむき加減に歩く
歩くのは街
街のなか
そして人ごみのなか

人ごみは駅前のメインストリートから続いて
続く先は百貨店、飲み屋街、パチンコ屋、
それぞれの家路

家路は近く、あるいは遠く
遠くは見通せない
見通せないのは雨脚が強いから
強くなったから

そして私は歩く
傘をささずに歩く
帰る場所があるというのに

こんな日もたまにはいい
きっといいだろう
いいさ、こんな雨の日も
雨はさらに強くなりつつある

あるのは私
雨のなか傘をささずに歩く私
帰る場所を探して家路につく私
うつむき加減に人ごみのなかを

2001/10/04 (Thu)
やんちゃな季節のあとで

髪を切ったきみが大人に見えた

そんな遠い夏の入道雲

2001/10/04 (Thu)
私はもう涙しません
何故なら、そう決めたからです
だからもう涙しないのです

地球温暖化が進んでいるといわれている昨今
これからの降雨量も心配でしょ
だから貴重な水資源を失いたくないのです
ついでにその他のタンパク質や脂質やミネラルも

だから私は涙しないのです

だから私は涙しないのですが泣くことはします
何故なら涙しなくても泣くことはできるから

場末のキャバレーでウサギの耳が生えたお姉さんの
貧弱な乳房を揉みながら

命乞いする兵士の眉間に銃を突きつけ
唇の端にくそったれな薄ら笑いを浮かべながら

歯の間につまったキャベツの切れ端を
舌でとろうとこんなふうに顔を歪めながらでも

泣くことは可能だからです

だから涙はしないのです

そう決めたのですから
ここでお別れしたとしても涙することはないのです

その夜、病気の妻に代わって台所に立った私は
玉ねぎを刻みながら不覚にもさめざめと涙しました
切れない包丁で細胞をつぶし
硫化アリルをたくさん出してしまったからです
2001/10/02 (Tue)
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう

ときおり
あっ、とか
ふう、とか発しながら
今後の世界情勢なんかを聞いても
私が気の無い返事ばかり繰り返すものですから
かき混ぜる手にも自ずと力が入るよう

二人で暮らし始めてから
2、3の痴話喧嘩を除いては
毎日同じような朝をむかえ
この平和が永遠であるかのように振舞うのですが
それはまったく根拠のないこと

すべてのものは劣化するという
世の法則に照らし合わせれば
安らかな二人の空間も
いずれ消滅する日がくるのでしょう

そんなことを考えていたおかげで
いつまでこうして一緒にいられるんだろうね、と
トンチンカンな謎かけをして
余計に低血圧のきみを苛立たせてしまうのです

2001/10/01 (Mon)
机の上には地図と時刻表
遥か彼方を夢見て見るが
金と暇がない

枕もとには丸めたYシャツと
初めて買ったエロ本
表紙が意味も無く笑っている

万年床で思うのは
いつもゆう子のことばかり

大人の理屈を押し付ける地方公務員と
群れることしかしない制服たちに囲まれて
毎日は息苦しい
学校になんか行きたくないが
そうしないとゆう子に会えない

予習も復習もせず
つけっぱなした電気のしたで
眠りに落ちていく
足りない睡眠時間は物理の時間に補えばいい
もしゆう子が休むようなことがあったら
適当に切り上げて眠り直せばいい
2001/09/29 (Sat)
街のネオンは元気です
居酒屋が並ぶこの裏通りは
嘔吐物と油の匂いがします
なんだか怪しい雲行きだ

今ごろ娘は寝てるだろう
妻も夢見て寝てるだろう
大丈夫、
家の鍵は忘れずに持ってきましたよ

お互い酒の飲み方が上手になりましたね
今日の酔いを明日に持ち越さず
愚痴もそこそこ、バカもそこそこ
語り合う夢の量は減ったけど
だてに皺の数は増えてませんね

それぢゃ、さようなら
おやすみなさい
また会う日まで
お元気で
2001/09/28 (Fri)
もしも翼があったなら
鳥と間違われて鉄砲で撃たれるかもしれません

飛行機と間違われて
誰かが搭乗しようとするかもしれません

とり人間コンテストの会場はこちらですと
高台に案内されるかもしれません

口の中にお金を放りこまれ
羽を一本むしり取られてしまうかもしれません

「あなたは天使ですか」
と拝まれるかも
「あなたは悪魔ですか」
と祈祷されるかも

そういう可能性も無きにしも有らず
かもしれません

そんな面倒な事にまき込まれることは
真っ平御免なので

スタコラサッサと大空にトンズラです


2001/09/28 (Fri)
不安は突然やってくる

朝のまどろみ
通勤途中の満員電車
昼飯のオニギリを食ってる最中
夕げのテレビ
就寝前の床の中

その度に焦燥感にかられても
原因が思い当たらず

したがって
対処の仕様も無く

きっと理由をつきつめていくと
DNAにでも聞いてみなければわかりますまい
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* ILLUSTRATION BY nyao *