プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2004/02/03 (Tue)
五十一のデッサン
定価は三百円
消費税をあわせれば三百十五円
それはそれとして
僕らは花見に行く
花を見に行く
定価三百円のものを持っていく
午後の春は放っておくと
鉄の酸化する音ばかり聞こえる
だから君は
そんなに泣いてはいけない
定価は三百円
消費税をあわせれば三百十五円
それはそれとして
僕らは花見に行く
花を見に行く
定価三百円のものを持っていく
午後の春は放っておくと
鉄の酸化する音ばかり聞こえる
だから君は
そんなに泣いてはいけない
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2004/01/29 (Thu)
五十一のデッサン
つるがとべない
つるがとべないつるが
つつつつつるが
がるつるが
とべないがつると
ととべない
とべとべつる
がつる
るるる
るるるるとべない
つるがとべない
どんなに言葉を重ねても
空を見失って
つるがとべない
つるがとべないつるが
つつつつつるが
がるつるが
とべないがつると
ととべない
とべとべつる
がつる
るるる
るるるるとべない
つるがとべない
どんなに言葉を重ねても
空を見失って
2004/01/23 (Fri)
五十一のデッサン
ちぢんでいく
ちぢんでいくよ
君もそして僕も
まるで雨上がりのアスファルトにある
まだ見たことの無い物質のように
すべてのものは急ぎの用で満たされ
沈黙の波紋に追いついていく
どんなに微細な粒子になっても
つないだ手を離しはしないと
すでに決めていた
ちぢんでいく
ちぢんでいくよ
君もそして僕も
まるで雨上がりのアスファルトにある
まだ見たことの無い物質のように
すべてのものは急ぎの用で満たされ
沈黙の波紋に追いついていく
どんなに微細な粒子になっても
つないだ手を離しはしないと
すでに決めていた
2004/01/05 (Mon)
五十一のデッサン
たーちゃん
僕は「たもつ」だから
君は僕を
たーちゃん
と呼ぶ
たーちゃん、それとって
たーちゃん、あれしまって
たーちゃん、どう思う?
君の声に
溶けかかった僕は
瞬時に境界線を取り戻して
僕と僕でないものは識別される
たーちゃん
僕は「たもつ」だから
君は僕を
たーちゃん
と呼ぶ
たーちゃん、それとって
たーちゃん、あれしまって
たーちゃん、どう思う?
君の声に
溶けかかった僕は
瞬時に境界線を取り戻して
僕と僕でないものは識別される
2003/12/25 (Thu)
五十一のデッサン
そう言えば
そんなことを考えるのは
早春のほんの一瞬
少し違う方向から風が吹くときだ
僕は考えた結果を
○と×で星取表におとしていく
そしてまた
そんなことを集めるための
一年が始まる
そう言えば
そんなことを考えるのは
早春のほんの一瞬
少し違う方向から風が吹くときだ
僕は考えた結果を
○と×で星取表におとしていく
そしてまた
そんなことを集めるための
一年が始まる
2003/12/24 (Wed)
五十一のデッサン
背中国の背中法廷では
今日も背中裁判が開かれている
背中!
裁判長の素晴らしい判決に
原告も被告も
手をとり歓喜の涙に
背中を震わせている
背中国の人々の背中に当たる日の光は
いつもあたたかい
冬でもあたたかい
今日も背中裁判が開かれている
背中!
裁判長の素晴らしい判決に
原告も被告も
手をとり歓喜の涙に
背中を震わせている
背中国の人々の背中に当たる日の光は
いつもあたたかい
冬でもあたたかい
2003/12/15 (Mon)
五十一のデッサン
すっからかんだ
きっと僕には
す
が入ってるんだろう
酢じゃない
ごぼうの芯などに穴があいている
あの
す
だ
ちなみに
す
の入った大根を
ばか大根
なんて僕は呼んでいる
更に言えば
スーパーで安売りしている
うなぎの蒲焼の妙に歯ごたえのいいやつは
ごむうなぎ
これはあまり関係ない
そう、
す
の話だった
外壁に隔絶された
す
だけど
道をきちんとつくってあげれば
空とつながることができる
つまり僕の
す
も空の一部になりえる
と、すかすかの僕が考えている
あの青い空をドロップスにしたら素敵な味になるんだろうね
君はそう言っていた
どこかで幸せに暮らしていてほしい
一度でもいいから
祈っておけばよかった
きっと僕には
す
が入ってるんだろう
酢じゃない
ごぼうの芯などに穴があいている
あの
す
だ
ちなみに
す
の入った大根を
ばか大根
なんて僕は呼んでいる
更に言えば
スーパーで安売りしている
うなぎの蒲焼の妙に歯ごたえのいいやつは
ごむうなぎ
これはあまり関係ない
そう、
す
の話だった
外壁に隔絶された
す
だけど
道をきちんとつくってあげれば
空とつながることができる
つまり僕の
す
も空の一部になりえる
と、すかすかの僕が考えている
あの青い空をドロップスにしたら素敵な味になるんだろうね
君はそう言っていた
どこかで幸せに暮らしていてほしい
一度でもいいから
祈っておけばよかった
2003/12/13 (Sat)
五十一のデッサン
試験管の中に
一篇の詩がある
昔、科学者だった父が
生成に成功したものだ
父は本気で
詩で人を救うことができる
と、考えていたようだ
けれど、父が誰を救おうとしていたのか
僕は知らない
何故なら母を
そんなもので救うことはできない
父は知っていたはずだから
父も母ももう
詩の届かないところに行ってしまって
僕は今、言葉を紡いでいる
父の遺志を継ぐとか
母に捧げるとか
そんなものではなくて
僕が科学者になり損なってしまったからに
他ならない
誰に届けようとしているのだろう
誰を救おうとしているのだろう
ただ、誰かの中で
この言葉がささいな化学反応を起こし
わずか一滴の精油みたいなものになれば
僕はそれを詩と呼びたい
一篇の詩がある
昔、科学者だった父が
生成に成功したものだ
父は本気で
詩で人を救うことができる
と、考えていたようだ
けれど、父が誰を救おうとしていたのか
僕は知らない
何故なら母を
そんなもので救うことはできない
父は知っていたはずだから
父も母ももう
詩の届かないところに行ってしまって
僕は今、言葉を紡いでいる
父の遺志を継ぐとか
母に捧げるとか
そんなものではなくて
僕が科学者になり損なってしまったからに
他ならない
誰に届けようとしているのだろう
誰を救おうとしているのだろう
ただ、誰かの中で
この言葉がささいな化学反応を起こし
わずか一滴の精油みたいなものになれば
僕はそれを詩と呼びたい
2003/12/02 (Tue)
五十一のデッサン
さっきからさ
そこにある
さ
が歪んでるんだよ
いきすぎ、いきすぎ
そうそう
そこをあと3ミリ左に
あっ、だめだめ
勝手に触っちゃいけない
ひとは下だってば
さるのもうちょっと下
騒ぐな、うるさい
そこにある
さ
が歪んでるんだよ
いきすぎ、いきすぎ
そうそう
そこをあと3ミリ左に
あっ、だめだめ
勝手に触っちゃいけない
ひとは下だってば
さるのもうちょっと下
騒ぐな、うるさい
2003/11/28 (Fri)
五十一のデッサン
夜中に突然
こどもが泣き出した
夢の中で
転んだ拍子に
こ
を二つに割ってしまったのだ、と
割れるということは
分かち合えるということなんだよ
そう言って二人で半分ずつ持つことにした
あの時の
こ
の半分を
僕はまだ大事に持っている
そして、まだ持っているだろうか
残りの半分を
僕の中の
幼いこどもは
こどもが泣き出した
夢の中で
転んだ拍子に
こ
を二つに割ってしまったのだ、と
割れるということは
分かち合えるということなんだよ
そう言って二人で半分ずつ持つことにした
あの時の
こ
の半分を
僕はまだ大事に持っている
そして、まだ持っているだろうか
残りの半分を
僕の中の
幼いこどもは