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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2024/04/16 (Tue)
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2004/07/20 (Tue)
数学者は
0より小さい100の存在について考えながら

歯を磨き
大学前の坂道を登り
故郷の母親に手紙を書きます

今日は
0より小さい100の存在を確認するため
のみ市で
中古の天体望遠鏡を買ってきました
それとフランスパンを

数学者は思っています
もし
0より小さい100の存在が確認できたら

10年前に別れた
白夜の地に住む恋人を
迎えに行こうと

0より小さい100は
春告鳥とともに
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2004/07/20 (Tue)
誰も知らないどこかの

小さな部屋で

歌わなくなったピアノに

ほこりが積もっています

鍵盤を叩けばまだ鳴るのに

音符はまだカエルになってないのに

歌を忘れてしまったのは

きっとわたしの方

2004/07/19 (Mon)
卵をひとつ落として

夕焼けは夕焼けへと帰っていきます

さよならを言うのが嫌で

いつまでもふざけていたのは

言葉を越えられるものは

言葉ではないと

ある日ふと知ってしまったから

ちびた鉛筆が捨てられることなく

机の一番上の引きだしに

しまわれています

2004/07/18 (Sun)
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わると
また夕暮れのようなところで
風ばかりが吹く
そのようにして物語は
語り継がれていきます
母さん
その風の音を聞きながら眠るのが
わたしは好きでした
2004/07/17 (Sat)
くちびるを閉じると

世界とわたしは

分かれます

くちびるを開くと

世界とわたしは

またつながります

分かれたり、つながったり

くりかえし、くりかえして

わたしはまた少し

遠くへと行きます

2004/07/17 (Sat)
あのビルは

誰の羽なのでしょうか

あんなに高くて

空に届かない

見上げるわたしたちは

いつまでも

一枚の写真でした
2004/07/16 (Fri)
春が

わたしの中に入ると

増えます

やがて溢れ出して

玄関では靴が

遊びたそうにしています

2004/07/16 (Fri)
日記は忘れています

かつて

誰かの魚であったことを

泡を吐くと

風景が裏返る

人は皆

水面でした

2004/07/11 (Sun)
バナナが一本
海を底の方へ
ゆらゆら
落ちていきます
見たこともないその物に
身を翻し逃げていく
魚たち
大きなクジラが
大きな口を開けて
ザブンと飲み込む
夜、台所に行くと
ヤカンの中で
そんな音がしました

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* ILLUSTRATION BY nyao *