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こっそりと詩を書く男の人
  プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2011/12/17 (Sat)
 
 
鬼ごっこをしているうちに
本物の鬼になっていました
友達は逃げ回っている間に
立派な大人になり
一人また一人と
遊びから抜けていきました
夜は水槽の魚に
言葉を教えて過ごします
いつかすべてを
忘れてしまう前に
  
 
 
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2011/05/20 (Fri)
 
 
風が椅子に座っています
姿も見えないし
形もわからないけれど
確かに風は
椅子に座っています
そして別の風が来ると
席を譲り
静々と、時には荒々しく
立ち去っていきます
次の新しい椅子を探して
 
 
 
2011/01/05 (Wed)
 
 
蛇口をひねると
小さな雲が出てきました
まだ水を作っている途中でした
水道管の中から
作業中の囁きが聞こえてきます
小さな雲は部屋の中を
ふわふわ移動すると
一滴の雨を降らせて
消えてしまいました
飲みかけのブロッコリースープを
ほんの少し薄めて
 
 
2011/01/03 (Mon)


青い空でした
どこまでも澄んでいました
こちらの方が戸惑うくらいに
名前がありませんでした
形がありませんでした
ありがとう、も
言うことができませんでした
ごめんなさい、という言葉だけが
空のどこかに落ちて
小さな波紋を描くだけでした
でも、今ならやはり
ありがとう、という言葉が
一番相応しいと思えます
だから青い空の下
今日も辞書を引くのです
 
 
2011/01/02 (Sun)
 
 
真水で栞を作っています
本がすっかり乾いてしまったから
水に住む生き物や底に沈む石ころが
あれば良かったのですが
誰に許しを得れば良いのかわからないので
最初から無理な話でした
風でページがめくれます
重しの代わりにのせておいた
一枚のわら半紙は
舞い上がって
そのまま何処かへ飛んで行きました
目的などあるはずもないのに
 
  
 
2010/04/10 (Sat)
 
 
習ったばかりのルートの記号を
少年はノートに書きました
丁寧に書いていたはずなのに
最後に記号は壊れてしまいました
わずかな隙間から覗き込むと
自分が幼少時を過ごした町の海が見えました
汚れた海でした
昔と同じように
木の破片や
虹色をした油や
茶色く固まった泡が浮いた
汚い、そして懐かしい海でした
波音が聞きたくなって
ノートに耳を近づけてみました
ひんやりとした感触に
少年はそのまま眠ってしまいました
しばらくして目を覚ますと
耳の辺りが少し濡れていて
潮の匂いが微かにしました
たしかに海の近くまで行ったのでした
 
 
2010/04/07 (Wed)
 
父はサボテンでした
とげはありませんでしたが
サボテンでした
水を蓄える仕組みがあるわけもなく
少しの水では生きていくこともできませんでした
ましてや荒野に一人
じっと立っていられるほどの
忍耐力も
誇りも
孤独も
持ち合わせてはいませんでした
それでも父は
ひとつのサボテンであり続けました
サボテンであることの
すべてを否定することによって
 
2010/04/05 (Mon)
 
 
桜の花びらに見えましたが
それはお墓でした
とても小さな墓石でした
とても小さな人が
入っているのだと思いました
ところどころ緑に苔むして
たしかにそれでも
桜の花びらに見えたのです
おやすみなさい
もう眠っている人に言うのは
初めてのことでした
  
  
2010/03/09 (Tue)
 
 
クラゲの夢の中で
わたしは一輪のタンポポでした
ぽかんと風に吹かれて
空を見上げているばかりでした
タンポポさん、と幼い声で
男の子が手を振ってくれました
わたしには振り返すための
手もなかったけれど
やがて空が割れて
すべてが水びたしになるまで
ずっと手を振っていてくれました
  
 
2007/04/09 (Mon)
夜が更けるころ動物園の園長は
動物たちに泳ぎ方を教えます
本当は水族館の園長になるのが
動物園の園長の夢でした
一番泳ぎが得意なのはゴリラで
それ以外は身体の大きさに関係なく
だいたい普通です
動物たちをタオルで丁寧に拭いてあげると
気持ちが少し軽くなるので
偽物の手紙を書きます
偽物のポストに投函して
偽物の郵便局の人が運びます
見送りながらむかし砂浜につくった
生き物のお墓のことを思い出します
時々その向こうに
朝焼けが見えます
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* ILLUSTRATION BY nyao *