プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2010/03/19 (Fri)
詩
軟らかな自転車に乗って階段を下りる
ハンドルが人の手みたいに生温かく汗ばんでいる
階段の下には民家と民家に挟まるような形で
小さくて細い劇場がある
切符売場で数枚の硬貨を出すと係の女性が
異物を排出するような仕種でチケットを差し出す
その手からチクロ飴の匂いが微かにする
中に入ると海亀が産卵をしていて人が集まっている
産むそばから、精がつくから、などと言って
粘液にまみれた卵を持っていってしまう
空いている席を探すけれど
どこの席もたんぱく質の固まりのようなものが
あったり、いたりして身動きもできない
開演のブザーが鳴り緞帳が上がると
向こう側に観客席が現れる
隅っこの席に自分の家族が数名座りこちらを見ている
スポットライトの熱さの中で
覚えたはずの無い台詞を
必死になって思い出そうとする
軟らかな自転車に乗って階段を下りる
ハンドルが人の手みたいに生温かく汗ばんでいる
階段の下には民家と民家に挟まるような形で
小さくて細い劇場がある
切符売場で数枚の硬貨を出すと係の女性が
異物を排出するような仕種でチケットを差し出す
その手からチクロ飴の匂いが微かにする
中に入ると海亀が産卵をしていて人が集まっている
産むそばから、精がつくから、などと言って
粘液にまみれた卵を持っていってしまう
空いている席を探すけれど
どこの席もたんぱく質の固まりのようなものが
あったり、いたりして身動きもできない
開演のブザーが鳴り緞帳が上がると
向こう側に観客席が現れる
隅っこの席に自分の家族が数名座りこちらを見ている
スポットライトの熱さの中で
覚えたはずの無い台詞を
必死になって思い出そうとする
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