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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
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男性
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1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2010/03/06 (Sat)
 
 
僕の中で爆発する
バクとハツ
バクは奇蹄目バク科バク属に含まれる哺乳類の総称である
ハツは架空の人物、性別は女、推定年齢七十歳前後
幼少の頃、本家から分家に養女に出される
分家の苗字は本家に一文字追加されている
バクは燃えるゴミの収集日になると
どこからともなくゴミステーションに一頭でやってくる
そこにどこからともなくやってくるハツ
架空の人物なので輪郭がぼやけているが
白髪であることは辛うじて判別できる雰囲気
バクの形態は動物図鑑にはっきりとある
ただし図鑑のバクは側面から描かれた絵なので
ゴミステーションではいつも横を向いており
絵は実写に見えるように補正されている


  この時点ではまだバクもハツも爆発する予兆なし
  僕はひとり喫茶店で軽食を取っている


ハツの右手には市が指定した緑色の燃えるゴミ専用の袋
左手にはたくさんのパンの耳が入ったビニルの袋
カラス除けのネットを上げて先ずはゴミを捨てる
既に多数のゴミが捨てられている
もちろん地域の住民によって捨てられたものであるが
いつどのように持ち込まれたのかは
あくまで一般的なイメージを超えない
住宅街である
幹線道路が街を縦断しており、このステーションは
道路を挟んで右側の住民のみが利用することができる
右側、とは何に向かって右側であるのか
これもまた一般的なものの範囲内である
周辺の家はほぼすべてが二階建てで一区画およそ六十坪
窓がありドアがあり壁があり屋根がある
ある、ということだけがただあり、材質などは問わない


  この時点においてもまだバクもハツも爆発の兆しはない
  ただ、僕の中でバクもハツも爆発を待っている
  テーブルにケチャップが無いので店員を呼ぶ
  いつもと同じメーカーのケチャップが出てくる
  このメーカーが一番美味しい、とかではない
  ただケチャップがある
  その姿はイメージに似ている


ハツは左手に持っていたビニル袋を開け
パンの耳を事務的にバクに与える
その仕草に動物を愛するなどといった感傷的な様子はない
あくまで事務的にその動作は進められる
バクはハツの差し出すパンの耳を食べるが
バクの正面の姿は動物図鑑では確認できなかったので
食べるときも横向きである
正面のないバクと輪郭のぼやけたハツ
ハツの餌を与える動作は動作として見て取れるが
バクの餌を食べる行為は具体的ではない
家がある、ということだけがあるように
食べる、ということだけがある


  用事を済ませ喫茶店を出る
  先ほどの店員が「準備中」と書かれた札をノブにかける
  あの店員は山本さんだと思う
  僕は歩き出す
  もう一度山本さんだと思う
  行くあてもなく歩く、という言葉の便利さがある
  ここまできてもバクもハツも爆発しない
  僕はやや焦りだす
  景色やすれ違う人の詳細は割愛されている
  自分の手を見る
  しわがあり、青い静脈がはしり、所々に毛が生え
  複雑に枝分かれした手相がある
  ような気がする
  本当は誰が誰の中で爆発するのか
  見たことのある住宅街に出る
  ゴミステーションに横を向いたバクがいる
  間もなくハツも来るだろう


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