プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
ブログ内検索
カテゴリー
月間アーカイブ
最新コメント
[09/10 GOKU]
[11/09 つねさん]
[09/20 sechanco]
[06/07 たもつ]
[06/07 宮尾節子]
最新トラックバック
カウンター
2002/01/12 (Sat)
詩
八分咲きの桜の下
和服姿の女は背を向けて立ち
振り向きかけた横顔に
光る涙がひとすじ
思わず息をのんでしまった僕は
その光景を丸めると
ポケットに入れて持ち帰り
4畳半の自室に飾った
花が満開となり
やがて散り
木漏れ日のなか
落葉を見ながら
冷たい雨に打たれても
女は樹の下で涙していた
酔っ払って帰ってきた夜も二日酔いで頭が痛い朝も味噌汁を飲んでいるときも新聞を読んでいる途中にふと見上げたときも遥か北方の空にあるオーロラを想っているときも自分の要領の悪さが嫌になったときもニュースを見ながらキャスターのすらりと伸びた脚にうっとりとしているときもどうせ真面目に読んでいる人もいないから僕の夢は世界制服だなんて言ったて誰も気づかないだろうしそうそう故郷から木箱に入ったみかんが送られてきたときも好きな人が出来たときも好きな人とお別れしたときもいつでも
女の横顔には涙が光っていた
夜は背後からやってくる 肩を叩かれ振り返れば いつも夕闇
そしてまた
桜が咲き
ある朝目を覚ますと
女はいなくなっていた
おそらく一年が経ち
涙もやっと
乾くことが出来たのだろう
ときおり髭を剃りながら
もしかしたらあの人は
父方の祖母だったのかもしれない
などと
和服姿の女は背を向けて立ち
振り向きかけた横顔に
光る涙がひとすじ
思わず息をのんでしまった僕は
その光景を丸めると
ポケットに入れて持ち帰り
4畳半の自室に飾った
花が満開となり
やがて散り
木漏れ日のなか
落葉を見ながら
冷たい雨に打たれても
女は樹の下で涙していた
酔っ払って帰ってきた夜も二日酔いで頭が痛い朝も味噌汁を飲んでいるときも新聞を読んでいる途中にふと見上げたときも遥か北方の空にあるオーロラを想っているときも自分の要領の悪さが嫌になったときもニュースを見ながらキャスターのすらりと伸びた脚にうっとりとしているときもどうせ真面目に読んでいる人もいないから僕の夢は世界制服だなんて言ったて誰も気づかないだろうしそうそう故郷から木箱に入ったみかんが送られてきたときも好きな人が出来たときも好きな人とお別れしたときもいつでも
女の横顔には涙が光っていた
夜は背後からやってくる 肩を叩かれ振り返れば いつも夕闇
そしてまた
桜が咲き
ある朝目を覚ますと
女はいなくなっていた
おそらく一年が経ち
涙もやっと
乾くことが出来たのだろう
ときおり髭を剃りながら
もしかしたらあの人は
父方の祖母だったのかもしれない
などと
PR
この記事にコメントする