プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
44
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2003/12/13 (Sat)
五十一のデッサン
試験管の中に
一篇の詩がある
昔、科学者だった父が
生成に成功したものだ
父は本気で
詩で人を救うことができる
と、考えていたようだ
けれど、父が誰を救おうとしていたのか
僕は知らない
何故なら母を
そんなもので救うことはできない
父は知っていたはずだから
父も母ももう
詩の届かないところに行ってしまって
僕は今、言葉を紡いでいる
父の遺志を継ぐとか
母に捧げるとか
そんなものではなくて
僕が科学者になり損なってしまったからに
他ならない
誰に届けようとしているのだろう
誰を救おうとしているのだろう
ただ、誰かの中で
この言葉がささいな化学反応を起こし
わずか一滴の精油みたいなものになれば
僕はそれを詩と呼びたい
一篇の詩がある
昔、科学者だった父が
生成に成功したものだ
父は本気で
詩で人を救うことができる
と、考えていたようだ
けれど、父が誰を救おうとしていたのか
僕は知らない
何故なら母を
そんなもので救うことはできない
父は知っていたはずだから
父も母ももう
詩の届かないところに行ってしまって
僕は今、言葉を紡いでいる
父の遺志を継ぐとか
母に捧げるとか
そんなものではなくて
僕が科学者になり損なってしまったからに
他ならない
誰に届けようとしているのだろう
誰を救おうとしているのだろう
ただ、誰かの中で
この言葉がささいな化学反応を起こし
わずか一滴の精油みたいなものになれば
僕はそれを詩と呼びたい
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2003/12/02 (Tue)
五十一のデッサン
さっきからさ
そこにある
さ
が歪んでるんだよ
いきすぎ、いきすぎ
そうそう
そこをあと3ミリ左に
あっ、だめだめ
勝手に触っちゃいけない
ひとは下だってば
さるのもうちょっと下
騒ぐな、うるさい
そこにある
さ
が歪んでるんだよ
いきすぎ、いきすぎ
そうそう
そこをあと3ミリ左に
あっ、だめだめ
勝手に触っちゃいけない
ひとは下だってば
さるのもうちょっと下
騒ぐな、うるさい
2003/11/28 (Fri)
五十一のデッサン
夜中に突然
こどもが泣き出した
夢の中で
転んだ拍子に
こ
を二つに割ってしまったのだ、と
割れるということは
分かち合えるということなんだよ
そう言って二人で半分ずつ持つことにした
あの時の
こ
の半分を
僕はまだ大事に持っている
そして、まだ持っているだろうか
残りの半分を
僕の中の
幼いこどもは
こどもが泣き出した
夢の中で
転んだ拍子に
こ
を二つに割ってしまったのだ、と
割れるということは
分かち合えるということなんだよ
そう言って二人で半分ずつ持つことにした
あの時の
こ
の半分を
僕はまだ大事に持っている
そして、まだ持っているだろうか
残りの半分を
僕の中の
幼いこどもは
2003/11/25 (Tue)
五十一のデッサン
夜遅くまで
け
の生える音を
聞いていたね
横ぼうのあたりがつっかえたけど
それでも最後には
け
は
け
として立派だったね
翌日、きみは髪の毛を切って
僕だけ
どうしていいのかわからなかった
け
の生える音を
聞いていたね
横ぼうのあたりがつっかえたけど
それでも最後には
け
は
け
として立派だったね
翌日、きみは髪の毛を切って
僕だけ
どうしていいのかわからなかった
2003/11/23 (Sun)
五十一のデッサン
くしゃみをしたら
身体が
く
の字になった
何かを見たような気がして
もう一度身体を
く
の字にすると
それは
くつのつま先だった
くもり空の下を
たくさんの人が歩いていた
ところどころに
小さな
く
があったんだよ、って
今なら
あったんだよ、って
身体が
く
の字になった
何かを見たような気がして
もう一度身体を
く
の字にすると
それは
くつのつま先だった
くもり空の下を
たくさんの人が歩いていた
ところどころに
小さな
く
があったんだよ、って
今なら
あったんだよ、って
2003/11/21 (Fri)
五十一のデッサン
きっと戻る
その言葉は
僕の聞き違いだったのだろうか
君が
木と戻る
なんて
見事な枝ぶりですね
そうほめると
恥ずかしそうに
ゆさゆさ揺れるものだから
部屋は瞬く間に
葉っぱだらけになってしまう
放っておけば勝手に光合成するから
って
そんな問題じゃない
その言葉は
僕の聞き違いだったのだろうか
君が
木と戻る
なんて
見事な枝ぶりですね
そうほめると
恥ずかしそうに
ゆさゆさ揺れるものだから
部屋は瞬く間に
葉っぱだらけになってしまう
放っておけば勝手に光合成するから
って
そんな問題じゃない
2003/11/20 (Thu)
五十一のデッサン
かんぺきなかんづめ
かんぺきなかんづめ
かんぺきなかんづめ
忘れていた呪文をふと思い出して
となえてみる
何が起こるのか、どきどきしていたら
缶詰が三つ出てきて
しかもそれは
完璧だった
肝心の
缶きりを出す呪文が思い出せなくて
かんぺきなかんきり
かんぺきなかんきり
かんぺきなかんきり
となえてみたけど
缶きりは出てこない
かわりにどこかで
カチリ
という音
この部屋で何かが起こったのは確かだ
かんぺきなかんづめ
かんぺきなかんづめ
忘れていた呪文をふと思い出して
となえてみる
何が起こるのか、どきどきしていたら
缶詰が三つ出てきて
しかもそれは
完璧だった
肝心の
缶きりを出す呪文が思い出せなくて
かんぺきなかんきり
かんぺきなかんきり
かんぺきなかんきり
となえてみたけど
缶きりは出てこない
かわりにどこかで
カチリ
という音
この部屋で何かが起こったのは確かだ
2003/11/18 (Tue)
五十一のデッサン
列車から降りると
駅の周りは一面
え
の花でいっぱいだった
若い駅員が鉢植えの
え
の花に水をあげている
あれはきっと
春と呼ばれる季節だったに
ちがいない
君が僕のてのひらに
え
と、小さく書いたのも
駅の周りは一面
え
の花でいっぱいだった
若い駅員が鉢植えの
え
の花に水をあげている
あれはきっと
春と呼ばれる季節だったに
ちがいない
君が僕のてのひらに
え
と、小さく書いたのも
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