プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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髪の毛にエレベーターが刺さっている女の人と
危うくぶつかりそうになって
うっかり乗りそうになりましたが
それよりも階段の方が健康に良いので
大丈夫でした
自動販売機の前では
一匹のライオンが途方にくれていて
代わりにコインを入れてあげると
ライオンはたいそう喜んで
美味しそうに私を食べました
食べられた私は太り続けていきます
お見込みのとおりへそを押すとチョロチョロ
コーヒーが出てくる仕掛けです
カフェインカットのあれですね
そんなわけですから
私の父もきっぱりと煙草をやめたまま
小さくなり丸くなり
やがて点になりました
八幡屋のうなぎはうまい
それが残された家族の定説になりつつありますが
デザートを頼まなくなってから
いくつかの戦を経験しました
それでは今日も一日
体内バランスよくヘルシーでありますように
さようなら
甘えん坊のあなたと私
危うくぶつかりそうになって
うっかり乗りそうになりましたが
それよりも階段の方が健康に良いので
大丈夫でした
自動販売機の前では
一匹のライオンが途方にくれていて
代わりにコインを入れてあげると
ライオンはたいそう喜んで
美味しそうに私を食べました
食べられた私は太り続けていきます
お見込みのとおりへそを押すとチョロチョロ
コーヒーが出てくる仕掛けです
カフェインカットのあれですね
そんなわけですから
私の父もきっぱりと煙草をやめたまま
小さくなり丸くなり
やがて点になりました
八幡屋のうなぎはうまい
それが残された家族の定説になりつつありますが
デザートを頼まなくなってから
いくつかの戦を経験しました
それでは今日も一日
体内バランスよくヘルシーでありますように
さようなら
甘えん坊のあなたと私
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横断歩道の真中で
持ち主を失った目覚し時計が鳴っている
この世のどこかにはそんな交差点があって
生きている人間は普通に呼吸しながら
もう生きていけない人間に
静かな止めを刺しているんだろう
人は人の悲しみを背負うことなどできない
一足の靴にまつわる幸せな嘘が書き連ねられた
紙ナプキンをたたみ
富沢さんは
国際空港から発つ
持ち主を失った目覚し時計が鳴っている
この世のどこかにはそんな交差点があって
生きている人間は普通に呼吸しながら
もう生きていけない人間に
静かな止めを刺しているんだろう
人は人の悲しみを背負うことなどできない
一足の靴にまつわる幸せな嘘が書き連ねられた
紙ナプキンをたたみ
富沢さんは
国際空港から発つ


僕らはいつまで子供でいるというのか
100メートル競争に出場したままゴールから帰って来ない少年
給食を食べ続けたまま昼休みの教室から帰って来ない少女
草原では僕の生家が新たな生家産み続けているから
交差点では君の両親が入水の準備をしているから
辞書の中では世界の模倣が始まっているから
恐くて
僕らはまだ出会うことができない
恐いから子供でいるのは嫌だよ
もうこんな子供でいるのは嫌だよ
あの犬や猫のように早く大人になりたいよ
「なれません」
そして早く君と出会いたい
「無理です」
ミイラを取りに行ってミイラになれないまま僕は帰宅
君は優しく「おかえりなさい」を言ってくれるけど
二人はまだ出会ってないから君のお鍋の中はいつも空っぽ
いつ出会うことができるんだろうね、という風の口癖を真似ると
手をつないだ僕らはアンモニアのプールで青焼きの設計図になる
むしろその前に美しい溺死体になる
本当はまだ子供でいたいよ
僕は君の何も知りたくないよ
僕は僕の何も知りたくないよ
「知ってください」
人気の無い陸橋の上
人気の無い車の屋根や人気の無い人を見送りながら
ファースト・キスで僕らは確定される
そして静かに君の精通が始まり
僕は初潮をむかえる
100メートル競争に出場したままゴールから帰って来ない少年
給食を食べ続けたまま昼休みの教室から帰って来ない少女
草原では僕の生家が新たな生家産み続けているから
交差点では君の両親が入水の準備をしているから
辞書の中では世界の模倣が始まっているから
恐くて
僕らはまだ出会うことができない
恐いから子供でいるのは嫌だよ
もうこんな子供でいるのは嫌だよ
あの犬や猫のように早く大人になりたいよ
「なれません」
そして早く君と出会いたい
「無理です」
ミイラを取りに行ってミイラになれないまま僕は帰宅
君は優しく「おかえりなさい」を言ってくれるけど
二人はまだ出会ってないから君のお鍋の中はいつも空っぽ
いつ出会うことができるんだろうね、という風の口癖を真似ると
手をつないだ僕らはアンモニアのプールで青焼きの設計図になる
むしろその前に美しい溺死体になる
本当はまだ子供でいたいよ
僕は君の何も知りたくないよ
僕は僕の何も知りたくないよ
「知ってください」
人気の無い陸橋の上
人気の無い車の屋根や人気の無い人を見送りながら
ファースト・キスで僕らは確定される
そして静かに君の精通が始まり
僕は初潮をむかえる


自転車にひょっとこ
荷台ボロボロ
俺、激しくペダル
自転車にひょっとこ
走れ
俺号
うおーっ、うおーっと雄叫び
おまえの背中が春に似ていて、俺
自転車にひょっとこ
泣けるねえ、泣けるよ
口笛は吸っても音が出ますよ、と
シソーノーローのひょっとこ
つまるところ俺のフットは
ペダルの上
自転車にひょっとこ
湿布貼っとこ
自転車にひょっとこ
愛は突然かもしれねえが
突然は愛なんかじゃない
って本当?ひょっとこ?
おまえ本物じゃねえだろ
自転車にひょっとこ
時には歯切れの悪さも必要です
確かに必要で
自転車にひょっとこ
した
自転車にひょっとこ
何だかウキウキしてきたぞー
目は血走ってるけどねー
(鏡で見たらねー)
自転車にひょっと
こ
で、話の続きですが
俺、泣いてる、激しく夏の炎天下
右手にこん棒を持たずに
左手にパンタグラフを持たずに
気がつくといつも何も無じゃあないか
気がつくと口が
ニュウって突き出してるじゃないか
うおーっ、うおーっという雄叫びも
軽やかに俺の発語でした
自転車にひょっとこ
あるものはある
ないものはない
そんなつまらないことを確認するために
俺たちは生まれてきたのでしょうか
ねえ、Myひょっとこちゃん
荷台ボロボロ
俺、激しくペダル
自転車にひょっとこ
走れ
俺号
うおーっ、うおーっと雄叫び
おまえの背中が春に似ていて、俺
自転車にひょっとこ
泣けるねえ、泣けるよ
口笛は吸っても音が出ますよ、と
シソーノーローのひょっとこ
つまるところ俺のフットは
ペダルの上
自転車にひょっとこ
湿布貼っとこ
自転車にひょっとこ
愛は突然かもしれねえが
突然は愛なんかじゃない
って本当?ひょっとこ?
おまえ本物じゃねえだろ
自転車にひょっとこ
時には歯切れの悪さも必要です
確かに必要で
自転車にひょっとこ
した
自転車にひょっとこ
何だかウキウキしてきたぞー
目は血走ってるけどねー
(鏡で見たらねー)
自転車にひょっと
こ
で、話の続きですが
俺、泣いてる、激しく夏の炎天下
右手にこん棒を持たずに
左手にパンタグラフを持たずに
気がつくといつも何も無じゃあないか
気がつくと口が
ニュウって突き出してるじゃないか
うおーっ、うおーっという雄叫びも
軽やかに俺の発語でした
自転車にひょっとこ
あるものはある
ないものはない
そんなつまらないことを確認するために
俺たちは生まれてきたのでしょうか
ねえ、Myひょっとこちゃん


冷蔵庫が空と意味の境目を走る
洗濯機は今日も何かを言いそびれている
昔、電子レンジで猫を乾かそうとした人の話を
聞いたことがある
まさか自分がその当事者になろうとは
炊飯器が黙祷の準備を始めた
涙は小さ過ぎてわからなかったが
テレビの中では沢山の人が悲しんでいる
洗濯機は今日も何かを言いそびれている
昔、電子レンジで猫を乾かそうとした人の話を
聞いたことがある
まさか自分がその当事者になろうとは
炊飯器が黙祷の準備を始めた
涙は小さ過ぎてわからなかったが
テレビの中では沢山の人が悲しんでいる


春の偏西風が吹いて反芻は加速度を増す
牧場は世界との境界線を更に曖昧にする
牛飼いは牛の記憶を朗読している
元牛飼いはふと乗り換えるべき駅を間違えている
世界で最も模範的な牛に関する解答が
牛を知らない採点官によって焼却されている
その向こうの小高い丘の上では
僕の大切な人が両手を広げて空を見失う
僕は傷のない右手で美しい千摺りに明け暮れたまま
いったい何頭の牛とやっちまったというのか
牛の絶叫が僕の口の中で柔らかな繊維質となる
存在しない牛が存在しない草を食んでいる
そんな存在しない寓話を存在しない僕が書き続けている
もう牛のために
これ以上僕を探すな
牧場は世界との境界線を更に曖昧にする
牛飼いは牛の記憶を朗読している
元牛飼いはふと乗り換えるべき駅を間違えている
世界で最も模範的な牛に関する解答が
牛を知らない採点官によって焼却されている
その向こうの小高い丘の上では
僕の大切な人が両手を広げて空を見失う
僕は傷のない右手で美しい千摺りに明け暮れたまま
いったい何頭の牛とやっちまったというのか
牛の絶叫が僕の口の中で柔らかな繊維質となる
存在しない牛が存在しない草を食んでいる
そんな存在しない寓話を存在しない僕が書き続けている
もう牛のために
これ以上僕を探すな


錦糸町駅で停車した総武線快速に
一匹のナナホシテントウが迷い込んだ
光に向かって飛ぼうとするが
むなしく窓ガラスにぶつかるだけだ
外に出してあげようにも
列車は地下に入ってしまって
テントウムシが生きていける環境ではない
結局ピルケースに入れて東京駅でいっしょに乗り換え
上野公園に放すことにした
公園には木や草がたくさんあったが
彼の主食であるアブラムシはいるのだろうか
せめて伴侶を見つけ
その小さなDNAの一片でも残すことができたらいい
いずれにせよそんなことを考えている間
僕は善人でいることができた
その後、東京国立博物館の特別展で
エジプトやメソポタミアやギリシアの
たくさんの神々を見た
テントウムシ
人間が作り出した神々
この二つの事柄を関係付け何かを語ることは容易い
しかしそのことによって生み出された意味が
何の意味も無いことを僕は知っている
これはゴールデンウィークのとある日のエッセイだ
そしてこのように書き記さなければ
数日後には忘れてしまう記憶だ
一匹のナナホシテントウが迷い込んだ
光に向かって飛ぼうとするが
むなしく窓ガラスにぶつかるだけだ
外に出してあげようにも
列車は地下に入ってしまって
テントウムシが生きていける環境ではない
結局ピルケースに入れて東京駅でいっしょに乗り換え
上野公園に放すことにした
公園には木や草がたくさんあったが
彼の主食であるアブラムシはいるのだろうか
せめて伴侶を見つけ
その小さなDNAの一片でも残すことができたらいい
いずれにせよそんなことを考えている間
僕は善人でいることができた
その後、東京国立博物館の特別展で
エジプトやメソポタミアやギリシアの
たくさんの神々を見た
テントウムシ
人間が作り出した神々
この二つの事柄を関係付け何かを語ることは容易い
しかしそのことによって生み出された意味が
何の意味も無いことを僕は知っている
これはゴールデンウィークのとある日のエッセイだ
そしてこのように書き記さなければ
数日後には忘れてしまう記憶だ


僕らの旅は午後の教室から始まる
机の上ではまだら模様の教科書が青い空を目指し
ゆっくりと羽化している
君の強固な筆入れは中身がすべて行方知らずの風紋
象が踏んでも壊れないけど
涙の一粒で簡単に崩壊してしまう
歴史の教師が律令制度に意義を唱えている間
僕らは残しておいた給食のパンを食べ終え
さあ、外へ行こう
昇降口への地図が生臭いのは
日直になれなかった僕らの汗腺が付着しているからだ
学級委員が副委員とよろしくやりながら
左手にできた水イボを潰すことに余念が無い間
さあ外へ!外へ行こう!
歴史の教師はまだ開国されていない浦賀沖に向かって
遥か遠泳をしているぞ
手紙を回せ!
僕らが無駄に生きてるのではないという証に
校庭の隅で積んだクローバーがすべて
四葉だったので恐くなって焼却炉に投げ入れた
いったいあれはいつのことだったか
そのように思い出そうとすると
僕らの旅はいつもそこで終わる
そしてまた
教室は旅を始める
机の上ではまだら模様の教科書が青い空を目指し
ゆっくりと羽化している
君の強固な筆入れは中身がすべて行方知らずの風紋
象が踏んでも壊れないけど
涙の一粒で簡単に崩壊してしまう
歴史の教師が律令制度に意義を唱えている間
僕らは残しておいた給食のパンを食べ終え
さあ、外へ行こう
昇降口への地図が生臭いのは
日直になれなかった僕らの汗腺が付着しているからだ
学級委員が副委員とよろしくやりながら
左手にできた水イボを潰すことに余念が無い間
さあ外へ!外へ行こう!
歴史の教師はまだ開国されていない浦賀沖に向かって
遥か遠泳をしているぞ
手紙を回せ!
僕らが無駄に生きてるのではないという証に
校庭の隅で積んだクローバーがすべて
四葉だったので恐くなって焼却炉に投げ入れた
いったいあれはいつのことだったか
そのように思い出そうとすると
僕らの旅はいつもそこで終わる
そしてまた
教室は旅を始める


午後に服用するサプリメントの瓶を並べすぎて
リーゼントのことなど僕はすっかり忘れてしまった
内ポケットに隠し持つ洗面器に溜まり続ける水を
捨ててくれた祖母は満員電車の乗客に押しつぶされたまま
昔二人で食べた草もちの味をか細い言葉でただ書き連ねる
ああ、デブ
僕のバストは100cm強にまで隆起し
120cm弱にまで発達したウェストとともに
どこかに置き去りにされているヒップを探し求めている
それはリーゼントより深刻な問題ではありません、と
述べる同僚は既に三児の父親として硫酸ピッチを誤飲
くけー、くけー、リーゼントだったら良かったのに
注文したカルビセットが届かないメリケン粉の密売人は
自分の不幸が印刷された世界名作全集第89巻の挿絵と
勝てないジャンケンをしているうちに大人になったのだ
せせらぎはそよ風よりも優しい
リーゼントにとってそんなことはあたりまえじゃあないか
だというのに肘の重量に耐え切れず陥没したテーブルの脚に
すがりつき僕はリーゼントのことなどすっかり忘れている
床に落ちてる一本の髪の毛を齧ると
その律動はすべての地図記号をト音記号に摩り替える僕の一端
あまりに悲しみに明け暮れてしまって
各駅停車の停まらない駅で途中下車した僕は
大きく張り出した肩甲骨がつっかえて自動改札機を通過できない
その鼻先をかすめて遠ざかっていく僕のヒップ!
その後を俯き加減についていく僕のリーゼント!
リーゼントのことなど僕はすっかり忘れてしまった
内ポケットに隠し持つ洗面器に溜まり続ける水を
捨ててくれた祖母は満員電車の乗客に押しつぶされたまま
昔二人で食べた草もちの味をか細い言葉でただ書き連ねる
ああ、デブ
僕のバストは100cm強にまで隆起し
120cm弱にまで発達したウェストとともに
どこかに置き去りにされているヒップを探し求めている
それはリーゼントより深刻な問題ではありません、と
述べる同僚は既に三児の父親として硫酸ピッチを誤飲
くけー、くけー、リーゼントだったら良かったのに
注文したカルビセットが届かないメリケン粉の密売人は
自分の不幸が印刷された世界名作全集第89巻の挿絵と
勝てないジャンケンをしているうちに大人になったのだ
せせらぎはそよ風よりも優しい
リーゼントにとってそんなことはあたりまえじゃあないか
だというのに肘の重量に耐え切れず陥没したテーブルの脚に
すがりつき僕はリーゼントのことなどすっかり忘れている
床に落ちてる一本の髪の毛を齧ると
その律動はすべての地図記号をト音記号に摩り替える僕の一端
あまりに悲しみに明け暮れてしまって
各駅停車の停まらない駅で途中下車した僕は
大きく張り出した肩甲骨がつっかえて自動改札機を通過できない
その鼻先をかすめて遠ざかっていく僕のヒップ!
その後を俯き加減についていく僕のリーゼント!


今日も俺は核家族のために働く
核家族を食わさなけらばならない
路頭に迷わせてはならない
俺はいとも簡単にスマイルを作り出し
その唇の端には
いつも核家族がぶら下がってる
連休は月並みにどこかに出かけ
連休はどこも混んでるね、と言って
月並みにどこにも出かけない
そして月並みということについて
俺と核家族は何も語らない
俺が仕事をしている間
核家族は握り、わたり、吐き、
触れたり、ふさがらなかったりしている
帰りのホームで電車を待っていると
右手も左手も既に核家族でいっぱいになってる
時々足元で小さな生き物の集団が死んでいるが
それは核家族ではないから
家長の俺は心配しなくても良い
核家族を食わさなけらばならない
路頭に迷わせてはならない
俺はいとも簡単にスマイルを作り出し
その唇の端には
いつも核家族がぶら下がってる
連休は月並みにどこかに出かけ
連休はどこも混んでるね、と言って
月並みにどこにも出かけない
そして月並みということについて
俺と核家族は何も語らない
俺が仕事をしている間
核家族は握り、わたり、吐き、
触れたり、ふさがらなかったりしている
帰りのホームで電車を待っていると
右手も左手も既に核家族でいっぱいになってる
時々足元で小さな生き物の集団が死んでいるが
それは核家族ではないから
家長の俺は心配しなくても良い