プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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胃が四つに分裂しています
健康診断の結果、そう言われた
どういうことなのか理解できずにいる私に
つまりは反芻するということです
医者はたたみかけるように言う
反芻とはウシがするあの反芻ですか?
というより、あなたはウシになるのです
ますます頭がこんがらがる
後天性牛化症候群という病気です
日本では年に一人だけ発病します
くだけた感じで言うと
おめでとうございます!
あなたは日本全国一億二千六百万人の中からたった一人選ばれました!
ってところでしょうか
人間に食べられてきたウシの呪いという説もありますが
詳しい原因は不明です
日本政府及び日本医師会は混乱を恐れ
この病気についての公表は一切していません
心配はいりません
日本政府はあなたをウシとしてきちんと世話するし
家族の方々の生活も一生保障されます
事態が飲み込めてきた
そういえば食べたなあ、ウシ
ステーキ、焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ハンバーグにビーフシチュー
銀座のフランス料理屋で食べたあの料理は何ていったっけ
それにしても何で私なんだろう
人より多くウシを食べたというわけでもないのに
感謝の念が足りなかったのかもしれない
ウシに対しても人に対しても
やす子(妻)
ひとみ(娘)
お父さんはウシになるよ
いろいろな想いが浮かんでは消える
それで…
まだまだ聞きたいことはたくさんあったけど
すでに
モー
としか鳴かなかった
健康診断の結果、そう言われた
どういうことなのか理解できずにいる私に
つまりは反芻するということです
医者はたたみかけるように言う
反芻とはウシがするあの反芻ですか?
というより、あなたはウシになるのです
ますます頭がこんがらがる
後天性牛化症候群という病気です
日本では年に一人だけ発病します
くだけた感じで言うと
おめでとうございます!
あなたは日本全国一億二千六百万人の中からたった一人選ばれました!
ってところでしょうか
人間に食べられてきたウシの呪いという説もありますが
詳しい原因は不明です
日本政府及び日本医師会は混乱を恐れ
この病気についての公表は一切していません
心配はいりません
日本政府はあなたをウシとしてきちんと世話するし
家族の方々の生活も一生保障されます
事態が飲み込めてきた
そういえば食べたなあ、ウシ
ステーキ、焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ハンバーグにビーフシチュー
銀座のフランス料理屋で食べたあの料理は何ていったっけ
それにしても何で私なんだろう
人より多くウシを食べたというわけでもないのに
感謝の念が足りなかったのかもしれない
ウシに対しても人に対しても
やす子(妻)
ひとみ(娘)
お父さんはウシになるよ
いろいろな想いが浮かんでは消える
それで…
まだまだ聞きたいことはたくさんあったけど
すでに
モー
としか鳴かなかった
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すっからかんだ
きっと僕には
す
が入ってるんだろう
酢じゃない
ごぼうの芯などに穴があいている
あの
す
だ
ちなみに
す
の入った大根を
ばか大根
なんて僕は呼んでいる
更に言えば
スーパーで安売りしている
うなぎの蒲焼の妙に歯ごたえのいいやつは
ごむうなぎ
これはあまり関係ない
そう、
す
の話だった
外壁に隔絶された
す
だけど
道をきちんとつくってあげれば
空とつながることができる
つまり僕の
す
も空の一部になりえる
と、すかすかの僕が考えている
あの青い空をドロップスにしたら素敵な味になるんだろうね
君はそう言っていた
どこかで幸せに暮らしていてほしい
一度でもいいから
祈っておけばよかった
きっと僕には
す
が入ってるんだろう
酢じゃない
ごぼうの芯などに穴があいている
あの
す
だ
ちなみに
す
の入った大根を
ばか大根
なんて僕は呼んでいる
更に言えば
スーパーで安売りしている
うなぎの蒲焼の妙に歯ごたえのいいやつは
ごむうなぎ
これはあまり関係ない
そう、
す
の話だった
外壁に隔絶された
す
だけど
道をきちんとつくってあげれば
空とつながることができる
つまり僕の
す
も空の一部になりえる
と、すかすかの僕が考えている
あの青い空をドロップスにしたら素敵な味になるんだろうね
君はそう言っていた
どこかで幸せに暮らしていてほしい
一度でもいいから
祈っておけばよかった


試験管の中に
一篇の詩がある
昔、科学者だった父が
生成に成功したものだ
父は本気で
詩で人を救うことができる
と、考えていたようだ
けれど、父が誰を救おうとしていたのか
僕は知らない
何故なら母を
そんなもので救うことはできない
父は知っていたはずだから
父も母ももう
詩の届かないところに行ってしまって
僕は今、言葉を紡いでいる
父の遺志を継ぐとか
母に捧げるとか
そんなものではなくて
僕が科学者になり損なってしまったからに
他ならない
誰に届けようとしているのだろう
誰を救おうとしているのだろう
ただ、誰かの中で
この言葉がささいな化学反応を起こし
わずか一滴の精油みたいなものになれば
僕はそれを詩と呼びたい
一篇の詩がある
昔、科学者だった父が
生成に成功したものだ
父は本気で
詩で人を救うことができる
と、考えていたようだ
けれど、父が誰を救おうとしていたのか
僕は知らない
何故なら母を
そんなもので救うことはできない
父は知っていたはずだから
父も母ももう
詩の届かないところに行ってしまって
僕は今、言葉を紡いでいる
父の遺志を継ぐとか
母に捧げるとか
そんなものではなくて
僕が科学者になり損なってしまったからに
他ならない
誰に届けようとしているのだろう
誰を救おうとしているのだろう
ただ、誰かの中で
この言葉がささいな化学反応を起こし
わずか一滴の精油みたいなものになれば
僕はそれを詩と呼びたい


もちを食べていたら
中から
ラケット二本と
シャトルが一つでてきた
正月は羽子板だよね
とか言いながら
僕らはいつまでも
バトミントンをし続けた
あの日
何回まで数えることが
できたのだろう
ただの退屈だ、と
誰にも
笑われることなく
+
もちを食べていたら
中から「もちの精」がでてきた
願いごとをいくつか
かなえろ
と言う
何故さ!
つっこむ間もなく
「もちの精」は勝手に願いごとを言う
とてもじゃないけどかなえられそうにもないし
期限があるわけでもないらしいので
放っておくことにする
友人に出した年賀状が一通
あて先不明で返送されてきた
元気でやってます
伝えたいのはそれだけだった
+
もちを食べていたら
自分がもちであることに気づいた
さっきまで同じパックに入っていた仲間を
ごめんよ、ごめんよ
と言いながら涙を流して食べている
もちがもちを食べるものだから
ぐちゃぐちゃに
くっついて
ひっついて
からみついて
どこからどこまでが自分なのかわからなくなる
そんな僕を君が食べている
ごめんなさい、ごめんなさい
って
+
もちも美味しいと感じるのは元旦くらいで
二日には白いご飯と味噌汁が恋しくなる
箸休めにここで一曲歌うことにする
けれど、その歌を耳で聴くことはできないだろう
だって
歌はいつも
心で聴くものだから
+
もちを食べる
中からは
ラケットも
シャトルも
「もちの精」も
出てくることはない
ましてや
僕はもちではないし
君も僕を食べたりはしない
そんな当たり前のことを幸せに感じるのは
一年のうちでも正月だけかもしれない
と、当たり前に思う
それから買っておいたラケットとシャトルで
君とバドミントンをする
数える必要はない
僕らが日々願うことなんて
たかが知れてる
中から
ラケット二本と
シャトルが一つでてきた
正月は羽子板だよね
とか言いながら
僕らはいつまでも
バトミントンをし続けた
あの日
何回まで数えることが
できたのだろう
ただの退屈だ、と
誰にも
笑われることなく
+
もちを食べていたら
中から「もちの精」がでてきた
願いごとをいくつか
かなえろ
と言う
何故さ!
つっこむ間もなく
「もちの精」は勝手に願いごとを言う
とてもじゃないけどかなえられそうにもないし
期限があるわけでもないらしいので
放っておくことにする
友人に出した年賀状が一通
あて先不明で返送されてきた
元気でやってます
伝えたいのはそれだけだった
+
もちを食べていたら
自分がもちであることに気づいた
さっきまで同じパックに入っていた仲間を
ごめんよ、ごめんよ
と言いながら涙を流して食べている
もちがもちを食べるものだから
ぐちゃぐちゃに
くっついて
ひっついて
からみついて
どこからどこまでが自分なのかわからなくなる
そんな僕を君が食べている
ごめんなさい、ごめんなさい
って
+
もちも美味しいと感じるのは元旦くらいで
二日には白いご飯と味噌汁が恋しくなる
箸休めにここで一曲歌うことにする
けれど、その歌を耳で聴くことはできないだろう
だって
歌はいつも
心で聴くものだから
+
もちを食べる
中からは
ラケットも
シャトルも
「もちの精」も
出てくることはない
ましてや
僕はもちではないし
君も僕を食べたりはしない
そんな当たり前のことを幸せに感じるのは
一年のうちでも正月だけかもしれない
と、当たり前に思う
それから買っておいたラケットとシャトルで
君とバドミントンをする
数える必要はない
僕らが日々願うことなんて
たかが知れてる


種のようなものを拾った
地面に埋めて水をやった
芽のようなものが出て
葉のようなものになって
つぼみのようなものがついて
花のようなものが咲いた
僕のような人がそれを見ている
何か言いそびれた気がする
地面に埋めて水をやった
芽のようなものが出て
葉のようなものになって
つぼみのようなものがついて
花のようなものが咲いた
僕のような人がそれを見ている
何か言いそびれた気がする


さっきからさ
そこにある
さ
が歪んでるんだよ
いきすぎ、いきすぎ
そうそう
そこをあと3ミリ左に
あっ、だめだめ
勝手に触っちゃいけない
ひとは下だってば
さるのもうちょっと下
騒ぐな、うるさい
そこにある
さ
が歪んでるんだよ
いきすぎ、いきすぎ
そうそう
そこをあと3ミリ左に
あっ、だめだめ
勝手に触っちゃいけない
ひとは下だってば
さるのもうちょっと下
騒ぐな、うるさい


小指が一本ぽっつりと
宙に浮いていた
今思うと不思議な光景だけど
父か母に怒られた後だったのだろう
僕は何の疑問も持たずに
自分の小指をからませ
良い子になります
指きりげんまん
うそついたら針千本
約束をした
以来、僕は良い子だった
良い子のまま良い大人になって
結婚をして子供が生まれ
良い父親にもなった
それなのに
良い夫になり損なってしまったとは
大事にするよ
あの日、そう指きりをしたというのにね
電話をしたり
署名をしたり
ハンコを押したり
これからいろいろな手続きが待っている
良い大人の僕は
多分それらを模範的にこなしていく
ふと見ると
宙に小指が一本
ぽっつり浮いている
もう誰とも約束しません
指きりげんまん
うそついたら針千本
それを最後にした
宙に浮いていた
今思うと不思議な光景だけど
父か母に怒られた後だったのだろう
僕は何の疑問も持たずに
自分の小指をからませ
良い子になります
指きりげんまん
うそついたら針千本
約束をした
以来、僕は良い子だった
良い子のまま良い大人になって
結婚をして子供が生まれ
良い父親にもなった
それなのに
良い夫になり損なってしまったとは
大事にするよ
あの日、そう指きりをしたというのにね
電話をしたり
署名をしたり
ハンコを押したり
これからいろいろな手続きが待っている
良い大人の僕は
多分それらを模範的にこなしていく
ふと見ると
宙に小指が一本
ぽっつり浮いている
もう誰とも約束しません
指きりげんまん
うそついたら針千本
それを最後にした


困ってるんだね
たしかに世の中困ったことだらけさ
ロケットの打ち上げには相変わらず失敗するしね
ましてやこんがらがったそんな靴ひもじゃ
外にも出かけられやしないよ
でもね、想像してごらん
困ったことのない世界を
風が吹いているね
少し考えてごらん
やっぱり困ったことなんて無い方がいいね
見て
ほら、日が暮れていくよ
あの街灯の下
しっぽが犬を振っているよ
たしかに世の中困ったことだらけさ
ロケットの打ち上げには相変わらず失敗するしね
ましてやこんがらがったそんな靴ひもじゃ
外にも出かけられやしないよ
でもね、想像してごらん
困ったことのない世界を
風が吹いているね
少し考えてごらん
やっぱり困ったことなんて無い方がいいね
見て
ほら、日が暮れていくよ
あの街灯の下
しっぽが犬を振っているよ


夜中に突然
こどもが泣き出した
夢の中で
転んだ拍子に
こ
を二つに割ってしまったのだ、と
割れるということは
分かち合えるということなんだよ
そう言って二人で半分ずつ持つことにした
あの時の
こ
の半分を
僕はまだ大事に持っている
そして、まだ持っているだろうか
残りの半分を
僕の中の
幼いこどもは
こどもが泣き出した
夢の中で
転んだ拍子に
こ
を二つに割ってしまったのだ、と
割れるということは
分かち合えるということなんだよ
そう言って二人で半分ずつ持つことにした
あの時の
こ
の半分を
僕はまだ大事に持っている
そして、まだ持っているだろうか
残りの半分を
僕の中の
幼いこどもは