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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2026/01/25 (Sun)
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2001/12/03 (Mon)
窓を開けると
太陽がまぶしくて
手でひさしを作って
昨日より高い空を見上げる

朝日に敬礼

さあ、
1日を始めようか
PR
2001/12/02 (Sun)
辞書は本当は辞書になんか
なりたくなかったんだよ
本当は絵本になりたかったのさ

だから、辞書は本棚で寝ている間
書かれているすべての文字を
手荷物預かり所に預けて
夢の中で
真っ白な頁に
いろんな絵を描いているんだ

人間が辞書を捲ると
慌てて辞書は目を覚まし
手荷物預かり所から文字を取ってくる
そしていつものように澄まして
この言葉の意味はこうである、
なんて講釈を始める

でも慌てたものだから
時々文字がひっくり返っていたり
書いてある場所が違ってたりする
よおく探して見ると
発見できるかもしれないよ

もっとも、インド洋と同じくらい広いプールに
砂鉄を巻いて
その中から一粒の石英を見つけるくらい
難しいことなんだけどね
2001/12/01 (Sat)
午前3時33分33秒になったら
こっそりと本棚から
辞書を取り出してごらん
 
99頁と100頁の間に
もう1頁できていて
そこにはとても大切なことが
書いてあるから
 
でもその大切なことが何であるのか
実は誰も知らないんだ
だって誰も見たことがないんだもの
 
その理由は3つ
 
ひとつめは
午前3時33分33秒を正確に守るということが
非常に困難であるということ
1秒でも早かったり遅かったりしては駄目だ
いや、0.000000001秒でもね
 
ふたつめは
辞書に気づかれてはいけないといこと
辞書はちょっとした振動でも目をさますから
こっそりと接近し
こっそりと取りだし
こっそりと頁を捲らなくてはいけない
 
みっつめは
このお話が
昨年の君の誕生日に語ろうと思って
披露し損ねてしまった
僕の作り話であるということ
 
でもどうだろう
今夜こっそりと試してみないか
午前3時33分33秒に
 
本を読むことが大好きで
辞書を捲るのが大好きな君
それは10年前に
君が産まれた時間
2001/11/30 (Fri)
石英は人魚のうろこ

まだすべての大陸が
海の底に沈んでいた頃の

忘れ形見
2001/11/30 (Fri)
秋の夕暮れに
夕日がふたつ

赤く熟した
太陽と柿のみ

風に揺られて
見分けがついた
2001/11/29 (Thu)
駅前の喫茶店「ガンダーラ」で働くミチコさんは
「ガンダーラ」が何であるのか知りません
マスターに聞いても
無口である彼は下を向いて微笑するばかりなのです

ある日インターネットで検索してみると
一番最初に見つかったのが「ホテル・ガンダーラ」
「ガンダーラ」とはホテルのことであると
彼女は理解したのでした

それから半年後ミチコさんは
喫茶店をやめ
故郷に帰り
見合いをし
そのまま結婚
二人の娘が出来ました

時々喫茶店「ガンダーラ」のことを思い出し
まだあのマスターは元気でいるのかしら
なんて思い出すこともありますが
特に電話をするわけでもなく
手紙を書くわけでもなく
子育てや家事に追われ
気がつけば娘は二人とも成人し
嫁いで行きました

そして長女は出産をむかえ
ミチコさんは初孫の顔を見るに至りました
その夜、病院から帰ってきて偶然つけたテレビで
「ガンダーラ」とは
パキスタンからアフガニスタンにかけての地域を指す
古い地名だと知ったのです

さて、件の喫茶店「ガンダーラ」ですが
ミチコさんが故郷に帰って数年後に
再開発で取り壊され
後には大きなショッピングセンターが建設されました
無口だったマスターは誰にも行先をつげず
彼の行方を知っているものは
もう街にはいません

これが私の知っている
喫茶店「ガンダーラ」の顛末のすべてです

最後に一言付け加えさせていただければ

ガンダーラは
みんなの心の中にあります
2001/11/28 (Wed)
桜の枝を折ったジョージは
一生砂漠の砂を数え続けるという
罰を受けた

ああ、それならいっそのこと死刑にしてください
そう懇願したが

いやいや、罰とはそういうものなのだ
裁判長のこの一言で閉廷となった

ジョージは毎日毎日砂漠の砂の数を数え
自らの死を望んでいたものの
やがて自分がしていることの尊さを知り
いつしか
この砂漠の砂の一粒になりたいと
思うようになった

そして、気付けば
ジョージは砂の一粒になって
風に吹かれていた

砂漠を構成する砂のすべては
このような魂でできており
だから、砂漠は
果てしなく尽きることがないのである

ここまで書いたロレンス博士は
ふん、馬鹿げた物語を書いたものだ、と
紙を丸めてラクダとともに旅を続けた

丸められた紙は風にとばされ
ジョージ少年のところに届いた
それを読んだ少年は
桜の枝を折ってしまったことを
父親に告白しようと決心した
そこには、正直になれば裁かれることはないという
少年なりの計算があったのかも知れない


そして今、これを書いている私は
未だに砂漠というものを
知らないでいる

我が心は砂漠のようである、
そんな比喩を思いついたのだが
それを検証する術を
知らないでいる

2001/11/28 (Wed)
白いお湯から顔だけ出せば
空には半分のお月さん

秋の風は頬を撫で
湯面を舐めて
草たちとじゃれ
唄ってる

今宵は静かな むうんないと
優しく照らす むうんらいと

今この世界でただ一人
半分のお月さんだけが
僕を見ている
2001/11/25 (Sun)
薄幸そうな女が歩いていく
カツカツカツカツ通りを歩いていく

お気に入りの赤いコートを着て
カツカツカツカツとブーツの音を響かせて
薄幸そうな女が歩いていく

背筋をピンと伸ばし
長い髪を手で掻き分け
早足で通りを
カツカツカツカツ歩いていく

そんなに急いだところで薄幸なのに
薄幸だというのに

僕は喫茶店のいつもの窓際
モーニングのコーヒーを飲むのに必要な
5ミリグラムのミルクを正確に計量しようと
目の高さまでスプーンを持ってくる
2001/11/25 (Sun)
湖面に白く
波々はさざめき

小船たちはシルエットで
ゆっくりと櫂を動かすシルエットたち

山々は黄色くあるいは紅く
熟し始め

遊覧船は出航間際
乗客は桟橋を足早に

白く白く
波は湖面を揺らめく

ああ、あの白い波の一つになって
小船や落葉や遊覧船と戯れる

さざめき、揺らめき、戯れた
しばしのあいだ

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* ILLUSTRATION BY nyao *