プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2020/04/10 (Fri)
短い詩
床屋で髪を切ってもらっている間に
数十年が過ぎた
僕はすっかり骨だけになり
頭髪もすべてなくなった
目も耳もないので
確認のしようもないけれど
テレビでは昔聞いたことのある
ニュースをやってる
外では多分
セミも鳴いてる
床屋で髪を切ってもらっている間に
数十年が過ぎた
僕はすっかり骨だけになり
頭髪もすべてなくなった
目も耳もないので
確認のしようもないけれど
テレビでは昔聞いたことのある
ニュースをやってる
外では多分
セミも鳴いてる
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2020/03/22 (Sun)
短い詩
市民プールに雪が降る
ハムを食べ過ぎたと言って
嘔吐しているうちに
友達の一人は
立派な大人になった
紙のような声で鳴く鳥が
夜明けのある方へと飛ぶ
その頃になると
すべては塩辛く許されている
市民プールに雪が降る
ハムを食べ過ぎたと言って
嘔吐しているうちに
友達の一人は
立派な大人になった
紙のような声で鳴く鳥が
夜明けのある方へと飛ぶ
その頃になると
すべては塩辛く許されている
2011/10/08 (Sat)
短い詩
車が停まっていた
昨日停まっていた車とは
色も形も違っていた
昨日は駅前に停まっていたのに
今日は公園の近くに停まっていた
乗っている人の容姿も性別も
まったく異なっていた
車が停まっていた
昨日停まっていた車とは
色も形も違っていた
昨日は駅前に停まっていたのに
今日は公園の近くに停まっていた
乗っている人の容姿も性別も
まったく異なっていた
2009/03/20 (Fri)
短い詩
妻の笑い声で目が覚めた
夢の中でも笑いたかったのか
夢の中でしか笑えなかったのか
出会った頃のように
無邪気な声だった
揺すっても起きる気配もなく
いずれにせよ
生まれ育った故郷から遠く離れた
二人きりの朝方だ
妻の笑い声で目が覚めた
夢の中でも笑いたかったのか
夢の中でしか笑えなかったのか
出会った頃のように
無邪気な声だった
揺すっても起きる気配もなく
いずれにせよ
生まれ育った故郷から遠く離れた
二人きりの朝方だ
2008/07/09 (Wed)
短い詩
伸ばした舌の先に
ビルがある
冷たい窓枠、の震える
階段のない腕で
わたしたちは穴を掘り
整地を繰り返す
積乱雲の遥か下
茂る葉がホーム
ざわめく
誰をも騙すことない
黙秘の代わりに
伸ばした舌の先に
ビルがある
冷たい窓枠、の震える
階段のない腕で
わたしたちは穴を掘り
整地を繰り返す
積乱雲の遥か下
茂る葉がホーム
ざわめく
誰をも騙すことない
黙秘の代わりに
2008/07/07 (Mon)
短い詩
コインロッカーの側に
コインロッカーがあって
そのことだけが
片隅のようなところで
どこまでも続く
何もない、の人が
鍵を開けていく
と、少しずつ
指はあやふやになり
僕らの拙い肉体がついた美しい嘘は
今日も詩と呼ばれる
コインロッカーの側に
コインロッカーがあって
そのことだけが
片隅のようなところで
どこまでも続く
何もない、の人が
鍵を開けていく
と、少しずつ
指はあやふやになり
僕らの拙い肉体がついた美しい嘘は
今日も詩と呼ばれる
2008/06/04 (Wed)
短い詩
窓を見ていました
身体のどことも違うガラスの質感でしたが
手などの白いあとはかすかな
生きていたものたちでした
あの窓の向こう側に
はたして外はあったのでしょうか
ただ立ちつくすだけだった
わたしのように
窓を見ていました
身体のどことも違うガラスの質感でしたが
手などの白いあとはかすかな
生きていたものたちでした
あの窓の向こう側に
はたして外はあったのでしょうか
ただ立ちつくすだけだった
わたしのように