プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2007/05/20 (Sun)
短い詩
男は体育館の裏に
女の歳の数だけ
星を埋めた
女は男のために残しておいた
夏の一番柔らかいところを
まだ寄木細工の箱にしまってある
詐欺師の家では
換気扇がゆっくりと壊れて
まだ誰も出てこない
女の歳の数だけ
星を埋めた
女は男のために残しておいた
夏の一番柔らかいところを
まだ寄木細工の箱にしまってある
詐欺師の家では
換気扇がゆっくりと壊れて
まだ誰も出てこない
2007/05/09 (Wed)
短い詩
オシロイバナがどこまでも咲く
原っぱの真ん中で
日焼けのしていない細い腕を
嬉しそうに振り回している
いくつになっても夢をあきらめない
ここまできてやっと
あなたは扇風機になれたのだった
原っぱの真ん中で
日焼けのしていない細い腕を
嬉しそうに振り回している
いくつになっても夢をあきらめない
ここまできてやっと
あなたは扇風機になれたのだった
2007/04/19 (Thu)
短い詩
人は屋根をつくった
雨から家族を守らなければならない
自らの肉体を守らなければならない
濡れてはならない
濡らしてはならない
壁も柱もつくることを忘れ
屋根だけがどこまでも広がっていった
それでも夢中になって
人は屋根をつくり続けた
ところによっては
屋根が人をつくっていたが
それはおそらく
何かの手違いであった
雨から家族を守らなければならない
自らの肉体を守らなければならない
濡れてはならない
濡らしてはならない
壁も柱もつくることを忘れ
屋根だけがどこまでも広がっていった
それでも夢中になって
人は屋根をつくり続けた
ところによっては
屋根が人をつくっていたが
それはおそらく
何かの手違いであった
2007/04/15 (Sun)
短い詩
傘の柄に書いた名前が
消えかかっていたので
それならばいっそ
消して書き直そうと思って
実際に消してみると
簡単に消えました
それからもう一度書きました
季節とかそういう話ではなく
何かに期待してはいけない
いつもその言葉のとおりでした
消えかかっていたので
それならばいっそ
消して書き直そうと思って
実際に消してみると
簡単に消えました
それからもう一度書きました
季節とかそういう話ではなく
何かに期待してはいけない
いつもその言葉のとおりでした
2007/04/13 (Fri)
短い詩
カブトエビ、という
小さな甲殻類がいるそうですが
さっきから門の前では
牛に良く似た人と
人に良く似た牛とが
縄跳びをしています
縄跳びが終わったらあの人と牛に
カブトエビの話を聞いてみようか
とあなたが言うので
居間の窓から二人で見ていました
小さな甲殻類がいるそうですが
さっきから門の前では
牛に良く似た人と
人に良く似た牛とが
縄跳びをしています
縄跳びが終わったらあの人と牛に
カブトエビの話を聞いてみようか
とあなたが言うので
居間の窓から二人で見ていました
2007/03/31 (Sat)
短い詩
耳の中に何か忘れ物をした気がして
振り返ってみるけれど
耳の中に帰る道を忘れてしまった
どうにかしようと耳を澄ましても
聞きたくない音や言葉ばかり聞こえてしまう
まもなく桜がきれいに咲き始めるだろう
忘れ物を見つけることができれば
咲かない桜の美しさも思い出せるのに
振り返ってみるけれど
耳の中に帰る道を忘れてしまった
どうにかしようと耳を澄ましても
聞きたくない音や言葉ばかり聞こえてしまう
まもなく桜がきれいに咲き始めるだろう
忘れ物を見つけることができれば
咲かない桜の美しさも思い出せるのに