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こっそりと詩を書く男の人
  プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2024/04/25 (Thu)
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2008/05/03 (Sat)
 
砂漠の真ん中に
ペンギンの死体があった
穏やかな光の祝福を受けて
左右非対称に腐れていた
耳をすませば
崩れる音も聞こえた
老いた男はか細い腕で
窓を閉めた
風で砂が入るのを嫌った
 
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2008/04/26 (Sat)

朝も夜もわたしたちは
わたしたちの身体を
繰り返していく
細く覚束ない手つきで
少しの過ちを訂正しながら
そのような過程を
日々の営み、と
呼んだりもするが
本当は命ひとつの重さすら
正確に量ることはできないのだ
2008/04/24 (Thu)
 
使い古された祈りのように
どこまでも机が並んでいます
その先には針葉樹林があって
仲の良い母と子が
なくした傘を探しています
木洩れ日が揺れて
ときどき音なども聞こえてきます
 
2008/01/29 (Tue)

空をさす小枝のような
父の指に
赤とんぼがとまる
お父さん
声をかけると
赤とんぼを残して
父は飛んでいってしまった
驚かせるつもりなんてなかった
いい年をして、と
笑われるかもしれないけど
もう一度だけ
褒めてほしかった
2007/12/24 (Mon)
歯ブラシを持って
弟がどこまでも走っていく
小さいころから助走をつけないと
歯磨きのできない子だった
誰よりも美しい
世界で一番の助走だと思った
最近人の目を見て話ができるようになった
弟はわたしの目を見ることなく
失敗したときのような笑顔で言った
2007/12/20 (Thu)

胡瓜を5本並べて
ゴレンジャー
ときみは呟く

でもみんな
ミドレンジャーだから
ぼくは音をたてないように
すべてVの字に折った
2007/12/16 (Sun)
指専用のバス停に
思い思いの格好で指が並んでいる
やがて指専用のバスがくると
指たちは順番に乗り込んでいく
おそらく指にしか
行けないところがあるのだ
慰めが必要だったのは
本当は誰だったのか
今頃あなたの不器用そうな指が
曇った窓ガラスを
指で拭っているだろう
2007/07/03 (Tue)
小さなバス停を飼った
小さい割にはよく食べた
それでも店員の言ったとおり
あまり大きくはならなかった
一日に数本小さなバスが停まった
行先はどこでもよかった
夜、明かりを消して床に着くころ
最終バスの到着する音と
癖なのだろうか、発車する間際の
運転手の小さな咳が
聞こえてくる
 
2007/06/23 (Sat)
コップの中に
クモが死んでいた
窓からは小さな光が
降り注いでいた
懐かしく干からびて
良く見ると
キリンの死体だった
外に運び出さなければ
と思うけれど
大きすぎて
どこからも出せない
もうしません、もうしません、
ノートに書き続けている間に
夏休みのようなものは終わり
宿題を提出する音が
微かにしている
 
2007/06/23 (Sat)
たくさんの鳥

そして少しの懐かしい人を乗せ
他に何も無いような空港から
飛行機は飛び去って行った

覚えていることと
忘れていないことは
常に等量ではない

夏の敷石の上で見送って
端っこを
ホッチキスで綴じた
 
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* ILLUSTRATION BY nyao *