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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
49
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2006/10/19 (Thu)
弁当を開けると
中に海が広がっている
故郷の海のように
凪いできれいだった
朝の静かな台所で
君がどんなふうにこれを作ったのか
想像しようとしても
後姿しか目に浮かばない
帰れない場所があるわけではなく
帰れない時があるのだ、と
とてもありふれた
僕らの空腹がある
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2006/10/14 (Sat)
タイも
ヒラメも
マグロも
みんないました
白いお皿の上で
おそろいのお刺身でした
海みたい
子が言いました
まだ海を
見たことのない子でした
2006/10/08 (Sun)
脈を取ると指先に
セミの鳴き声が
伝わってくる
僕らの身体の中にも
駆け抜けていく夏があったのだ
どうかお元気で
手を振り
手を降り返したあなた
あの日に
友だちでいてくれて良かった
2006/08/31 (Thu)
犬の耳が
ちょうちょになって
飛んで行ってしまった
音が出なくて済むように
静かな玩具を買い与えた
名前を呼んでも
もう振り返らない
それでも涼しい場所は
誰よりも知っていて
風にほんの少し揺れる

2006/08/31 (Thu)
空を飛ぶ音速機のうしろを
分度器が追いかけていく
私たちの経験したいくつかは
戦いと何が違うというのか
今年もまた
美しくこすもすが咲いた
お兄ちゃん
いい歳をして
まだそんな呼び方を
してみたくなる

2006/08/30 (Wed)
キリンという名の
魚がいる
もちろん
首が長いのが特徴なのだけれど
サバンナの夕日を思い出すと
時々自分の鳴き声が
わからなくなって
溺れてしまう
2006/07/22 (Sat)
受話器が落ちている
繋がるべきものから離れ
それもまた
溺れているのだ
突然、落下
してきた空に押しつぶされ
わたしたちは窒息する
小さな村
家々にかけられた表札に
夏の光が差している
2006/07/21 (Fri)
魚類図鑑を開き
少年は魚になった自分を
想像する
エラ呼吸の仕方が
わからないので
いつも溺れてしまう
遺書は
鳥類図鑑に挟まれている
夏空の飛び方なら
誰よりも詳しく
知っているのだ
2006/06/26 (Mon)
真夏日、沿岸部には波浪注意報が発令され
世界中の溝口さんが落下していた
親戚の少女は大きな中華鍋を持って
兄と一緒に家を出て行く
重い、と言うと兄は悲しそうに首を振った
牛の死体を引きずるのに精一杯だったのだ
溢れんばかりの愛が生産され続けている
兵士は砲台に立ち
妻の干した洗濯物が良く乾くように願った
その先に詩などあるはずもない

2006/06/25 (Sun)
鳴く電灯があったので
となりに
鳴かない電灯を置いた
テーブルは墓石のように
きれいに磨かれていた
ほぐれていくね
握った手を開くと指は
どこまでも伸びていかなくて
ヒツジみたいに
あなたを愛した
お伽噺は
いつもそこで終わっている


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* ILLUSTRATION BY nyao *