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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2024/04/27 (Sat)
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2008/01/09 (Wed)
 
 
オープニング
どこまでも行く
つきあたりを右折
空港がある
  教師のAさん(仮称)は空港を黒板に板書していく
  重要なところは赤いチョークで
  重要だがそれより重要度の低いところは黄色
  重要ではないが変化をつけたいところは青
  教師のAさん(仮称)は自分の生活に変化を好まない
  いつも決まった形
  昔からそう
  「先生、昔とはいつのことですか?」太郎さんの質問
  「昔、の基準は人それぞれですよ」教師のAさん(仮称)の答え
  以降、「教師Aさん(仮称)」は「A」と略して表記
  「太郎さん」は昔からそのまま「太郎さん」
オープニング
どこまでも行く
人それぞれの基準
それぞれの形で

太郎さんは前から三列目に着席し
体には適正な範囲内の水分が保たれている
Aの板書する空港をノートに次々と書きとめていく
どこまでも行く
つきあたりを左折
太郎さんの肩、その向こうに
高く切り立った崖B(仮称)がある
  春のうららかな光の中
  以降「高く切り立った崖B(仮称)」は「B」と略して表記
  「太郎さん」はずっと「太郎さん」のまま
  Bからたくさんの人や物が落ちていくのが見える
  「きれいですね」Aは感想を述べながら空港を板書し続ける
  「落ちていくからきれいなのでしょうか、
  それもときれいだから落ちていくのでしょうか」太郎さんの質問
  「本当にきれいなのはそれを見ているわたしたちなのです」
  Aもまた体のいたることろに水分を含んでいる

太郎さんの生家の近くには牛舎があった
まるで誰かの余談のように
複数頭の牛が仲良く並ぶ日もあった
そして他の誰かの余談のように突然牛舎は壊され
牛たちは跡形もなくなった
Aが省略から開放され「教師のAさん(仮称)」を取り戻し
管制塔を書き終えたころ
滑走路を一人歩く太郎さんの最後の姿が目撃された
後には空港で埋め尽くされたノートが残され
細長くどこまでも
オープニングだけが続く
 
 
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