プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2012/06/09 (Sat)
詩
酸性雨が降る
あっけなく陥落した
街のいたるところに
葉の裏で僕らは雨宿りをして
そのままお互いを
好きになった
やがて雨はあがり
空を見上げる
僕らのシルエットは
何も伝えられない
並んだ文字になる
酸性雨が降る
あっけなく陥落した
街のいたるところに
葉の裏で僕らは雨宿りをして
そのままお互いを
好きになった
やがて雨はあがり
空を見上げる
僕らのシルエットは
何も伝えられない
並んだ文字になる
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2012/06/08 (Fri)
詩
形のないバスが走ります
手を振ると
形のない手を振りかえしてくれます
お花見でもあるのでしょうか
工事中、というわけでもないのに
いつもよりたくさんの人たちが
息などをしながら
通りを歩いています
形のないバスが走ります
手を振ると
形のない手を振りかえしてくれます
お花見でもあるのでしょうか
工事中、というわけでもないのに
いつもよりたくさんの人たちが
息などをしながら
通りを歩いています
2012/06/06 (Wed)
詩
誰に手紙を書こうか
考えているうちに
便箋はみな鳥になって
飛んで行ってしまいました
ペンを持った私だけが
窓辺の席に座り
次の遠い春を待つ人のように
外の音を聞いたりしていました
誰に手紙を書こうか
考えているうちに
便箋はみな鳥になって
飛んで行ってしまいました
ペンを持った私だけが
窓辺の席に座り
次の遠い春を待つ人のように
外の音を聞いたりしていました
2012/06/02 (Sat)
詩
無人のソファーで
出されたクイズが
回答のないまま
水分を保っている
国道の方から
豆腐の崩れる音がする
扉を開ける
流線形の海へと続いている
お父さん、お母さん
あたりまえのように
あの頃には戻れない
側にいるだけで
安心して楽しかった
無人のソファーで
出されたクイズが
回答のないまま
水分を保っている
国道の方から
豆腐の崩れる音がする
扉を開ける
流線形の海へと続いている
お父さん、お母さん
あたりまえのように
あの頃には戻れない
側にいるだけで
安心して楽しかった
2012/06/01 (Fri)
詩
砂漠の真ん中で
電話が鳴っている
誰も出ることなく
鳴り続けている
やがて一人の子どもが
受話器を取る
要件を聞くと
急いで親を呼びに走り出す
足跡は風に崩れ
電話は砂に埋もれていく
それでも子どもは走る
伝えなければならない、
大事な話である気がした
砂漠の真ん中で
電話が鳴っている
誰も出ることなく
鳴り続けている
やがて一人の子どもが
受話器を取る
要件を聞くと
急いで親を呼びに走り出す
足跡は風に崩れ
電話は砂に埋もれていく
それでも子どもは走る
伝えなければならない、
大事な話である気がした
2012/05/31 (Thu)
詩
今年も兄からお中元が届いた
かわいそうな兄
控除の申請をしている間に
モールス信号の打ち方を
すっかり忘れてしまった
昨年いただいた
魚介を模した玩具に躓いて
午後は三時五十分になる
かわいそうな兄
控除の申請をしている間に
モールス信号の打ち方を
すっかり忘れてしまった
昨年いただいた
魚介を模した玩具に躓いて
午後は三時五十分になる
2012/05/28 (Mon)
詩
蓋のない空だった
懐かしいものは懐かしいまま
浮かんでいればよかった
ジュラ紀の喫茶店で
向かい合わせに座る
また会えたね、何億年ぶりだろう
むかし話せなかったことを
いくつか話した
それでもやっぱり
話せないことの方が多かった
蓋のない空だった
懐かしいものは懐かしいまま
浮かんでいればよかった
ジュラ紀の喫茶店で
向かい合わせに座る
また会えたね、何億年ぶりだろう
むかし話せなかったことを
いくつか話した
それでもやっぱり
話せないことの方が多かった