プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
ブログ内検索
カテゴリー
月間アーカイブ
最新コメント
[09/10 GOKU]
[11/09 つねさん]
[09/20 sechanco]
[06/07 たもつ]
[06/07 宮尾節子]
最新トラックバック
カウンター
2012/07/03 (Tue)
五十一のデッサン
私腹を肥やした市長と
新人の試験監督が
芝の敷き詰められた校庭で
シーソー遊びをしている
紙魚は紙幣を食べつくし
新月の夜に
湿った子音になる
質問が締め切られると
至福の時は終わり
真鍮製のシンバルは
深海に沈んでいく
私腹を肥やした市長と
新人の試験監督が
芝の敷き詰められた校庭で
シーソー遊びをしている
紙魚は紙幣を食べつくし
新月の夜に
湿った子音になる
質問が締め切られると
至福の時は終わり
真鍮製のシンバルは
深海に沈んでいく
PR
2012/06/30 (Sat)
詩
水ようかんの沈む海を
泳いできました
手作りの名前を
握りしめて
どこから来たのか聞かれても
お母さん
としか答えられませんでした
今日という日がまた溶けて
明日だけが
どこまでも続いています
水ようかんの沈む海を
泳いできました
手作りの名前を
握りしめて
どこから来たのか聞かれても
お母さん
としか答えられませんでした
今日という日がまた溶けて
明日だけが
どこまでも続いています
2012/06/28 (Thu)
詩
平泳ぎが得意で
早退した
陽の光はまだ幼く
犬の背中も
温かく照らした
国鉄の線路は
歪んだ円を描き
わたしは
父の利き手を
思い出すのだった
その作業と
役割について
思い出すのだった
平泳ぎが得意で
早退した
陽の光はまだ幼く
犬の背中も
温かく照らした
国鉄の線路は
歪んだ円を描き
わたしは
父の利き手を
思い出すのだった
その作業と
役割について
思い出すのだった
2012/06/27 (Wed)
詩
休日のオフィスでひとり
コピーをとってる
何度とり直しても
文字や記号は
羽をはやし逃げてしまうから
白い紙だけが高く積まれていく
明日までに終えなければ、
と思う
明日がくることが
当然のことのように
窓の外から波音が聞こえる
高い建物が並んでいるけれど
それでも背伸びをすれば
うっすらと海も見える
休日のオフィスでひとり
コピーをとってる
何度とり直しても
文字や記号は
羽をはやし逃げてしまうから
白い紙だけが高く積まれていく
明日までに終えなければ、
と思う
明日がくることが
当然のことのように
窓の外から波音が聞こえる
高い建物が並んでいるけれど
それでも背伸びをすれば
うっすらと海も見える
2012/06/26 (Tue)
詩
下着の縦と横が
垂直に交わる
そのようなところが
指定の喫煙所
煙にまみれ
自転車はすべて
曲がっている
下着は優しい
縦と横があるから
指は縦をなぞり
そのままついと
対角線に進み
進むと
進めない自転車
乗れない自転車
対角線が見つからずに
さらに曲がる自転車
両親の背中は
いつも淋しそうだった
と語り合う喫煙者たち
下着のお礼を
両親に言いたい
と語り合う喫煙者たち
違法駐輪は駄目
と下着売場で呟く主任も
そこから先の話も
愛を捨てられない
下着の縦と横が
垂直に交わる
そのようなところが
指定の喫煙所
煙にまみれ
自転車はすべて
曲がっている
下着は優しい
縦と横があるから
指は縦をなぞり
そのままついと
対角線に進み
進むと
進めない自転車
乗れない自転車
対角線が見つからずに
さらに曲がる自転車
両親の背中は
いつも淋しそうだった
と語り合う喫煙者たち
下着のお礼を
両親に言いたい
と語り合う喫煙者たち
違法駐輪は駄目
と下着売場で呟く主任も
そこから先の話も
愛を捨てられない
2012/06/24 (Sun)
詩
運河に沿って
空の下駄箱が並ぶ
靴はまだ誰かの
想像でしかないから
父は今朝も裸足のまま
戦争に出かけた
船着場で
子どもが遊ぶ
声は聞こえなくても
音でわかる
裏の楊おばさんが
赤い鶏卵の入った
買い物袋を提げて
歩いてくる
蟻の行列を
器用に跨ぐ
乳房が揺れる
運河に沿って
空の下駄箱が並ぶ
靴はまだ誰かの
想像でしかないから
父は今朝も裸足のまま
戦争に出かけた
船着場で
子どもが遊ぶ
声は聞こえなくても
音でわかる
裏の楊おばさんが
赤い鶏卵の入った
買い物袋を提げて
歩いてくる
蟻の行列を
器用に跨ぐ
乳房が揺れる
2012/06/23 (Sat)
詩
椅子に座ると
海が見える
水平線の向こうでは
犬が笑っている
知らない異国の言葉で
信号が変わり
スクランブル交差点が
背丈の違う人々で
溢れかえる
皆、舗装を痛めないように
優しい歩調ですれ違ってる
立ち上がる
邪魔にならない場所まで
椅子を動かす
椅子に座ると
海が見える
水平線の向こうでは
犬が笑っている
知らない異国の言葉で
信号が変わり
スクランブル交差点が
背丈の違う人々で
溢れかえる
皆、舗装を痛めないように
優しい歩調ですれ違ってる
立ち上がる
邪魔にならない場所まで
椅子を動かす
2012/06/21 (Thu)
詩
砂漠にさくらが咲いた
砂漠中の魚が集まってきて
あたり一面、銀色に輝いている
わたしが目を閉じると
さくらは散り
砂は空へと帰っていく
そして魚たちはみな
記憶の届かないところへと
逃げて行ってしまう
砂漠にさくらが咲いた
砂漠中の魚が集まってきて
あたり一面、銀色に輝いている
わたしが目を閉じると
さくらは散り
砂は空へと帰っていく
そして魚たちはみな
記憶の届かないところへと
逃げて行ってしまう
2012/06/20 (Wed)
五十一のデッサン
参考資料の提出があった
瑣末な誤字脱字が散見された
作図と細則の改正が必要と思われた
差額についての催促を済ませて
採光のためにブラインドを開ける
サッカー場の方が
先ほどから騒がしい
サーカスが開催されるそうだ
探していた散薬が見つかり
白湯で飲む
産休中の細君から
サンドウィッチが食べたいと電話があった
サイレンが正午を告げる
サマータイムの最終日だった
参考資料の提出があった
瑣末な誤字脱字が散見された
作図と細則の改正が必要と思われた
差額についての催促を済ませて
採光のためにブラインドを開ける
サッカー場の方が
先ほどから騒がしい
サーカスが開催されるそうだ
探していた散薬が見つかり
白湯で飲む
産休中の細君から
サンドウィッチが食べたいと電話があった
サイレンが正午を告げる
サマータイムの最終日だった
2012/06/19 (Tue)
五十一のデッサン
壊れた工作物に
黄砂が降り積もる
梢は公道に木漏れ日を落とし
昏睡する
呼吸と肯定されることのない
告白の中で
コップから言葉が溢れ
子どもは硬貨を握りしめたまま
交差点を渡る
コンビナートに沿って歩き
焦げた匂いのする
国境へと向かう
壊れた工作物に
黄砂が降り積もる
梢は公道に木漏れ日を落とし
昏睡する
呼吸と肯定されることのない
告白の中で
コップから言葉が溢れ
子どもは硬貨を握りしめたまま
交差点を渡る
コンビナートに沿って歩き
焦げた匂いのする
国境へと向かう