プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2005/09/01 (Thu)
短い詩
ものすごく幅の広い男がいた
けれどものすごく薄かったので
風に吹かれ
簡単に飛んでいってしまった
やがてどこかに着地して
さっきみたいな感じでいるのだろう
そう考えると
何のありがたみも無い話だった
けれどものすごく薄かったので
風に吹かれ
簡単に飛んでいってしまった
やがてどこかに着地して
さっきみたいな感じでいるのだろう
そう考えると
何のありがたみも無い話だった
2005/08/23 (Tue)
短い詩
ラクダと探偵が恋に落ちた
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変な動物として
それでも生きた
探偵は夕日が沈むだけの街で
生きる
と同等の意味であり続けようとした
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変な動物として
それでも生きた
探偵は夕日が沈むだけの街で
生きる
と同等の意味であり続けようとした
2005/08/13 (Sat)
短い詩
タクシーで溺れた
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらできない
心がとても綺麗に透き通りながら
これはきっと何かの練習なのだと思う
けれどそれは
今に限った話ではない
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらできない
心がとても綺麗に透き通りながら
これはきっと何かの練習なのだと思う
けれどそれは
今に限った話ではない
2005/06/18 (Sat)
短い詩
家具屋に行った
広いフロアを丹念に見て歩いたが
家具はどれも高くて
困ってしまった
結局小さな置時計をひとつだけ
買って帰ることにした
また時計を買ってきたの?
呆れ顔でそう言う妻に
いやこれは景品なのだ、と
今日は嘘をついた
広いフロアを丹念に見て歩いたが
家具はどれも高くて
困ってしまった
結局小さな置時計をひとつだけ
買って帰ることにした
また時計を買ってきたの?
呆れ顔でそう言う妻に
いやこれは景品なのだ、と
今日は嘘をついた
2005/06/10 (Fri)
短い詩
ふでばこを開けると
アフリカの草原が広がっていて
夕日に向かって一人
お相撲さんが
四股をふんでいる
何故あの日
僕はふたを閉じてしまったのか
守るべきものなんて
まだほんの少しだったのに
言葉なんて信じてなかったのに
アフリカの草原が広がっていて
夕日に向かって一人
お相撲さんが
四股をふんでいる
何故あの日
僕はふたを閉じてしまったのか
守るべきものなんて
まだほんの少しだったのに
言葉なんて信じてなかったのに
2005/05/27 (Fri)
短い詩
どうせなら
この世にいるすべてのライオンが
友達だったら良かったのに
あいにく僕には一頭の友達もいない
だから食べられても仕方ないんだ、と
そんな言い訳ばかりが得意になっていく
ライオンのことなどすっかり忘れられた
どこかのビルの中で
この世にいるすべてのライオンが
友達だったら良かったのに
あいにく僕には一頭の友達もいない
だから食べられても仕方ないんだ、と
そんな言い訳ばかりが得意になっていく
ライオンのことなどすっかり忘れられた
どこかのビルの中で
2005/05/27 (Fri)
短い詩
双子の兄弟が天秤の右と左に乗った
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の頭を撫でて
間違えることなく名前を呼んだ
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の頭を撫でて
間違えることなく名前を呼んだ