プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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ものすごく幅の広い男がいた
けれどものすごく薄かったので
風に吹かれ
簡単に飛んでいってしまった
やがてどこかに着地して
さっきみたいな感じでいるのだろう
そう考えると
何のありがたみも無い話だった
けれどものすごく薄かったので
風に吹かれ
簡単に飛んでいってしまった
やがてどこかに着地して
さっきみたいな感じでいるのだろう
そう考えると
何のありがたみも無い話だった


ラクダと探偵が恋に落ちた
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変な動物として
それでも生きた
探偵は夕日が沈むだけの街で
生きる
と同等の意味であり続けようとした
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変な動物として
それでも生きた
探偵は夕日が沈むだけの街で
生きる
と同等の意味であり続けようとした


タクシーで溺れた
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらできない
心がとても綺麗に透き通りながら
これはきっと何かの練習なのだと思う
けれどそれは
今に限った話ではない
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらできない
心がとても綺麗に透き通りながら
これはきっと何かの練習なのだと思う
けれどそれは
今に限った話ではない


家具屋に行った
広いフロアを丹念に見て歩いたが
家具はどれも高くて
困ってしまった
結局小さな置時計をひとつだけ
買って帰ることにした
また時計を買ってきたの?
呆れ顔でそう言う妻に
いやこれは景品なのだ、と
今日は嘘をついた
広いフロアを丹念に見て歩いたが
家具はどれも高くて
困ってしまった
結局小さな置時計をひとつだけ
買って帰ることにした
また時計を買ってきたの?
呆れ顔でそう言う妻に
いやこれは景品なのだ、と
今日は嘘をついた


ふでばこを開けると
アフリカの草原が広がっていて
夕日に向かって一人
お相撲さんが
四股をふんでいる
何故あの日
僕はふたを閉じてしまったのか
守るべきものなんて
まだほんの少しだったのに
言葉なんて信じてなかったのに
アフリカの草原が広がっていて
夕日に向かって一人
お相撲さんが
四股をふんでいる
何故あの日
僕はふたを閉じてしまったのか
守るべきものなんて
まだほんの少しだったのに
言葉なんて信じてなかったのに


どうせなら
この世にいるすべてのライオンが
友達だったら良かったのに
あいにく僕には一頭の友達もいない
だから食べられても仕方ないんだ、と
そんな言い訳ばかりが得意になっていく
ライオンのことなどすっかり忘れられた
どこかのビルの中で
この世にいるすべてのライオンが
友達だったら良かったのに
あいにく僕には一頭の友達もいない
だから食べられても仕方ないんだ、と
そんな言い訳ばかりが得意になっていく
ライオンのことなどすっかり忘れられた
どこかのビルの中で


双子の兄弟が天秤の右と左に乗った
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の頭を撫でて
間違えることなく名前を呼んだ
同じものを食べ同じものを着ているのに
右にのった弟の方が重かった
弟が髪の毛を数本抜いて
ようやく天秤は釣りあった
天秤から降りると
母親は二人の頭を撫でて
間違えることなく名前を呼んだ