プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
ブログ内検索
カテゴリー
月間アーカイブ
最新コメント
[09/10 GOKU]
[11/09 つねさん]
[09/20 sechanco]
[06/07 たもつ]
[06/07 宮尾節子]
最新トラックバック
カウンター


晴れた日の
親戚のように
父と二人で並び
日あたりの良い窓際
懐かしいことや
懐かしくないことを
とりとめもなく話し
毎日小さく丸くなる父は
明日はもっと
そうなんだろう
窓の外には
狭い菜の花畑があって
昨日なら手押し車で
荷物を運ぶ人も見えた
命の欠片のような脚を
ゆっくりとさすっていく
親戚にしか
できないこともあるのだ
ゆうべ妊娠する夢を見た
そう告げると
父は何か
聞き間違えをしたのかもしれない
ありがとう
とだけ言った
親戚のように
父と二人で並び
日あたりの良い窓際
懐かしいことや
懐かしくないことを
とりとめもなく話し
毎日小さく丸くなる父は
明日はもっと
そうなんだろう
窓の外には
狭い菜の花畑があって
昨日なら手押し車で
荷物を運ぶ人も見えた
命の欠片のような脚を
ゆっくりとさすっていく
親戚にしか
できないこともあるのだ
ゆうべ妊娠する夢を見た
そう告げると
父は何か
聞き間違えをしたのかもしれない
ありがとう
とだけ言った
PR


暑さがまだ
襟元にも残ってる
汗との少し
間違いがあって
葉をかきながら
歩くあなたの足元
側溝の蓋が
少女の口のように
開いて
ふとある日から
そのままの感じがする
ひき肉を買って帰る
その背中に
およそ八分前に放たれた
太陽の光は差し
キッチンに立てば
痛みよりも容易に
あなたはいつも
ハンバーグを作るのだった
襟元にも残ってる
汗との少し
間違いがあって
葉をかきながら
歩くあなたの足元
側溝の蓋が
少女の口のように
開いて
ふとある日から
そのままの感じがする
ひき肉を買って帰る
その背中に
およそ八分前に放たれた
太陽の光は差し
キッチンに立てば
痛みよりも容易に
あなたはいつも
ハンバーグを作るのだった


冷蔵庫を背負う
重くて温かい
海のようなものが
背中から体の中へと
伝わってくる
夏休みを終えて
少したくましくなった
児童たちの声が
外の方から聞こえる
かつてもこうして
海に似た誰かを
背負っていた気がする
その人の名を呼びながら
台所の片隅で
重くて温かい
海のようなものが
背中から体の中へと
伝わってくる
夏休みを終えて
少したくましくなった
児童たちの声が
外の方から聞こえる
かつてもこうして
海に似た誰かを
背負っていた気がする
その人の名を呼びながら
台所の片隅で


厳格な王様がいた
優しいお姫様がいた
富める者がいて
貧困と差別があった
内外で争いがあり
子どもたちは時々
壁にもたれかかって
よく笑った
忘れる人がいたけれど
同じように
忘れられる人がいた
薄暗い店内
卓上のマッチ箱には
美しかった国
と印字されていた
優しいお姫様がいた
富める者がいて
貧困と差別があった
内外で争いがあり
子どもたちは時々
壁にもたれかかって
よく笑った
忘れる人がいたけれど
同じように
忘れられる人がいた
薄暗い店内
卓上のマッチ箱には
美しかった国
と印字されていた


木陰で体温の
呼吸する
と、内と外とが入れ替わり
境目に懐かしい
わたしのかたまりがある
施設の人と集配車の運転手が
簡単な口論をしている
近くのベンチで関係のない
小柄な男性が
誰かと待ち合わせをしている
すでに数年待ち続け
もう誰も
その男性を待ったりはしない
融けかかり
たなびき
季節はずれの陽炎のように
それでも背中が見えれば
人とわかる
呼吸する
と、内と外とが入れ替わり
境目に懐かしい
わたしのかたまりがある
施設の人と集配車の運転手が
簡単な口論をしている
近くのベンチで関係のない
小柄な男性が
誰かと待ち合わせをしている
すでに数年待ち続け
もう誰も
その男性を待ったりはしない
融けかかり
たなびき
季節はずれの陽炎のように
それでも背中が見えれば
人とわかる


犬が休んでる
まるで僕のように
背筋が足りない
何かを継ぎたして
少しずつ毎日の
起立がある
どうしてだろう
お父さんになってしまうのは
瞬間は確かにあるのに
どんなに積み上げても
新生児一人の
歴史にも満たない
洗いたての水分を含む白衣の
重たくてまぶしい空は
漁場で蟹を手にする
男たちのところまで続き
また何人かのお父さんにする
僕は今朝
まぶたを人に貸して
そばで休む
まるで犬のように
まるで僕のように
背筋が足りない
何かを継ぎたして
少しずつ毎日の
起立がある
どうしてだろう
お父さんになってしまうのは
瞬間は確かにあるのに
どんなに積み上げても
新生児一人の
歴史にも満たない
洗いたての水分を含む白衣の
重たくてまぶしい空は
漁場で蟹を手にする
男たちのところまで続き
また何人かのお父さんにする
僕は今朝
まぶたを人に貸して
そばで休む
まるで犬のように


冷やし中華が
静かに終わった奥の方
特別なこともなく
人をまたぎ
人にまたがれ
狭い柄模様のシャツが
時々きれいだと感じられた
入口の貼紙には
かつての文字のようなものが書かれ
それはとても
大切だったのかもしれない
投げ出した足先は
細く色を薄くしたまま
穏やかに外海へと続き
海はどこまでも
水で湿っている
昨日までわたしが放していた
稚魚の類は
淡水魚だったと
昨日初めて知った
ちょうちょが卵を産んでいたよ
と幼いころの人が
何か言いながら戻ってくる
その様子が遠くまで見渡され
また途切れ
そして終わっている
静かに終わった奥の方
特別なこともなく
人をまたぎ
人にまたがれ
狭い柄模様のシャツが
時々きれいだと感じられた
入口の貼紙には
かつての文字のようなものが書かれ
それはとても
大切だったのかもしれない
投げ出した足先は
細く色を薄くしたまま
穏やかに外海へと続き
海はどこまでも
水で湿っている
昨日までわたしが放していた
稚魚の類は
淡水魚だったと
昨日初めて知った
ちょうちょが卵を産んでいたよ
と幼いころの人が
何か言いながら戻ってくる
その様子が遠くまで見渡され
また途切れ
そして終わっている


寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
小さな建物のところで
化膿した皮膚を
ただ掻きむしった
寝台車が体を乗せて
発車の準備をしている
さよなら
言葉は空気を
震わせてはいけない
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
小さな建物のところで
化膿した皮膚を
ただ掻きむしった
寝台車が体を乗せて
発車の準備をしている
さよなら
言葉は空気を
震わせてはいけない


老廃物と手をつなぐ
せつないから
死んでるようだ
見たものが
足元で花になり
ピアスでしたね
初めてのプレゼントは
初めてでしたね
はがれていったのも
見送ることは時々
見送られることに
とても似ている
僕らはなるべくたくさんの
空気を吸い込む
生きようとして
なるべくたくさんの
ため息をつかなければならない
せつないから
死んでるようだ
見たものが
足元で花になり
ピアスでしたね
初めてのプレゼントは
初めてでしたね
はがれていったのも
見送ることは時々
見送られることに
とても似ている
僕らはなるべくたくさんの
空気を吸い込む
生きようとして
なるべくたくさんの
ため息をつかなければならない


砂丘に洗濯機
ウィリーは素朴
上手に筋肉
そのまま届きそうになり
春子、帰宅
ジャングルジムから
人の匂い
道路は名前
生きることは
重力の淋しい過程である
という前提にたつと
春子、帰宅
ほっそりとしているね
汗ばむ棟梁
地下鉄に乗って
さらに地下鉄に乗って
ああ地下鉄に乗って
声は境界線を走り
ウィリー遅刻
春子、帰宅
砂丘まで洗濯物を取りに行く
白い白い春子のTシャツ
ウィリーは素朴
上手に筋肉
そのまま届きそうになり
春子、帰宅
ジャングルジムから
人の匂い
道路は名前
生きることは
重力の淋しい過程である
という前提にたつと
春子、帰宅
ほっそりとしているね
汗ばむ棟梁
地下鉄に乗って
さらに地下鉄に乗って
ああ地下鉄に乗って
声は境界線を走り
ウィリー遅刻
春子、帰宅
砂丘まで洗濯物を取りに行く
白い白い春子のTシャツ