プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
57
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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金魚もいないのに
君は金魚鉢を買ってきて
それから金魚の餌と
水道水の塩素を中和する
透き通った小さな薬品も
買ってきて
それでも結局金魚鉢の中を
金魚が泳ぐことはなかったのは
多分僕が金魚鉢を壊したから
君は金魚鉢を買ってきて
それから金魚の餌と
水道水の塩素を中和する
透き通った小さな薬品も
買ってきて
それでも結局金魚鉢の中を
金魚が泳ぐことはなかったのは
多分僕が金魚鉢を壊したから


食後に飲むはずだったビタミンが
テーブルの上で醗酵している
その熱で君の言葉は燃え尽きてしまった
僕らはたくさんの窓や部屋を投げあって
ぶつけあって、お互い
何となく傷ついてる
夏に生きていた虫たちは
最近姿を見せなくなった
九月が十月のように過ぎていく
テーブルの上で醗酵している
その熱で君の言葉は燃え尽きてしまった
僕らはたくさんの窓や部屋を投げあって
ぶつけあって、お互い
何となく傷ついてる
夏に生きていた虫たちは
最近姿を見せなくなった
九月が十月のように過ぎていく


冷蔵庫が空と意味の境目を走る
洗濯機は今日も何かを言いそびれている
昔、電子レンジで猫を乾かそうとした人の話を
聞いたことがある
まさか自分がその当事者になろうとは
炊飯器が黙祷の準備を始めた
涙は小さ過ぎてわからなかったが
テレビの中では沢山の人が悲しんでいる
洗濯機は今日も何かを言いそびれている
昔、電子レンジで猫を乾かそうとした人の話を
聞いたことがある
まさか自分がその当事者になろうとは
炊飯器が黙祷の準備を始めた
涙は小さ過ぎてわからなかったが
テレビの中では沢山の人が悲しんでいる


バナナの十本に一本は
キリンでした
知りませんでした
その長い首を
その角を
その身体の中にある様々な器官を
たくさん食べました
たくさん噛みました
だから郊外の動物公園に行くと
キリンは僕を見て
いつも悲しそうな目をする
キリンでした
知りませんでした
その長い首を
その角を
その身体の中にある様々な器官を
たくさん食べました
たくさん噛みました
だから郊外の動物公園に行くと
キリンは僕を見て
いつも悲しそうな目をする


戒厳令の布かれた残暑
透きとおっていく言葉の
飛沫のように
あなたは白く皮膚の薄い手で
一すじの光を木箱に閉じ込めた
二人の椅子に
二人の卓上に
二人のナイフに
あの日、私たちは
ささやかな呪いをかけた
透きとおっていく言葉の
飛沫のように
あなたは白く皮膚の薄い手で
一すじの光を木箱に閉じ込めた
二人の椅子に
二人の卓上に
二人のナイフに
あの日、私たちは
ささやかな呪いをかけた


徴兵された兵士のように
寒い目をしてあなたは通路を行く
改札を抜け再び階段を降り
あなたの目が地下鉄に乗る
と、私の目だけが置き去りにされる
壁にはたくさんの色あせたポスター
そのすべてに
あなたと私のまぶたが描かれている
寒い目をしてあなたは通路を行く
改札を抜け再び階段を降り
あなたの目が地下鉄に乗る
と、私の目だけが置き去りにされる
壁にはたくさんの色あせたポスター
そのすべてに
あなたと私のまぶたが描かれている