プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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2011/12/11 (Sun)
詩
夕食の支度をする
そう言って彼女は
地下鉄に乗り込み
買い物に出かける
何となく僕は
ビールが飲みたくて
反対のホームから
地下鉄に乗る
笑っている人
泣いている人
窓を開けて
何か捨ててる
今ごろ地上では
星が瞬きだすころ
地下鉄の人はみんな
星が見られない
目を閉じてしまうから
2011/12/09 (Fri)
詩
僕の自転車が
僕から離れて
砂漠を横断する
暑くないように
ハンドルに括りつけておいた
涼しい模様の日傘を
ボロボロにして
それでも自転車は
たった一台で
砂漠を横断し続ける
砂漠が僕のついた
昔の嘘だとも知らずに
2011/12/04 (Sun)
詩
台所に行くと小さな深海がある
水圧で食器洗浄機が潰れている
よくあることだね
きみが見たこともない魚を
きれいに包丁でさばいている
時々あることだね
たまにあることだね
昔の人はみんな死んでしまった
朝にみんな死んでしまった
思い出のゴミの収集日だけれど
もう何も残ってないね
気持ちいいくらい
すべて捨ててしまったね
今日は一日何をしようか
ゆっくりと浮上しないと
身体の中身とかがとび出しちゃうから
ゆっくりと浮上して
理由もなく笑ったり
理由もなく泣いたり
そんなふうにして過ごすのも
悪くない気がするね
2011/12/03 (Sat)
詩
カマキリ会社のカマキリ社長は
用件が済むと電話を切る
鎌で電話のコードを切る
以下、カマキリ専務、カマキリ部長、
カマキリ課長、カマキリ平社員
みんな電話のコードを切る
だから消耗品のロッカーはいつも
コードのストックであふれている
社内のコスト削減策として
「鎌で電話コードを切らないこと」
が申し合わせをされたけれど
鎌の手入れをしているうちに
みんな忘れてしまう
大事なことも
悲しいことも
すべて忘れてしまう
2011/12/01 (Thu)
詩
外付けの階段で子供たちが
ナフタリン遊びをしている
前の道路を走って行った腰痛のバスは
小さな水たまりの側
もの静かなバッタになる
このアパートには冷蔵庫の幽霊が出る
隣室の人にそう言われた夜
僕らは洗濯機の幽霊を見た
翌日、隣人にその話をしても
笑って相手にしてくれなかった
きみの揚げたエビフライを
二人で数本ずつ食べた
何も残らなかったので
これからの夢なども語り合ったけれど
やはりきみと
新婚で良かったと思う
2011/11/30 (Wed)
詩
ホタル、採れたよ
光の点滅する虫かごを掲げて
妻と娘が遠くから走ってくる
遅かったじゃないか、心配したんだぞ
そう言って犬と駆け寄る
月明かりの下
家族で手を取り合う
(犬は見上げて尻尾を振ってる)
そしてみんなで
マンホールに落ちていく
2011/11/29 (Tue)
詩
フェンスがどこまでも
長く続いている夏
午後、知らない所で
知っている人は逝った
乗客も乗務員も置いて
青い列車は海に向かって出発する
座席には誰かが忘れていった
大人用の眼鏡と
昆虫しか載っていない図鑑
悲しいことばかりではないけれど
悲しいことばかりのように
列車は海へと走る
時には一直線に
時には大きくカーブしながら
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