プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2011/10/16 (Sun)
詩
四角を書いて塗りつぶす
四角を書いて塗りつぶす
ただその繰り返し
何がそんなに楽しいのだ
覗き込んで人が言う
あなたのしていることは全て楽しいのですか
そう聞き返すと
人は黙って立ち去った
私は楽しくてしているだけなのに
四角を書いて塗りつぶす
四角を書いて塗りつぶす
ただその繰り返し
何がそんなに楽しいのだ
覗き込んで人が言う
あなたのしていることは全て楽しいのですか
そう聞き返すと
人は黙って立ち去った
私は楽しくてしているだけなのに
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2011/10/14 (Fri)
詩
手をあげる
流しのシーソーが停まる
どちらまで行かれますか?
上まで
反対側に運転手が座る
到着する
料金を支払って降りる
いくつかの用事を済ませる
再びシーソーを拾う
下まで
行き先を告げる
到着する
忘れ物をしたことに気付く
あきらめて帰る
手をあげる
流しのシーソーが停まる
どちらまで行かれますか?
上まで
反対側に運転手が座る
到着する
料金を支払って降りる
いくつかの用事を済ませる
再びシーソーを拾う
下まで
行き先を告げる
到着する
忘れ物をしたことに気付く
あきらめて帰る
2011/10/10 (Mon)
詩
蝶々結びをして
眠たい人は眠って
それで構わない
犬の耳を噛っても
壊れたペットボトルでは
水、そのものを
飲むことはできないのだから
交番がボンヤリと光る、今夜
月と間違えて
郵便受けが集まってくる
殺虫剤を持って
追い払っている、あれは
きっと僕の猫背だろう
蝶々結びをして
眠たい人は眠って
それで構わない
犬の耳を噛っても
壊れたペットボトルでは
水、そのものを
飲むことはできないのだから
交番がボンヤリと光る、今夜
月と間違えて
郵便受けが集まってくる
殺虫剤を持って
追い払っている、あれは
きっと僕の猫背だろう
2011/10/09 (Sun)
詩
眠っている祖母の頬に
桜の花びらが一枚落ちる
そんな季節ではないはずなのに
掌に握らせて
悪戯でしょ?と笑ってしまう
見送るつもりが
見送られているのは私たちですね
ほんの少しずつだけれど
背中を押してもらっているのは
私たちの方なのですね
眠っている祖母の頬に
桜の花びらが一枚落ちる
そんな季節ではないはずなのに
掌に握らせて
悪戯でしょ?と笑ってしまう
見送るつもりが
見送られているのは私たちですね
ほんの少しずつだけれど
背中を押してもらっているのは
私たちの方なのですね
2011/10/08 (Sat)
詩
レストランがあった
メニューのないレストランだった
テーブルクロスがなかった
テーブルも椅子もなかった
シェフがおらず
給仕もいなかった
屋根はなく、壁はなく
建物すらなかった
地面だけが荒野のように
どこまでも広がっている
だから食事中に窓から見える景色は
いつも淋しげであった
レストランがあった
メニューのないレストランだった
テーブルクロスがなかった
テーブルも椅子もなかった
シェフがおらず
給仕もいなかった
屋根はなく、壁はなく
建物すらなかった
地面だけが荒野のように
どこまでも広がっている
だから食事中に窓から見える景色は
いつも淋しげであった
2011/10/08 (Sat)
短い詩
車が停まっていた
昨日停まっていた車とは
色も形も違っていた
昨日は駅前に停まっていたのに
今日は公園の近くに停まっていた
乗っている人の容姿も性別も
まったく異なっていた
車が停まっていた
昨日停まっていた車とは
色も形も違っていた
昨日は駅前に停まっていたのに
今日は公園の近くに停まっていた
乗っている人の容姿も性別も
まったく異なっていた
2011/09/05 (Mon)
詩
庭に咲く向日葵の陰で
雑種の犬が寝ている
鼻先に吹いた風は部屋に入り
指先や広げた時刻表の表面を涼しくして
再び外へと出ていく
真昼の駅、三等車に乗って
てんとうむしは出征した
ぼくらが産まれる遥か昔に
きみが冷麦の用意をしている
堅い木の椅子
堅い木の机
庭に咲く向日葵の陰で
雑種の犬が寝ている
鼻先に吹いた風は部屋に入り
指先や広げた時刻表の表面を涼しくして
再び外へと出ていく
真昼の駅、三等車に乗って
てんとうむしは出征した
ぼくらが産まれる遥か昔に
きみが冷麦の用意をしている
堅い木の椅子
堅い木の机
2011/09/04 (Sun)
詩
ビンに入ったボーキサイトの見本を
男は理科室から盗んで逃げた
俺にはアルミニウムが必要だ
俺にはアルミニウムが必要だ
何度も自分に言い聞かせ
蒸し暑い住宅街の闇を疾走する
息が上がり足がもつれても
汗を舐め、走り続ける
逃げ切れたら寝転がろう
それからシャワーを浴びて
白い米の飯を食おう
男を追う者など最初からいない
ただ夏の気配だけが
ぴたぴたと後をついてくるだけである
ビンに入ったボーキサイトの見本を
男は理科室から盗んで逃げた
俺にはアルミニウムが必要だ
俺にはアルミニウムが必要だ
何度も自分に言い聞かせ
蒸し暑い住宅街の闇を疾走する
息が上がり足がもつれても
汗を舐め、走り続ける
逃げ切れたら寝転がろう
それからシャワーを浴びて
白い米の飯を食おう
男を追う者など最初からいない
ただ夏の気配だけが
ぴたぴたと後をついてくるだけである
2011/09/03 (Sat)
詩
生温かいザリガニが
真夏の都会を歩く
いたるところから車や人や
ラッパの音が聞こえてくる
そんな暮れ方である
炭酸水を買ってくるように言われ
下働きが走る
近道のフェンスを越える
ザリガニはタクシーに乗る
後部座席、生きて何度目かの
脱皮をする
生温かいザリガニが
真夏の都会を歩く
いたるところから車や人や
ラッパの音が聞こえてくる
そんな暮れ方である
炭酸水を買ってくるように言われ
下働きが走る
近道のフェンスを越える
ザリガニはタクシーに乗る
後部座席、生きて何度目かの
脱皮をする