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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
50
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2017/08/20 (Sun)
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2005/08/09 (Tue)
トムソンはがぜる
がぜり続ける
健やかに育ち
育ち続ける梢と梢の
間からメニューを覗き
何という名のファミリーレストランか
ハンバーグを和風セットで注文する
まるで都会だねここは
足元にはサバンナの負荷
この星の重力へと直結し
生きていく決心はつきました
死もきちんと恐れることができます
と、トムソンはがぜり
それでもビルの合間の切り立った空気に
朝焼けの匂いを感じると
トムソンはがぜったまま
地平線に留保しておいた
その速度を取り戻そうとする
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2005/08/06 (Sat)
あるいは
ロボットがいるかのように
僕らの生活には
ささやかな潤いがある

目覚めとともに
お互いの強度を確かめあう
もう細胞壁を持たない
サブウェイ、いくつかのヒューストン
僕らの語感はとても似ていて
けれど何ひとつとして
おそろいではない

光合成の隙間から
覗くことのできる時系列
その突端はすでに失われた
薄いケージの中
ひまわり
絶叫
2005/07/30 (Sat)
海に行く
護岸の上で
いつも体操をしているおじさんと挨拶する
釣り糸を垂れる
魚が一匹釣れる
魚を一匹殺す
やがて日が暮れたので帰宅する
途中おじさんはもういない
今日は一匹しか殺せなかった
妻に言う
もう止してくださいね
悲しそうな顔をして
妻は鶏の首を折っている
波がきれいだった
そう返すのが僕の精一杯
海が無いなら無いでそれだけのことなのだけど
明日も海はある
それはきっと確実なことだ
毎日繰り返される僕らの深呼吸よりも
2005/07/14 (Thu)
腕から生える腕
腕から生え他の腕に潜る腕
すべて腕
てのひらの無い腕
てのひらだらけの腕
今日の天気は腕ときどき腕
ところによりにわか腕
という天気図を指し示す腕
腕そば一丁、腕大盛で
の腕
すべて腕
袖がつまってるね
それはすべて腕だったね
金を勘定する腕
金に勘定される腕
腕から腕へと帰っていく腕
腕を忘れようとする腕
腕に忘れ去られた腕
すべて腕
爆弾を抱きしめる腕
爆弾によって失われた腕を抱きしめる腕
これでも俺も昔は腕だったんだぜ
と言うまだ腕の状態の腕
俺が腕だったら良かったのに
おまえをもっと愛せたのに
おまえに触れようとする
俺の腕
毛むくじゃらで


2005/07/03 (Sun)
肉を焼きます
美味しいですから
正解は無いにしても
ミスター
それは髭です
目にしみる煙です

ジーンズには穴が開いてます
そこからは夏が覗けます
もう少し肉の話を
美味しいですから
ミスター
それは髭です

街、と
僕らが呼ぶところには
たくさんの人がいて
皆きれいな服を着ていました
きれいなものは
手に入らないもの
ミスター
あなたはそう言っていました
僕は子供の頃
ものを食べるのが下手くそでした
ミスター、こぼれてますよ
それは髭です

どんなに肉を食べても
僕らは恐竜にはなれません
散々試してみましたから
生きることは辛くはない
けれども生きずらい
そしてそれは毎日です
カルビも焼きます
今日は割勘ですから
ビビンバも頼んでいいですか
ミスター
それは髭です
その先に光っているのは
たぶん涙です

2005/07/01 (Fri)
夏休み
街から人はいなくなった
窓という窓
木陰という木陰
ベンチというベンチ
そのいたるところから
少しの匂いと
体温を残して

静寂、というには
まだわずかばかりの音がある
例えば幹線道路を南へと走る
忘れ物みたいなバス
そのアスファルトを踏む音
誰かの眼差し
のような夏の陽に紛れて
僕らは乗客の中にいた
時おり街角に棒立つ人がたの影
けれど次の瞬間には
もはや記憶ですらない

バスの中をバスが通過していく
もちろんそれはバスではない
夏の間しか生きられない小さな虫の飛行
剥き出しの命に
乗客はみな目を瞑る
その姿は祈りにも似ていたが
僕らは本当の祈りを知らない
上り坂にさしかかり
バスは一気に加速度を増す
はるか空を目指して
降下
していく

と、街に人が戻る
交差点で信号待ちをしている男たちの襟首は
垢で薄く汚れ
学生たちは机の上に課題を放置したまま
今という一瞬に余念がない
どこかのベランダでは
洗濯されたばかりの白いシーツが
ふわり膨らむ
風が形になる
隣で小さな寝息をたてている君
昨夜、街を捨てようと言ったのは
どちらからだったろう

2005/06/17 (Fri)
池袋のスクランブル交差点
ど真ん中で俺は
釣り糸をたれる
ジョニー にぼしのジョニー
おまえはどこか
白い皿の上で美しく
干からびている
ジョニー にぼしのジョニー
おまえもかつては
遠くの海を泳いでいた
ここ十数年海で泳いでいない俺は
その悲しみを知らない
そもそもおまえに悲しみはあるのか
干からびた目の玉で
中空を見つめ
にぼしのジョニー
俺に釣れるのは
いつも季節感の無いものばかりだ
そう ジョニー
恋人のマリーは
おまえがにぼしになった後も
海を泳ぎ 海で躍動し
そして昨晩
海で力尽きた
ジョニー にぼしのジョニー
おまえの干からびた脳みそに
俺はかぶりつきたい!
俺が釣りをしているのは
いったいどこの池袋なのか
おまえが干からびている
その白い皿こそが
池袋なのかもしれない
ジョニー いわしのジョニー
俺もおまえも
この池袋から早く帰りたいのだ


2005/06/10 (Fri)
ため息が汽笛となり
涙は色の無い雨となり
配膳車で旅をする
乗っているのは
おまえたちというより
俺たち
港町
哀歌
巨大なカウンターに腰掛け
俺たちは
おまえたちの肩を
そっと抱き寄せる
たくさんの腕と
たくさんの肩
悲しい思い出は
どうでもいい記号になった
だから大切に
ポケットにしまっておけ
そして溢れ出す酒
飲んでも
飲んでも
飲まれるな
配膳車に載せられた鍋の中では
発酵食品が
暗い海の色
それは俺たちの未練
たらたら
たらこを一粒一粒
数え
今日の夕食は豪華ですと
アクセルをふかす
季節はいつも無情に過ぎ去り
紅白歌合戦に初出場し
歓喜するアイドルの
屋根裏部屋では
演歌に涙する
産み落とされたばかりの仔牛
ああ、立派なステーキになる
俺たちの行くべきところは
曖昧に定義され
さよなら
というおまえたちの言葉を
俺たちは口づけでふさぐ
たくさんの唇と
たくさんの唇
おまえたちの笑顔のために
俺たちの毎日は
もっと悲しくていい

2005/06/03 (Fri)
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった

少年は喧騒と沈黙でごったがえす市場通りの
人波をかきわけて原っぱのようなところについた
足元に落ちていた扉の鍵穴を拾い上げて覗いてみる
何も見えない
あたりまえだ
向こうに部屋など無いのだから

これから種をまいていく
転がっている靴の数だけ種をまくのだ
少年は誰に誓うでもなく
何となくそう思った

2005/05/23 (Mon)
部屋の中で素振りをしていると
外は激しい雨が降っていて
どこかとても遠いところから
僕の知らない動物の鳴き声が聞こえる

シマウマはたてがみも縞模様なのだと
テレビ番組でやっていたが
たてがみをもたない
そいつはもっと他の動物

僕の素振りは続き
雨はさらに激しさを増し
床上まで浸水し始めても
動物は相変わらず鳴き止まない
もしかしたらそれは鳴き声ではなく
泣き声なのかもしれない
とすると滴り落ちる汗のいくつかは
涙なのかもしれない
なんて
そんなセンチメンタリズムは
とっくに捨ててしまった

水位は既に胸のあたりまで達し
動物の溺れていく音がする
それでも僕は一人
君も、あなたも、おまえもいない部屋で
素振りを続ける
素振りなら負けない

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* ILLUSTRATION BY nyao *