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こっそりと詩を書く男の人
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たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
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こっそりと詩を書く男の人
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2004/10/27 (Wed)
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
その後姿はもう掌より小さかった
その夜僕は一人きりで
淋しい詩を書いて寝た
とても淋しくない夢を見ていたはずなのに
自分の泣き声で目が覚めてしまった
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2004/10/25 (Mon)
空の高いところからするする
吊革が降りてきたので
僕はそれにつかまる
今日はとても飛びたい気持ちなのに
これじゃ何だかわからない話だ

ほうっとしてると
たくさん食べられてきた
ハムやソーセージの
墓場は今ごろどこにあるんだろう なんて

整然と並べられたフラスコのように
かすかな音をたてて
秋は進行していく

僕も少し傾く
2004/10/22 (Fri)
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は
運ばれるだろう
明日という
不確実な日に

あなたが文庫の本を
閉じる

図書室も
閉じられてしまう
2004/10/18 (Mon)
a)

足りない
右の手


本は昨日から
ゆっくりと
閉じられた
まま


b)

たくさんの階段や
もっとたくさんの
階段
のぼる足音や
もっとのぼらない
足音
雨よりも
言わない


c)

ヘス
 ヘス

  パス
    カル
へ,ヘスと
パスカ
      ル
かつて生まれたことのある
僕の記念に


d)

惜別に似た
君の名に
ささめいて
頬つえ
あれは
色のない
蝶 ね

2004/10/02 (Sat)
君を失ったその

ためいきで

シャボン玉を吹いたら

ごろごろと床を

転がって

いきませんでした
2004/10/01 (Fri)
昨日は
ライオンに
食われた

一昨日は
ウサギに

肉団子にされ
ハチの幼虫に
食われたことも
あった

ニンゲン様は
俺を汚く食い散らし
ご馳走様
まで
言いやがった

その度に
組成成分表を
書かされ

書き終わらぬうちに
最後はいつも
糞まみれだ

というか
糞だ

そのものだ

俺は循環
している
それが
どんなシステムなのか
俺は知らない

知らないが
俺は循環
している

もしかしたら
恐ろしく
シンプルな
ことなのかも
しれない

今日俺は
言葉になり
愛を伝えもしたが
最後は
糞にも
なれなかった


2004/09/30 (Thu)
イクラ丼が食べたい
キヨシマツモトは突然に言う
案の定僕のポケットには
北へ向かうチケットが二枚ある
キヨシマツモトでは本日も医薬品が大安売りで
僕はまったくの文系だけれど
キヨシマツモトとは時々仲が良い
北へ行くなら暖かい服がいるな
というキヨシマツモトの言葉で
開店中のそれが夏服だと初めて知った
レジに立つアルバイトの
ポニーテールが風に揺れている
むしろ僕は色とりどりの薬をぼんやり見ながら
咳止めでラリッた同級生が用水路に溺れた
あの静かな朝を思い出してしまう
北に着いたら見なくてすむように
カウンターに並んで食べようと思う
ホームに立つと
閉店にはまだ間があるので
キヨシマツモトは
そわそわもしていない
2004/09/16 (Thu)
笑いたくなければ
あなたはいつまでも笑わなくとも良い

右手からどうぞ、なんて看護師の言葉など
僕は信じないのだから

この幹線道路は交差点ばかりで
干からびた愛も楽器も戦車も
安く買うことができる

油性ペンで描いた秋の空を
消しゴムで消し続けたら
爪を一枚
擦りむいてしまった


2004/09/15 (Wed)
僕の必殺技のことを奴らは知らないでしょう
とても細いところで空ばかり見上げている奴らですから
ああ、高い高いですねえ
と、その間に電話をかける仕事は朝飯前です
朝飯前なのでまだ歯も磨いていませんが
発音も鮮やかにつるつるの受話器に語りかけます
つるつるなのは仕方の無いことです
受話器はかつて生きていたものたちの頭蓋骨だ、と言っていました
試しに自分の皮膚をなぞるとざらざら音がします
奴らはそんな僕をサメハダと罵るばかりです
そのために殺されたサメがいるというのなら
やはり奴らは敵に違いありません
だからといってサメに恩義があるわけでもないのです
そのあたりは根回しとか腹芸とかそんな類の、大人は汚い
と言うのは寧ろ子供ではなく大人の方なのでしょう
秋ですねえ
秋ですよ
そういうわけですから奴らに必殺技を披露するのも
近からずとも遠からず、といったところでしょうか
ただただありていに言えば
受話器の光沢が純度を増しいる間に
食卓の上で着々と朝食は進行しています



2004/09/13 (Mon)
軍艦巻きは週に一度
それが我が家のおきて

ちぐりす飲んでゆうふらてす
シャバのシャバダバ
シャバダバ・ダバダ

うちのじーさん、ひーじーさんの子供
じーさんの子供はとーさん
じゃなくて、かーさん

ひとりっこのかーさん

しんぶんしは逆さまから読んでもしんぶんし
しんぶんしのこども

大切なこども

してみたい

深刻な話
極端な話
面倒くさい話

緑の中を走り抜けていかない
真っ赤じゃないポルシェじゃない
けもの

足が四本
ツノじゃないのが二本

塩辛の逆襲
美味しい美味しい帝国の塩辛
ひーじーさんの作った

塩辛

走るな
止まるな
泣くな
笑うな
むしろ泣くな

布団が空を飛んでいく
いつまでも
涼しげ

気がつけば
一面の鼻筋



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* ILLUSTRATION BY nyao *