プロフィール
HN:
たもつ
年齢:
58
性別:
男性
誕生日:
1967/06/05
自己紹介:
こっそりと詩を書く男の人
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コップ一杯の水と
数百km離れたところにある海
その二つは
空気中に気化した水を媒介として連続する水溜りである
体内の約70%が水分の私という水溜りも
その一つとして連続している
だから血は潮のにおいがして
海は赤く染まるのだ
私はコップの水を飲み干して
確固たる連続のために窓を開ける
数百km離れた砂浜には
色とりどりの小瓶が漂着するころだろう
数百km離れたところにある海
その二つは
空気中に気化した水を媒介として連続する水溜りである
体内の約70%が水分の私という水溜りも
その一つとして連続している
だから血は潮のにおいがして
海は赤く染まるのだ
私はコップの水を飲み干して
確固たる連続のために窓を開ける
数百km離れた砂浜には
色とりどりの小瓶が漂着するころだろう
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神様、もう少しごゆるりとしませんか
ジャスミンティーでも飲みながら
神様も大変でしょう
いつもいろんな場面で登場させられて
好きなように利用されて
だから、もう少しさぼっていませんか
そういえば「さぼる」って
日本語だと思っていたのですが
「サボタージュ」という
フランス語が語源だそうですね
房総はもう少しすると
半島の先っちょから
黄色やピンクやオレンジの花が咲き始め
いい季節になるんですよ
だから神様、どうですか
木靴でも鳴らしながら
もう少しサボタージュしていませんか
私が一篇の詩を書き終えるまで
ジャスミンティーでも飲みながら
神様も大変でしょう
いつもいろんな場面で登場させられて
好きなように利用されて
だから、もう少しさぼっていませんか
そういえば「さぼる」って
日本語だと思っていたのですが
「サボタージュ」という
フランス語が語源だそうですね
房総はもう少しすると
半島の先っちょから
黄色やピンクやオレンジの花が咲き始め
いい季節になるんですよ
だから神様、どうですか
木靴でも鳴らしながら
もう少しサボタージュしていませんか
私が一篇の詩を書き終えるまで


通り過ぎて行ったのは夏
白い雲だと思っていたら
そんなことにも気付かずに
壁面に落書きを描きつづけた
ガード下
うす暗い暑さのなかで
ハンカチも持たず
何度も手の甲で汗をぬぐい
口で言うのは簡単だ、という
したり顔を横目に
発するべき言葉すら持ち合わせずに
いったいいくつの夏が過ぎ去ったのだろう
ポケットの中の
折り目正しくアイロンがけされたハンカチ
そして
理屈をこねる事ばかり得意になっていたこの口
それでもまだ
誰かの落書きの下で
あの日の自分は息を殺している
息を殺しているのだ
そう信じたくなる
時々
白い雲だと思っていたら
そんなことにも気付かずに
壁面に落書きを描きつづけた
ガード下
うす暗い暑さのなかで
ハンカチも持たず
何度も手の甲で汗をぬぐい
口で言うのは簡単だ、という
したり顔を横目に
発するべき言葉すら持ち合わせずに
いったいいくつの夏が過ぎ去ったのだろう
ポケットの中の
折り目正しくアイロンがけされたハンカチ
そして
理屈をこねる事ばかり得意になっていたこの口
それでもまだ
誰かの落書きの下で
あの日の自分は息を殺している
息を殺しているのだ
そう信じたくなる
時々


シャンティ、君が愛したのは
都川のほとり
あずま橋近く
濁った白のベンチ
シャンティ、君が産まれたのは
どこか南の遠い国
国境近くの名前も知らぬ街
川は緑と呼ぶのがためらわれるほどの鈍色
水量が減ると漂うドブの臭い
いつもベンチに腰掛け日が暮れるまで語り
産まれた街の臭いがするとつぶやいたね、シャンティ
シャンティ、覚えているかい
僕らが出会ったのは
地方都市のうらぶれた飲み屋街
場末のスナック
シャンティ、僕は君を拾って
僕は君に拾われた
シャンティ、季節は
いつだっただろうか
シャンティ、君はこの国の夏は暑くて嫌だと言った
君の祖国の方が赤道に近いのだから
暑いのは平気だろう、
そんな僕の言葉に真顔で反論して
シャンティ、あれはこの地方では珍しく
大雪の降った日だった
初めて見る雪にはしゃいだ後で
暖房の無い部屋では寒くて寝られないと
だからシャンティ、僕は教えたんだ
ペットボトルにお湯を入れて抱きながら寝ることを
湯たんぽ、そうジャパニーズ・ユ・タ・ン・ポ
タオルはきちんと巻くように言ったのに
翌日赤くなった肌を見せたね
シャンティ、君は
祖国の貧困さを憎み
この国の豊かさを憎み
僕を愛し
僕を憎んだ
シャンティ、今日は午後から
あの日と同じ雪が降っている
君が愛した都川のほとり
あずま橋近く
濁った白のベンチも
綺麗な白に塗り替えられている
シャンティ、この雪を君が住む街にも
降らせてやりたい
そうしたらシャンティ、今度は君がみんなに
ジャパニーズ・ユタンポを教えてあげるといい
遥か北方の国の
このへんてこりんな風習を流行らせるといい
タオルを巻くことも忘れずに
シャンティ、君が愛したのは
都川のほとり
あずま橋近く
濁った白のベンチ
そう
だったね、
シャンティ
都川のほとり
あずま橋近く
濁った白のベンチ
シャンティ、君が産まれたのは
どこか南の遠い国
国境近くの名前も知らぬ街
川は緑と呼ぶのがためらわれるほどの鈍色
水量が減ると漂うドブの臭い
いつもベンチに腰掛け日が暮れるまで語り
産まれた街の臭いがするとつぶやいたね、シャンティ
シャンティ、覚えているかい
僕らが出会ったのは
地方都市のうらぶれた飲み屋街
場末のスナック
シャンティ、僕は君を拾って
僕は君に拾われた
シャンティ、季節は
いつだっただろうか
シャンティ、君はこの国の夏は暑くて嫌だと言った
君の祖国の方が赤道に近いのだから
暑いのは平気だろう、
そんな僕の言葉に真顔で反論して
シャンティ、あれはこの地方では珍しく
大雪の降った日だった
初めて見る雪にはしゃいだ後で
暖房の無い部屋では寒くて寝られないと
だからシャンティ、僕は教えたんだ
ペットボトルにお湯を入れて抱きながら寝ることを
湯たんぽ、そうジャパニーズ・ユ・タ・ン・ポ
タオルはきちんと巻くように言ったのに
翌日赤くなった肌を見せたね
シャンティ、君は
祖国の貧困さを憎み
この国の豊かさを憎み
僕を愛し
僕を憎んだ
シャンティ、今日は午後から
あの日と同じ雪が降っている
君が愛した都川のほとり
あずま橋近く
濁った白のベンチも
綺麗な白に塗り替えられている
シャンティ、この雪を君が住む街にも
降らせてやりたい
そうしたらシャンティ、今度は君がみんなに
ジャパニーズ・ユタンポを教えてあげるといい
遥か北方の国の
このへんてこりんな風習を流行らせるといい
タオルを巻くことも忘れずに
シャンティ、君が愛したのは
都川のほとり
あずま橋近く
濁った白のベンチ
そう
だったね、
シャンティ


まったりと待ったり
まったりと舞ったり
まったりと立ったり
座ったり
そして
まったりと去ったり
前歯が一本欠けた美食家は
口髭を手で整えながら言う
時間を美味しく食べるには
新鮮なところよりも
少々熟成したものが良い
ただし熟成しすぎると
かえって淡白になる
「良い思い出」など
体力の弱った老人が食するもので
後悔、憎悪、未練、
あきらめ、とまどい、苛立ち
そこに
女の涙や
男のため息などを
適量にかければ
まろやかでこくのある味わいが
広がるのである
そんなもの食いたくもねえと
ナイフとフォークを投げ捨て
テーブルを蹴っ飛ばした僕は
まだ
すべてを許せていない
のだろう
まったりと舞ったり
まったりと立ったり
座ったり
そして
まったりと去ったり
前歯が一本欠けた美食家は
口髭を手で整えながら言う
時間を美味しく食べるには
新鮮なところよりも
少々熟成したものが良い
ただし熟成しすぎると
かえって淡白になる
「良い思い出」など
体力の弱った老人が食するもので
後悔、憎悪、未練、
あきらめ、とまどい、苛立ち
そこに
女の涙や
男のため息などを
適量にかければ
まろやかでこくのある味わいが
広がるのである
そんなもの食いたくもねえと
ナイフとフォークを投げ捨て
テーブルを蹴っ飛ばした僕は
まだ
すべてを許せていない
のだろう


もぐらが穴を掘るわけは
ほんとは空が見たいから
トンボが空を飛ぶわけは
海を泳いでいたいから
夕日が海に沈むのは
赤く染まる波々の
向こうにおうちがあるからで
とうさん帰って来ないのは
お仕事大変なんだろう
かあさん綺麗な洋服で
今日もお外に出て行った
隣のおうちの笑い声
こっちにおいでと
呼んでるよう
ほんとは空が見たいから
トンボが空を飛ぶわけは
海を泳いでいたいから
夕日が海に沈むのは
赤く染まる波々の
向こうにおうちがあるからで
とうさん帰って来ないのは
お仕事大変なんだろう
かあさん綺麗な洋服で
今日もお外に出て行った
隣のおうちの笑い声
こっちにおいでと
呼んでるよう


娘が補助輪無しで
自転車に乗ることが出来るようになった
昨日
父が最近左手がきかぬと
ペットボトルの蓋を開けさせた
今日
僕は時のパズルと戯れながら
3年前の出来事すら
時系列に並べることが
できなくなっている
妻は台所で
大根を切っている
空では星が
瞬いている
自転車に乗ることが出来るようになった
昨日
父が最近左手がきかぬと
ペットボトルの蓋を開けさせた
今日
僕は時のパズルと戯れながら
3年前の出来事すら
時系列に並べることが
できなくなっている
妻は台所で
大根を切っている
空では星が
瞬いている


かわいいあの娘は えけせてね
恋した相手は いきしちに
二人の間に流れてる
渡るに渡れぬ うくすつぬ
おこそとの と添い寝して
見上げた空に あかさたな
EKESETENE
えけせてね
えけせてね
えけせてね
え段の復唱テスト
暗記は完璧
ケーキ屋の前を通り過ぎ
えくれあ
えくれあ
えくれあ
あれ、ひとつ足りないな
EKESETENE
青年は砂浜に立って
一人で海を見ている
手に恋人から送られてきた
一通の手紙を握り締めたまま
青年は叫んだ
「えけせてねー!」
そうだ青年よ
失った恋なんか
叫びとともに海に捨ててしまえ
EKESETENE
それでは問題です
今までに「えけせてね」は
何回出てきたでしょうか
注意事項
その1:答えはHB以上の鉛筆で濃くはっきりと
その2:行間は読む必要ありません
その3:偽モノが混じっている場合があります
その4:トイレに行きたい人は目で合図してください
その5:特にありません
EKESETENE
えけせてね はどこにでも存在しています
例えば私が持っているこの白い花
名も無い雑草のようですが
名前は「えけせてね」
花言葉は「へめえれえ」
もちろん植物学者は知りません
だって私の内にだけ
咲いているんだもの
恋した相手は いきしちに
二人の間に流れてる
渡るに渡れぬ うくすつぬ
おこそとの と添い寝して
見上げた空に あかさたな
EKESETENE
えけせてね
えけせてね
えけせてね
え段の復唱テスト
暗記は完璧
ケーキ屋の前を通り過ぎ
えくれあ
えくれあ
えくれあ
あれ、ひとつ足りないな
EKESETENE
青年は砂浜に立って
一人で海を見ている
手に恋人から送られてきた
一通の手紙を握り締めたまま
青年は叫んだ
「えけせてねー!」
そうだ青年よ
失った恋なんか
叫びとともに海に捨ててしまえ
EKESETENE
それでは問題です
今までに「えけせてね」は
何回出てきたでしょうか
注意事項
その1:答えはHB以上の鉛筆で濃くはっきりと
その2:行間は読む必要ありません
その3:偽モノが混じっている場合があります
その4:トイレに行きたい人は目で合図してください
その5:特にありません
EKESETENE
えけせてね はどこにでも存在しています
例えば私が持っているこの白い花
名も無い雑草のようですが
名前は「えけせてね」
花言葉は「へめえれえ」
もちろん植物学者は知りません
だって私の内にだけ
咲いているんだもの


今や我が国の高齢化率は
少子化や社会構造の変化に伴う
核家族化の進行及び
医療技術の向上などにより
過去最高となっている
その結果、医療費等をはじめ
高齢者対策経費の増大は
深刻な財政負担となっており
そのような状況の中
政府としては昨年度より
老人ホーム倍増計画や
介護保健制度の自己負担率を
7割に引き上げるなど
各種の対策を講じてきたところであるが
身寄りも無く施設にも入れない
いわゆる「独居老人」の増加が
懸念されているところであり
ここに「独居老人対策基本方針」を
策定するものである
1.老人間の自由恋愛の促進
(以下略)
[政府閣議決定文より]
政府がとった政策とは簡単に言ってしまえば
一人暮らしをしている老人同士をお見合いせさ
結婚させることにより
独居老人の世帯を減らすことであった
老人専用の御見合紹介所を公で創ったのは
その最たるもので
御見合紹介所で見事結ばれた夫婦には
手当てを支給し
新しく開発されたホルモン剤で
(従来のものは副作用がひどく老人には使用できなかった)
子供をつくる身体的機能を復活させ
少子化にも歯止めをかけようとした
一方で
テレビドラマや映画や本などで
老人の恋愛を美しく謳い上げるように
業界に圧力をかけることを忘れなかった
「独居老人対策事業」は
一定の成果が得られたように見えた
街には楽しそうに手をつなぐ
老夫婦の姿が増え
夜になれば
あちらこちらからの家々から
愛の囁きが聞こえるようになった
しかし暫らくすると
この事業には重大な欠陥があることが判明した
女性の平均寿命が高くなるのに反比例し
男性の平均寿命が著しく低下していったのだ
どうやら政府は
男性は女性といっしょに暮らすと
極度のストレスを受けるという根本的なところを
忘れていたようだ
そして今
男性がいなくとも女性一人で妊娠出来る
薬の開発に本気で取り組んでいる
愛する恋人を病気で失ってしまった
女のドラマをみながら
君は言う
あなたが死んだら私は生きていけない、と
女ってやつは
いつの時代でも
男が先に死ぬことを
前提として生きているのだな
少子化や社会構造の変化に伴う
核家族化の進行及び
医療技術の向上などにより
過去最高となっている
その結果、医療費等をはじめ
高齢者対策経費の増大は
深刻な財政負担となっており
そのような状況の中
政府としては昨年度より
老人ホーム倍増計画や
介護保健制度の自己負担率を
7割に引き上げるなど
各種の対策を講じてきたところであるが
身寄りも無く施設にも入れない
いわゆる「独居老人」の増加が
懸念されているところであり
ここに「独居老人対策基本方針」を
策定するものである
1.老人間の自由恋愛の促進
(以下略)
[政府閣議決定文より]
政府がとった政策とは簡単に言ってしまえば
一人暮らしをしている老人同士をお見合いせさ
結婚させることにより
独居老人の世帯を減らすことであった
老人専用の御見合紹介所を公で創ったのは
その最たるもので
御見合紹介所で見事結ばれた夫婦には
手当てを支給し
新しく開発されたホルモン剤で
(従来のものは副作用がひどく老人には使用できなかった)
子供をつくる身体的機能を復活させ
少子化にも歯止めをかけようとした
一方で
テレビドラマや映画や本などで
老人の恋愛を美しく謳い上げるように
業界に圧力をかけることを忘れなかった
「独居老人対策事業」は
一定の成果が得られたように見えた
街には楽しそうに手をつなぐ
老夫婦の姿が増え
夜になれば
あちらこちらからの家々から
愛の囁きが聞こえるようになった
しかし暫らくすると
この事業には重大な欠陥があることが判明した
女性の平均寿命が高くなるのに反比例し
男性の平均寿命が著しく低下していったのだ
どうやら政府は
男性は女性といっしょに暮らすと
極度のストレスを受けるという根本的なところを
忘れていたようだ
そして今
男性がいなくとも女性一人で妊娠出来る
薬の開発に本気で取り組んでいる
愛する恋人を病気で失ってしまった
女のドラマをみながら
君は言う
あなたが死んだら私は生きていけない、と
女ってやつは
いつの時代でも
男が先に死ぬことを
前提として生きているのだな